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婆様に師事しよう

「・・・おはよう優奈」

「おはようたつくん・・・あの・・・」

「ん?どうした?」

「あのね・・・あの・・・」


 目が覚めた途端左にいた優奈と視線があった・・・昨日は、確かボードルさんの愚痴を聞いていて琥珀色の液体を飲んで・・・うん?


「たつくんあのね!」

「お、おう?どうしたんだよ朝から」

「えっと・・・それは・・・たつくん愚痴とかない!?」

「・・・愚痴?今のところはないけど・・・」

「じゃぁ不満とかは?」

「不満・・・?いや、別にないけど」

「お、女の子が一杯いすぎて息が詰まるとか?」

「場合によりけりだけど・・・この人数なら別に?」

「お風呂一緒に入るの嫌とか!」

「いや・・・役得といえば役得か?何言ってんだ俺は」

「じゃぁじゃぁ!」

「とりあえず、優奈・・・落ち着け」

「むぎゅ・・・うぅぅぅ」


 左腕で頭ごと抱きしめて耳元で囁く・・・あれ?これよくない格好じゃね?


「よくわからんが・・・何も不満じゃないし辛くもないぞ?優奈達がいないほうが辛い、一人はつまらないからな」

「・・・ほんと?」

「前も言ったと思うが・・・あんま気にするな」

「・・・うん・・・でもね」

「うん?」

「愚痴とかあったら聞くよ?」

「あーじゃぁメリーさんをどうにかしてくれ」

「あははは」

「何で目を逸らすんだよ」


 ふと右を見る・・・あれ美香がまだいて起きてる・・・あぁボードルさん家だから手伝いにもいけないのか、いや美香ならいきそうだけど?どうしたんだろ。


「達也・・・頭痛くないの?」

「うん?そういや・・・少し?」

「少しって・・・はぁ・・・優奈じゃないけど・・・悩みなら聞くわよ?」

「・・・何だ朝からどうしたんだお前ら」

「どうしたは貴方でしょう?・・・次からお酒飲むなら私たちの誰かと一緒にいて頂戴」

「む、お酒は子供には早いから駄目だぞ?」

「私たちは飲まないわよ・・・お酌くらいはするってことよ」

「お酌もだめだろう・・・侍らせるみたいで嫌だ」

「・・・じゃぁジュースで乾杯、それならいいでしょ?」

「あぁそれならいいな、一人で飲むよりはそっちの方が俺は好きだ」

「そう・・・本当に次からはお願いね」


 むぅボードルさんと飲んでたのに妬いてんのか?男に妬かれても・・・美香ってそっち方面に興味が・・・「ないわよ!失礼ね!」はい、すみません。


 お腹の上には二人・・・エナは足かこの感じは・・・ケーナは涎を垂らし、志乃はこっちを見てる。


「おはよう志乃?どうした?」

「ん、たつ・・・おさけおいしかった?」

「え?あーそういや、飲んだ記憶がないんだよな・・・美味しかったんじゃないか?」

「そう・・・お腹温かい?」

「そりゃまぁ二人分だし・・・ただケーナのおかげで冷たいところもあるけど」

「ん、やなぎ」


『はい、シノ様』


「けーなちょっと浮かせて」


『畏まりました、ケーナちょっと失礼しますよ』


 ケーナが柳に持ち上げられ宙に浮く、その間に志乃が口元の涎と俺のお腹の涎を拭いてくれた。

 ケーナがおろされ・・・あれ?ケーナが着てるのって。


「ん、たつが昨日着てたの剥ぎ取ってケーナが着た」

「・・・どうりで俺はTシャツのみなわけだ」


 っていうか、俺から服とるの好きね君ら。


「拭いたけど・・・ベトベト、たつふくぬぐ」

「まぁとりあえず起きて着替えるか・・・井戸かりてくる」





 今気づいたけど酒臭!?顔と拭くだけのつもりだったけど、匂いが凄いので頭から被る。

 冷た!冷たい!が、我慢だ!何度か被り頭の痛さが別の痛さで上書きされたあたりで止める。


「ふぅ・・・大分スッキリした気がする」

「それは、よかったわ・・・はい、タオル」

「お、ありがと」


 パンツくらいは履いてるけど、恥ずかしいのか上を見てる美香・・・置いておけば良かったのに。

 拭いて服を着た俺に、何を思ったか美香が顔を近づけてスンスンッと嗅ぎ始めた。


「なんだよ?」

「いや、酒臭いのはなくなったわね」

「あー凄かった?」

「ケーナなんてそれで酔ってたくらいよ?」

「そんなにか」

「まぁ寝始めてから匂いが収まったのだけどね・・・何かしたの?」

「いや、全く見に覚えが無い」

「そうね・・・あの時、能力使ってたら酷いことになってそうだわ」


 一体何があったんだ?






