仲間が増えたよ!
遮蔽物がないせいか、朝日が眩しい・・・そして右腕が痺れている!またかああ!被ってる服をどかすと可愛い寝顔があるが・・・この痺れは治せるにしても許さん!
服ごと吹き飛ばそうとして、地面が固いことを思い出す・・・怪我されても困るしな・・・
「起きろ、そして離せ」
声を掛けつつ揺さぶる・・・もしかして、これ毎朝やんの?
「私は止めたのよ、一応」
「なら、力づくでも止めろよ」
「嫌よ、何で私がそんなことしなきゃいけないの・・・止めたら噛まれそうだったし」
最後の方は小声で聞き取れなかったが、まぁ野崎さんに罪はない
「起きろってんだ、バカ娘!」
「ふぎゃ!?」
頬を引っ張りつつ叩き起こす、落ち着ける場所なら、もう少し好きにさせてもいいが、ここは落ち着けない
「おはよう?目は覚めた?くっ付いてたのは不問にするから、移動する準備してくれ」
「あ、あい・・・引っ付くの駄目?」
「・・・勝手に行動したりしなければ、考えてやるよ」
「ほんと!?いい子にしてればいいんだね!」
「いいから準備しろ」
「は〜い」
飴と鞭?
「仲がよいわね、兄妹なの?」
「一昨日が初対面だ」
「それにしては、懐かれすぎじゃない?」
「物怖じしない子なんだろ・・・そんなことより」
こいつこの後、どうする気なんだ?男と一緒は嫌だろうしな・・・食料提供して穏便に別れるのが正解か?
「そんなことより、何よ?」
「いや、野崎さんはこれからどうするんだ?」
「え?どうするって?どういう事?」
「いや、男と一緒は嫌だろ?必要物資いくつか提供するか?ってか下に荷物あるのか?」
「え?別れるの?どうしてよ!?」
「ええ?だから男の俺と一緒は嫌だろ?・・・あ〜、一人が嫌なら坂口さんと行く?俺が別れるか」
「「なんで!?」」
うお、ビックリした。二人して何でそんなに驚いてるんだ?って泣きそうな顔してら
「何で泣く!?」
「だって、たつくん私のこと嫌いなんでしょ?だから別れたいんでしょ?」
「いやいやいや、好きとか嫌いじゃなくてだな?」
「あ〜もういい、わかった鈍感男!私は勝手について行くから、三人でいくわよ!」
「野崎さんがいいなら、構わないけど・・・悪かった、坂口さんが、嫌いだから別れるって言ったわけじゃないから、落ち着いてくれ」
「・・・っぐす、ほんと?別れない?」
「坂口さんが別れたいならともかく、俺からは別れないよ」
「ん・・・わかった」
一件落着・・・野崎さん、睨まなくても反省してるっての
一悶着を終えて、朝食をとり移動を開始する。まずは一階の様子見ないとな、最悪ロープか何かで降りればいいけど
そ〜と扉を開けて、階下を見下ろす。多分血溜まりだろう、黒い染みが三つある・・・怪物は見た限りではいない。聴力強化+感覚強化で下の気配を探るも、音はない。
「よし、下に降りて安全を確認するから、呼ぶまで待機な?」
「あい、気を付けてね」
「わかったわ」
ふと思ったが野崎さんの能力は何かね?いかんいかん、先に下だ。強化はそのままで下に降りる。
何事もなく、入口までたどりつく。外も見渡せる範囲ではいない。
ふとある事を思いつく、反応強化とかイメージの難しいものが出来たんだ・・・なら
″気配感知″
ん〜気配が上に二つ、これはあの二人か。範囲としては微妙か、なら加えて
″範囲強化″
お?遠くに何かいるな・・・二匹か、移動はしていない。
よしよし発想次第だな、中2力が試されるな!っと移動が先だ、二人を呼ぶ
「うわぁ・・・跡形もないわね」
「綺麗に食べたんだねぇ」
こいつらの精神力凄いな・・・こっちの反応の方が面倒なくていいか
「それで?荷物はあったか」
野崎さんは、しばらくリュックを漁り・・・ため息をついた
「食料は食べられたようね、貴方たちほど探索してないから、換えの服くらいかしらね」
「ふむ、まぁ大事なもんとかが、無かったなら痛くはないか」
一応2人組の荷物も探したが・・・黒いシミがついたナイフだけだった、拠点があったのか、アホなだけだったのかは、わからない。
「これからどうする気なの?」
「そうだな・・・何か意見ないか?」
「ギルドを探してみる?」
「いい加減諦めなさい」
「ぶ〜」
会話を訝しげに聞いた野崎さんが不思議そうに聞いてきた
「ギルド?」
「異世界の定番ですよね、美香さん」
「異世界・・・別世界な気はするけどファンタジーっぽさはないと思うわよ?それと美香でいいわ」
「みっちゃんまで、そういうこと言うの!?」
「み・・・優奈だって薄々感づいているでしょ?」
すげえ一発で受け入れた・・・感心してる俺をよそに、急激に仲良くなっていく二人である。仲良きことはいいんだが
「ギルドはともかく、一旦休める場所にいこう・・・そうだな、なんなら昨日の家でもいいか、安全の確認が容易だし」
間取りとか把握してるしな、それに昨日の野宿は装備が足りなかったせいか、二人とも疲労の色が濃いように見える。俺?・・・疲労回復強化とかやってたからな・・・便利だな
方針を決め動き出し、問題もなく辿り着き、各々休憩しつつ相談会だ。