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お食事会

「あら、今日は作りがいがありそうだわ・・・ミカさん大丈夫なの?」

「大丈夫です!頑張ります」


 優奈もついていくなら縛ってでも止めようと思ったが、今日は薬師の婆様・・・エネス婆さんの相手で忙しいらしい。

 どちらかというと相手をしてもらってるのは優奈だけどな。


「すまんのうメリー、いきなり押しかけてしもうて」

「いえいえ、婆様にはお世話になっていますし、むしろ今まで食事にお誘いしなかったのが不思議ですわ」

「怪我人が急に出た時の為に篭っておらんといけんのでな、仕方ないのじゃよ。今日はヤナギ様が何とかしてくれるそうじゃ」

「とりあえずご飯出来るまでトランプしようよ!」

「ふむ?エナ、とらんぷとはなんじゃ?」


 エナの提案でトランプをすることになった。

 優奈、志乃、エナ、ケーナ、エネス婆さん、俺と人数が多くなったので、俺はケーナの補助に回ることにした。

 リス姉妹?お風呂の準備してくるって行ったけど大丈夫かな。

 ケーナの補助とは言ったけど元々ケーナは頭悪くないし、前にもやってるのでルールはわかっているから補助はいらない、目的は別にある。

 今の内に柳と脳内会話をしておきたい。


『なんでしょう?』


 柳って蛇っぽいけど、完全に力戻ったら龍になったりしない?


『何ともいえませぬ、別に蛇が龍の下位ではありませんので』


 おや?俺の世界でのイメージは龍は最上位の生命体って感じだけどな。


『それは、生命体の話ですよね?精霊・・・精神体とでも呼びましょうか、その精神体からすると体の形や種族は力の上下に関係ありません』


 下位精霊と上位精霊とか?


『そうですね、今の世界で下位とか上位とかの基準はありませんが、そうなると思います。ただ、精神体だからといって実体がないわけではありませんので』


 ん?柳はまだ実体出来てないだけか?


『今の状態は具現化とでも言いましょうか、実体化すれば誰でも触れますよ。まぁしばらくは力をためつつケーナの容態を安定させることに努めますけど』


 あぁそれもそうだな・・・別に焦る必要もないし現時点で俺にも勝てそうだし、問題はないか。


『いえ・・・あれを見るまでは勝てるとは思っていましたが・・・私を掴んだ黒い腕は何なのですか?』


 俺は知らん、封印された左腕なんぞ俺は知らん。


『・・・ともかく、あれがある限り精神体だろうが何だろうがタツヤ様と真っ向勝負を挑んで勝てるモノは少ないと思いますよ』


 いや意外でもないけど、俺は結構色んなやつに負けてるぞ・・・腕型とか魔王とか巨人型とか。


『慢心しないなら、そういうことも少なくなるはずです・・・大丈夫ですよ、彼女達は完璧は望んでいません、一緒にがいいそうですよ』


 べ、別に俺一人で全部解決しようとか思ってないし!


『男のツンデレとか気持ち悪いです』


 どこでそんな言葉を覚えるんだお前は!ケーナも妙な言葉覚えてたけどお前か!


『はて、何のことやら』


 おのれ、一回教育が必要かこの蛇精霊!


「たつにい!勝ったよ!・・・たつにい?」

「え?あ、うんやったじゃん」

「ぶー・・・ヤナギとお話してて見てなかった!」

「そんなことはない・・・よ?ケーナは凄いな!」


 頭を撫でつつご機嫌を・・・あ、無理だ。

 他のメンツもエネス婆さん以外はジト目で、エネス婆さんはニコニコしている。

 よっし、俺もトランプするかなー『私もします』ボコボコにしてやる!