「おぉおはようございます、キサラギ殿・・・そのお加減は如何かな?」

「えっと、すみません途中で俺寝ちゃったらしくて」

「い、いえいえいえいえ!疲れていたのでしょうし、お酒はちゃんと付き合って頂けましたよ」

「そうですか?まぁ次はゆっくり飲みたいですね、昨日は初めてだったせいか緊張で記憶がないもので」

「そ、そうですな・・・じっくり飲み方を教えてさしあげますよ」


 ボードルさんの顔が引きつっているのは何でだ?あのままだと顔の筋肉つりそうだな。


「あなた、顔が凄いことになってるわ?何かあったの?」

「あぁマーサか・・・いや、何でもないんだ」

「そうですか?キサラギさん、昨日たくさん飲まれたようですけど大丈夫ですか?すみませんね、主人はお酒が好きで、町の何人かも酔い潰されることが多くて。でも最近はケーナのこともあって控えていたのですけど、昨日は大喜びで倉庫からお酒をたくさん出してきて・・・朝になったら全部飲み干していますし、全く駄目ですよあなた?キサラギさんはお酒飲んだことないと言っていたのに」


 マーサさんが朝食を並べながら、ボードルさんを説教してる様子を見ながら手伝いをしていたエナが俺に尋ねてきた。


「おに~ちゃん、そんなに飲んだの?」

「いや・・・記憶が無いんだよな、飲みすぎたせいかもしれない」

「もぅだめだよ?おと~さんも町長さんに何度か潰されてベロンベロンになってて、近づきたくなかったんだから!泣くし!うるさいし!泣くし!」

「気をつけるよ」

「まぁおに~ちゃん今朝はお酒臭くなかったし、町長さんが嬉しくて飲んじゃったのかな?」


 さらに志乃がパンの入った籠をもって現れて一言。


「ん、たつは次から私たちの誰かとかんぱいするからいい」

「そうなんだ?シノちゃん」

「そう、はべらす?は嫌っていう、わがまま・・・だからかんぱい」


 侍らすは何かおかしいだろう?一緒に騒ぐのは嫌いじゃないし、別に静かに過ごすのも嫌いじゃないけど、一人よりは誰かが傍にいてくれたほうが俺は安心するね。


「たつくんってうさぎさんなの?」

「うさぎの寂しいから死ぬって俗説らしいぞ」

「あ、そうなんだ?」

「たつにいさびしいの?」

「いやいや、寂しくないよ」


 ケーナが椅子に座る俺によじ登ろうとしていたので抱き上げて乗せてやる。

 やっぱり体重やら体格が随分小さく感じるな・・・栄養はともかく運動できないと、衰えていくのかな。

 無意識に小さな手を触っていたのか、ケーナが不思議そうに見上げてきた。


「ん、あぁ・・・ケーナ?」

「なに?」

「元気になったなら散歩いくか?」

「さんぽ?おそといっていいの?」

「あぁ、ボードルさんケーナを散歩に連れて行っていいですか?」


 まだ、説教してる・・・


「大体あなたはいつもいつもお酒は容量を守ってくださいと言ってるでしょう?もう若くないんだし、ケーナも元気になったのですから、飲んだくれの背中を見せるつもりですか?」

「い、いや、待ってくれマーサ!昨日のはキサラギ殿が」

「まぁ!ケーナの恩人・・・いえ町の恩人に罪を着せようとするなんて、それでも長ですか!?」


 見かねたのか美香がフォローに入るようだ。


「あ、あのマーサさん?それくらいで・・・達也も結構飲んでたみたいなので、それにケーナちゃんが元気になって嬉しくてハメを外してしまったなら今日だけは許して頂けませんか?」

「あら・・・そうね、私としたことがお客様の・・・恩人の前ではしたない真似をしてしまいましたね、そうですね・・・キサラギさんごめんなさいね?でも、主人に付き合って酔いつぶれてないなら適当に付き合ってあげてくださいね?」


 わかりましたと言う俺を青い顔で見てるボードルさん・・・うん?「(というか、ほとんど9割方は達也が飲んでるのよね)」うん?美香何だ?


「何でもないわ」


 そうか?


「ケーナ自分で食べられるか?」

「たつにい食べさせて?」


 ん~小首傾げて聞いてきてるけど・・・柳、どうなんだ?俺にだけ思念飛ばせるんだろ?


『これはケーナの甘えですね、どういたしますか?』


 まぁ快気祝いで今日くらいはいいかな。


『タツヤ様はお優しいのですね』


 馬鹿いえ、こんな小さい子・・・まして病気で苦しんでた子に辛く当たれるわけないだろ。


『いえ、それがお優しいと思うのですが・・・ケーナのことよろしくお願いします』


 まぁ今だけな・・・ほれ、とりあえずフォーク握ってみ?


「・・・むぅ?」


 あーんでもいいが、食事の補助を念頭に置いて朝食をする。

 とはいっても、筋力の衰えは1日で治るわけもなく、手を添えて自分であーんさせる状態になったけど、まぁひっきりなしに志乃とエナが食べさせているので、問題はないか。


「ん、けーなこれも食べる」

「ケーナちゃんあーん」

「あーん・・・んぐ・・・たつにいは?」

「俺は手伝うだけ~」

「・・・ぶぅ」


 さて・・・ご飯食べたらシリウスの様子見に行かないとな。






 朝食後改めて許可を貰い、薬師の婆様のところに連れて行く条件で散歩に連れ出す。

 一応歩かせてみるけど、すでに生まれたての小鹿のようになってるんだが、柳?


『何でしょう?』


 力を与えたり、身体強化とかかけてやれたりしない?


『常時かけていますし、私が憑いてることで普通の人間よりは筋力も高くなっているはずです、ですが・・・』


 あぁわかった、それは徐々にでいいぞ、焦ると碌なことにならない。


『ありがとうございます』


 さすがに見かねた優奈が抱き上げた。


「おぉ?たかい!」

「ん~ケーナちゃん疲れちゃった?」

「ゆうねえ?」

「そうだよ~しばらく抱っこしていい?」

「うん、ありがと、たかい!」

「あはは~たつくんとかみっちゃんだともっと高いから後で交代しようね~」


 しきりに高いと言ってるけど怖がってるというよりは面白がってるので、大丈夫かな。

 志乃とエナが抱っこしたいようだけど、さすがに腕力が足りないし高くもないだろうな。


「志乃、エナ?抱っこしようか?」

「ん、べつにいい」

「されたいんじゃなくて、したいんだよおに~ちゃん!」


 うん、知ってる。


「じゃぁ私を抱っこしてくれる?お兄さん?」

「・・・言ったからにはするぞ?」

「・・・悪かったわよ・・・あ、でも別にいいかも・・・?」


 美香はたまに変なスイッチ入るな、しかも照れないから実行に移すハメになりそうで恐ろしい。


「とりあえずエナ薬師の婆様に会いにいきたいんだけど」

「あ、そうだね・・・こっちだよ~」


 エナの案内で婆様のところへ、何度か見ているからあちらも見知ってるからか、家の前で声をかけられた。


「おや・・・英雄様・・・に、ケーナ?ケーナじゃないか!起きて大丈夫なのかい!?」


 相当な年齢いってると思うけど、しっかりした足取りで優奈が抱えているケーナに駆け寄る。


「おぉ、ばあば元気なったよ?」

「おぉ・・・ぉぉぉぉぉぉぉ・・・ほんによかった・・・よかったのぅ」


 泣き崩れてしまった、気持ちはわからないでもないけど美香とエナが家に婆様を連れて行く。

 