「はい、あ~がり!」

「ん、ゆうな・・・強すぎる」

「何なの!?何で大富豪8連なの!?」

「た、たつにい・・・ユウナおねえちゃん強すぎるよ」

「あれは、運と計算なのかのう・・・」

「・・・ほら、柳の番だぞ・・・9以上早く出せよ」


『ぐぬぬ!ないですよ!パスです!パス!』


「じゃぁ俺も上がりっと・・・弱いな柳」


『貴方に言われたくないですよ!万年ビリツー!』


 ふんっビリよりは・・・やめよう悲しくなる。

 優奈が強すぎて1位を誰もとれない・・・志乃とケーナが2位争そい、続いてエナとエナス婆さん・・・そして俺と柳でビリ争いといった感じだ。


「えへへ~たつくん私強い?」

「強すぎてびっくりしてるよ・・・コツでもあるのか?」


 嬉しそうに近寄ってきたので頭を撫でて聞いてみる。


「うにゅ・・・えへへ~コツ?特にないよ~」


 持つ者の余裕ってやつか!


「ご飯できたから片付けて頂戴。ヤナギさん?どうしたの?」

「あ、ミカおねえちゃん・・・ヤナギ負けすぎて落ち込んじゃったの」


 柳がケーナの体に巻きついて落ち込んでいる、重さもないし触れないから行動に支障はないようだけど、不気味だ。






「たつにい、今日はあーんしてくれるの?」

「今日も補助だけです・・・さすがに直ぐには体力が戻るわけないか」


『一気にやると体のバランスが壊れる可能性がありますので』


「そもそも達也?左腕が使えないから貴方も食べさせてもらう立場じゃないの」


 新事実俺は左利きである!・・・箸はともかくスプーンとフォークくらいは右手で食べられるから自分で食べ・・・だめですか?


「ん、あーん」

「あーん、むぐ」

「ケーナちゃんは私がするね!」

「ユウナおねえちゃんありがとう」

「おに~ちゃんあ~ん」

「あーん、んぐ」

「た、達也?えっと・・・ほら・・・」

「あーん、もぐ」

「ヂヂヂヂ」

「・・・お前も?あーん」

「チチチ!」

「はいはい、あーん」

「ふぉっふぉっふぉ」

「あらあら・・・わた「ほ、ほらメリー私が!あーん」仕方ないですね、あーん」


 普通に飯食べればいいんじゃね?

 これ逆に食べるの時間かかるだけじゃないか。


『野暮はいいっこなしですタツヤ様・・・私もしますか?』


 ケーナにしてやれよ。





「ヂヂヂヂヂ!」


 風呂はシリウスが最後の湯加減調整にいってくれたので、その間にエネス婆さんに左腕を見てもらうことにした。

 そういや、トムスさん達に頼んでる風呂はどうなったかな。


「たつ、包帯はずす・・・ん・・・えねばぁ・・・」

「大丈夫じゃよシノ殿・・・これは・・・なかなか酷い有様じゃな」


 一応内部優先で治癒してる・・・つもりで回復をかけている。

 基本思ったことはそのまま反映されるので便利だ、とりあえず血管と神経さえ治れば最悪白で治せるし。

 多分外側より内部の方が治癒に使うエネルギーが多い感じがする、勘でしかないけど。

 ともあれ、そのせいもあって見た目はかなりグロい、裂けたところから血管が直接見えるし脈動してるのが気持ち悪い。


「これは・・・そうじゃな・・・タツヤ殿何かなさっているのですかな?」


 エネス婆さんは何かを観察しているように見える・・・やっぱり能力持ちかな?エネス婆さんに俺の治癒法について軽く説明しておく。


「なるほど・・・中を優先してですか・・・見た目に目を瞑って、きちんと消毒しているなら確かにそっちの方がいいかもしれんのぅ」


 あれ?何か違和感あること言われた気が・・・うん?