 薬師の婆様の家は、周囲に家がない場所に建っていた。

 多分火事が起こった時に巻き込まれないようにするためだろうな、生命線だろうし。

 家に入ってみると、薬臭いというか薬草の匂いが充満していた。

 不快な感じはなくて、森の中にいる感じだな。

 様々な草や植物が間隔を置かれて干されたりしてる、多分陶器の壷にも入っているんだろうな。


「ふぉっふぉっふぉ、地下にもありますぞ?見ますかな?」

「いえ、ジロジロ見てすみません・・・俺は如月達也です、今日はケーナのことで来ました」

「ええ、知っておりますよ英雄殿・・・おや、そう呼ばれるのはお嫌そうなので、キサラギ殿がよろしいですかな?」


 そうして頂けるとありがたいです・・・とりあえずケーナ見てください。

 優奈がケーナを降ろして婆様に見てもらう。


「ふむ・・・ケーナよ、体に痛みはあるかの?」

「ないよ!ばあば」

「体が弱っていること以外は健康そのものじゃな・・・一体何があったのじゃ?」

「うん?たつにいとヤナギ?」

「たつにい・・・キサラギ殿か、それにヤナギ殿とは?」


 呟いた婆様の前に柳が虚空から姿を現した。


『私です、始めまして薬師様。ケーナが大変お世話になっているようで・・・ありがとうございます』


「お、おぉ?まさか精霊様ですか?」


『近いようで遠いですね・・・ですがまぁ・・・ケーナの守護精霊と思ってくだされば』


「なんとまぁ・・・ケーナにとっては異変は良かったのかものう」


『はい、それにタツヤ様がいらしたことが非常に幸運・・・いえ、奇跡でした』


「その口ぶりだと・・・キサラギ殿が何かしてくれたようですな」


『ケーナの病気を治したのは私ですが、ケーナの命を救ったのはタツヤ様です』


「そうでしたか・・・キサラギ殿・・・ありがとうございます、この子は私めの力では延命も適わず我が身の不甲斐なさを嘆くばかりでした」

「あぁいえ、まぁ元気になったから良かったってことで」

「そうですな・・・よかったのうケーナ」

「うん、ばあば苦しいよ」


 しばらく婆様はケーナを抱きしめていた、ケーナは困った様子だったけど、満更でもなさそうなので見守る一同である。


「それでケーナの容態でしたな・・・ええ、大丈夫です。先ほども言ったかもしれませんが体が弱っているようですが、ご飯を食べて運動をすればすぐに同年代の子と同じようになれますよ、それにヤナギ様の加護もあるようですし」


 そういった婆様の目がケーナを見ながらも別のモノを見ている気がする・・・何かの能力で容態とか見ているのかな。


「優奈殿は適正があるようなのですが・・・学んで見ますかな?」


 ケーナを見てもらって安心した俺たちは、婆様と雑談をしていると優奈が薬草に興味があるのか、婆様に色々質問していた、そんな優奈に応えながらじっと見てた婆様が優奈に言った。


「え?おばあちゃんいいの?私ここの町の住人じゃないよ?」

「町の住人だからといって教えられるものでもないのですよ」

「そうなんだ・・・うん、教えてもらえるなら教えてください!」

「ふぉっふぉっふぉ、わかりました。では時間があるときは尋ねてくるといい、町にいれる間は精一杯ご教授させて頂きますよ」

「ありがとうおばあちゃん!」


 そして、俺に聞くのを忘れてたというかのように、見てきたけど。

 まぁ俺が改めて許可とる必要もないだろ、送り迎えをしっかりすればいいかな・・・いや、リス族の誰かをシリウスにつけてもらうか。

 護衛の件は口に出さずに行っておいでと言っておく。 


「ふぉっふぉっふぉ、いいお兄さんをしておりますな?」

「何で女性は皆俺の心読むんですか!?」

「甘いのうキサラギ殿、女性は魔性だから美しい・・・それが若さの秘訣となるのですよ」


 女怖い。






 婆様の家から出てシリウス達の様子を見にいく、優奈は後日伺う約束をしていた。

 次にケーナを抱えているのは美香だ。


「おぉ!?ちょっと高い!」

「ケーナ怖いなら降ろす?」

「大丈夫!次、たつにい?」

「あら、私じゃ嫌だったかしら?」

「ちがう!じゅんばん?」

「そうね、順番ね」

「うん」


 だから、羨ましいなら俺が抱っこしてもいいぞ志乃?エナ?

 あ、ごめん、睨まないでください。





 「えっと・・・おと~さんが言うにはこの辺にシリウスさん達が暮らすことになったって言ってたけど」


 思案しながら歩くエナ・・・危ないので手を握っておく、ふと家が途切れて広場に出た。


「あ、ここだと思う」

「・・・確かに材木はあるし、作り途中らしき建物もあるな」


 一見すると、普通のお家のようだが森の中にありますっていう感じのログハウス?みたいな家が建設途中なのか、半端な作りで放置されている。

 今は昼飯前だからまだ、働いていてもおかしくないと思うんだけど・・・リス族はどこいった?

 ふと、遠くから声と気配が近づいてくるのを察知した。


「うん?掛け声?」


 大勢が走っているような・・・それにこの掛け声は?


「・・・に・・・し・・・ご・・・」


 あれは、リス族と男達?何してんだ?ランニング?


「ヂヂヂヂ!」

「うわ、びっくりした!?お前気配消してただろ!?」

「ヂヂヂ」


 気配察知にひっかからないとか、いつぞやの影薄い人以来だなおい・・・強なら気づいただろうけど。


「まぁいい、で?何してんのあれ?」

「おや、タツヤ君来たのかい・・・あ、こらエナ!」

「逃げるんだよシノちゃん!」

「ん、だめ」

「裏切り者~」


 逃げようとしたエナが志乃に捕まり、ルッドさんの元へ引っ張られる。


「エナ別にお父さんは怒ってないぞ?」

「え?そうなの?」

「あぁ町長さんのとこに行くのは前もって聞いていたし、ケーナのことを考えると泊まるかもしれませんわってメリーが言っていたし、一応フリッツも伝えに来てくれたしね・・・ケーナちゃん良かったね?」

「おぉ・・・だれ?」


 ガクッと倒れそうになるルッドさんだが・・・気を取り直したようだ、美香がメッと叱っているが、知らない人は知らない人だろうしな。


「エナのお父さんのルッドだよ、あーそんなに顔も見せてないし、大人の顔なんて覚えてないよね」

「エナのぱぱ?」

「うん、よろしくね?」

「エナパパ!」


『よろしくお願いします、ルッド様』


「うわ、びっくりした!?えっと・・・ええ?あなたも森の守護者様ですか?」


 話が長くなるので俺から適当に経緯を説明する。


「はぁ・・・タツヤ君はまた、とんでもないことをしてるんだね・・・それに町長のお酒を飲み干したとか・・・」


 飲み干したって補足したのは美香で俺は飲んだ記憶がないのでノーカンです!


「ヂヂヂヂヂ!」


 うお、話が終わったなら構え!とでもいうようにシリウスが揺さぶってきた。


「ははは、シリウスさんが構ってくれ!って怒ってるよ?」

「文字通りかよ・・・で、あの走ってる集団は何だ?」

「ヂヂヂヂヂ、ヂヂヂヂヂヂ」

「えっと・・・馬鹿共に訓練をつけています、馬鹿は体力があるから馬鹿なんです、体力をなくせば馬鹿じゃなくなります・・・だってさ」


 はぁ?つまり馬鹿な行動できなくなるまで体力削ってるってこと?何かがおかしい気がする。


「チチチチ、チチチチチ」

「おう・・・チビ助、お前もいたか」

「えっと、おはようございますお兄様・・・お兄様?あぁうん、お姉様がお怒りになられてあの集団は罰を受けているところだそうだよ・・・お兄様?」

「何だお兄様って・・・なるほど罰ね」


 いつのまにか肩まで登り巻きつくように俺にまとわりつくチビ助・・・いいんだけどさケーナが興味津々だな。


「おお・・・おお?だえ?」

「ケーナ誰って・・・一応人格とかあるけど、見た目は動物なんだけど・・・まぁいいことなのかしら・・・えっと、シリウスさんよ挨拶できるかな~?」

「あい、けーなはけーな、シリウスこんにちわ?」

「ヂヂヂヂ、ヂヂヂヂヂ」


『ケーナへの通訳は私がしましょう』


 あっちはあっちに任せて、さらに1週まわって終わりなのか、広場で止まる集団に近づいてみる。

 さて、どんな馬鹿をしたのか聞かせてもらおうかな?場合によっては俺も釘を刺しておきたいしな。

 俺に気づいたのか一斉に後ずさろうとするも疲労で動けない集団、それと逃げようとしたチビ助を捕まえる。


「チチチチチチ!?」


 いやいや、逃げるなよ?シリウスの妹ならリス族にも俺の説教が効くだろ?






『いえ、タツヤ様の威圧だけで十分効くと思われますが・・・本人がコントロール出来る様になるまでは周りは大変そうですね』


「ヂヂヂヂヂヂヂ!?(人事ですね!?)」


『あれは、自分が大切にしてるモノに手を出された威嚇みたいなモノですし、向けられてる対象がわかりきっているなら、怯える必要はないでしょう?現にユウナ様達は怖がってはいませんよ』


「ヂヂヂヂヂ、ヂヂヂヂ(そりゃそうですが、あれが人間の一般的な威圧なのでしょうか)」


『あれで一般的だったら、さっさと人間に地上制覇してもらいましょう、そっちのほうが平和になります。まぁタツヤ様がかなり特別・・・いえ特殊なのでしょう・・・そう願います』


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