「エネ婆ちゃん、もしかして雑菌とか知ってるの?」

「ふむ?雑菌というのかい?なるほど悪い菌がのう・・・」


 驚いたことに、エネス婆さんは雑菌の意味を一瞬で理解した。


「なるほどのう・・・この異変が来てから目に不思議な力が宿っているようでな?この目が色んなことを教えてくれるのじゃよ」

「なるほど・・・薬師のエネス婆さんにとってはかなり使える能力ですね」

「わしの目には傷口から進入しようとする悪い気を綺麗な気が防いでいるように見えるのでな」


 なるほど、実際に見えるなら理解も早いだろうな。


「まぁともかく、傷口を洗っても傷が広がらないのですな?」

「えぇ、液体なら血管を傷つけることはないと思うんで思いっきりやっちゃってください」

「そうですな・・・ユウナや大丈夫かい?」

「あ、慣れてるから大丈夫だよ、エネ婆ちゃん」

「慣れてる・・・タツヤ殿は毎回怪我しておるのかの?」

「ん、たつは戦うとすぐ怪我するお腹温めないから」

「それは、気をつけてもらわないとユウナ達も気になるだろうのう・・・タツヤ殿?」

「それは・・・まぁ、気をつけます」

「ふぉっふぉっふぉ、年寄りからの説教は嫌じゃろうし、それにこの子達に毎回絞られてそうじゃの」


 仰る通りです。

 それからエネス婆さん指導のもと消毒をし包帯・・・今回はエネス婆さん手製の布製の包帯を使った。


「これは裏側に薬をぬり込んでおってな、傷口に貼っておくと切り傷にはよく効いての、治りを助けてくれるのじゃよ」

「なるほど・・・えっと、これってトネリの葉だっけ?」

「そうじゃ、よく覚えておるのう」

「えへへ」


 丁寧にかつ素早く包帯を巻いてもらう。

 優奈は一日目で早くも成果が出ているんだな。 


「よし、これでいいじゃろう・・・お風呂に入るのでしたな」

「あー今日は風呂はいい「ん、これ使う」・・・なにこれ」


 腕をビニールでカバーするようなものを渡された・・・なにこれ。


「ん、お店で見つけた」

「あぁ・・・散策してるときに片っ端から突っ込んだから把握しきれてなかったけど、こんなのまであったのか」


 骨折時風呂に入るとき濡らさないようにするための防水カバーだ・・・しかもこれ高級品ぽいな、まぁ値段は気にしてもしょうがないけど、異次元ボックスの中も目録作っとかないとな。

 詰め込めるだけ詰め込んだからな。


「何とまぁ便利なものがあるのですね・・・タツヤ殿の世界の物ですかな?」

「ええ、まぁ・・・適当に持ってきたんですけど役に立つもんですね」


 アームカバーをつける・・・確かにこれなら風呂に入っても左腕は濡れないだろうな。


「じゃぁいつもどおりだね!たつくん!今日は私が背中洗うよ!」

「ん、トランプで負けた・・・」

「ユウナおね~ちゃんが全部勝ったもんね・・・仕方ないかぁ」

「けーな、たつにいに洗ってほしいな?」

「ちょっと待って!トランプって私参加してないから関係ないわよね?」

「おやおやモテモテですな・・・おや、目隠しをなさるのですか?男気が足りませぬぞ?」

「あんたもそっちのタイプか!エネス婆さん!少しは諌めたりしようよ!」

「いやいや、若い子の恋路を邪魔するなんてとんでもない・・・目隠しおとりにならないのですかな?」

「だ、だめですよ!エネスお婆さん!さすがに恥ずかしいわ!」

「おや、ミカ殿はまだ決心がついておらぬようで・・・いや、ユウナもですか、やれやれこういう時は女が押さないと駄目ですぞ?」

「あうあうあう、ま、まだ早いよ!エネ婆ちゃん!」

「ん、たつははずかしがりや」

「たつにい洗って~」


 揉めてる間にシリウスに手の手どかないところを洗ってもらってさっさと湯船に逃げた。


「ヂヂヂヂ」


 近くにシリウスもいるらしいが・・・腕が治るまでは大人しくさせてくれ。

 いや、そもそもこの状態は教育に悪いと思うんだけど、頼みのルッドおじさんはどこ・・・。


「そこを通すんだメリー!私はやらなければいけないのだ!」

「ついにエネス婆様にまで発情ですか・・・節操がないですよあなた?」

「違う!そうじゃない!どうしてわかってくれないんだ!娘の危機だよ!?」

「女の子の成熟は早いのですよ・・・あまり手をかけさせないで下さい」


 あぁメリーさんがいないだけでも十分だわ、そのまま頑張ってくれ。


「あれ!?いつの間にかたつくんが湯船に!?ずるいシリウスさん!」

「ヂヂヂ」


『早い者勝ちだと言っておりますよ・・・タツヤ様腕の周りを一応水で濡れないようにしておきましたので』

 

「お~ありがと~」





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