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―― ペチペチ ――


「ん、けーな、たつはまだ寝てるからおこさない」

「たつあねてる?」

「そう・・・おねぼう」

「いーの?」

「うん?」

「ごあんたえずにねるの?」

「ん、ごはんできたら起こそう」


 この声は志乃とケーナ?寝てたのか・・・あぁ何を吸われたかわからんが、疲れ果てて寝たんだっけ。

 で、この頬を叩いて叩きまくってるのはケーナだろうな。


「たつあたつあ、ごあんごあん」


―ペチペチペチペチペチ―


 パシッいい加減鬱陶しいので小さな・・・寝たきりだったせいか凄い小さな手を包んで止める。


「たつあ?」

「おはようケーナ、志乃」

「ん、たつ・・・おぼえてる?」

「あぁケーナは元気になったみたいだな」

「ん、たつが寝てすぐ起きて・・・すごく元気」

「たつあおきた?」

「起きたよ、あぁ遊びたいのか」

「たつああそぶ?」

「ん、先におきたこという、それとご飯」

「ごあん?」

「そう、けーなもお腹すいてる」

「ごあん!」


『そうですね、それがいいと思いますよ主』


 その声と共に今度はケーナからじゃなく虚空から白い霧が集まり蛇を形どり・・・ん?


「俺が見たときよりハッキリしてないか?」


 力尽きる前に見た時は、かろうじて細長い何かとわかる程度で、今みたいに完全な蛇な姿はしてなかったような。


『仰るとおり、貴方様の力で私も主も助かりました、改めて感謝を』


「ケーナはともかく・・・あんたに何かした覚えはないけどな」


『主が力尽きれば、私も同じく消える運命でしたので』


「ケーナが元気になってたのはおまえ・・・いや貴方が原因?」


『この世界で主によって生まれたのですが、主の病状が余りに重く・・・治すだけで精一杯でした』


「いや、治せれば十分だろ」


『いえ、治すことは出来ましたが想像以上に力を使ってしまい・・・しかも大分前から主の体は限界でしたようで病気を治しても体力低下による死亡の可能性が高かったのです』


「じゃぁ俺はケーナに何を渡したんだ?」


『人間のいうところの・・・生命力でしょうか?失礼ながらあなたが来ているのを感じとり、私が主に声をかけて貴方様にご協力をお願いしました』


 あれは・・・お願いか?誘導に近いような。


『申し訳ありませんでした、具現化する力どころか思念でさえ不完全でしたので、結局強制した形となってしまいました、ですが責は私にあります・・・どうか主には』


「あぁいや別にそこは気にしてない・・・生命力って回復するのか?」


 まぁ自分で使ったときも後遺症はないし大丈夫だと思うけど。


『貴方のは確かに生命力も使っていますが・・・願いで補えているので大丈夫だと思われます。それに生命力は健康なら回復します。回復しないのは寿命が尽きる者や怪我をして衰弱している者です』


「願い?」


『願望は力となり想像できることは具現化できるのが今の世界ですので』


「ちょっとまて貴方はこの状況を説明できる?」


 もしかして精霊とか?それなら上司がいるかはわからんが上の思惑とか知ってないか、期待に顔が緩む。


『いえ・・・世界の仕組みといいますか、定まったことはわかるというだけです』


「うん?定まったこと・・・?まだ定まってないってことか?」


『鋭いですね、お考えの通りです。まだ世界は固定化されていません、生まれたばかりなのです』


 つまり・・・うん?惑星誕生後に俺たちは連れてこられた?誰に?


『そればかりはわかりかねません、私も生まれたばかりで殆ど何も知りません故に』


 まぁケーナの治療で手が一杯だったろうな。


「それで、君はケーナの守護霊とか精霊でいいのか?」


『精霊が生まれていないので、わかりませんが・・・多分そのような位置だと思います』


 なるほどね、ケーナの能力ってことかな・・・黒幕はわからないけど、世界が始まったばかりね・・・優奈が望むものがない訳だ。

 優奈が望んでるのは国があって文化があって英雄がいて冒険者がいるような世界だ。

 始まっていないものに英雄がいるわけない、王がいなければ国は出来ないし・・・町はまぁ人が集まれば勝手に出来るものだろうけど。

 問題は何で原始人とかじゃなくて文化があって国があった世界から人をこの世界に移したかだな。

 元々あった世界から町ごと持ってくるとか手間としか思えないけど・・・まぁこんだけ出来るなら簡単なのか?しかも複数だろ?混乱しか起きない・・・混乱?うん?


 正解に辿りつきそうな俺にケーナが待ちきれないとばかりに跳び付いてきた。


「たつあ!ごあん!あそぶ!」

「あーはいはい、それと俺は達也な」

「たつあ?」

「む・・・えっと達也お兄ちゃんです」

「たつあおにいん・・・たつおにん・・・たつにい!」

「あぁうん、それでいいや」

「たつにい!」

「じゃご飯にしようかね、志乃いくぞ」

「ん、ご飯」


 二人を連れ出そうとして・・・蛇精霊に目を向けると俺の首に纏わりついてきた。

 いやいいけどさ・・・そういや


「名前は何ていうんだ?」


『主からはシロと呼ばれていました・・・が、貴方がつけてください』


「じゃぁシロでいいじゃんか」


『駄目です、名は大事です、重要です、死活問題です』


「お、おう?わかった考えるよ・・・今すぐは勘弁してくれ」


『いい名前をつけてください、適当な名前をつけたときには・・・』


「何だよ?噛み付いたり呪ったりでもすんの?」


『いえ、泣きます、主と一緒に泣きます、それはもう永延と生涯を使ってでも泣きます』


「が、がんばるよ」


『期待してお待ちしております』


 変な蛇にとり憑かれたまま、さっきお茶を飲んでいた部屋へ移動する。





「ごあん!」


 リビングに飛び込んだ第一声がそれってどうなのケーナ?


「おぉキサラギ殿起きましたか」

「あ、たつくん起きたんだよかった、このまま寝ちゃうものだと思ってたよ」

「達也・・・顔色はいいわね、まぁいつものことだけど大丈夫なの?」

「おに~ちゃんが起きないなら、誰が隣で寝るかをトランプで決めようって話してたところだよ」

「あぁこいつが言うには生命力と願いをケーナに上げたかららしいぞ、一応大丈夫だそうだけど」

「「「「願い?」」」」


 さっき蛇に聞いたことを説明する。


「生まれたばかりですか・・・それは・・・なんとまぁ・・・いえ、信じてないわけではないのですが、話が大きすぎますな」

「まぁ本当かどうかこの蛇もわかってない節があるんで、鵜呑みにしないほうがいいかもしれませんよ」


『タツヤ様はお疑いで?』


「疑うというか何というか、お前だって半信半疑だろ」


『生まれたばかりなのは本当・・・だと思いますよ?』


「元々ケーラの中にいなかったっていうなら確かに信憑性はあるかもしれんが・・・まぁ生まれたばかりの世界でも何だって俺はいいよ」


『と言われると?』


「幸か不幸か親の顔どころか友人の顔さえ思い出せないからな、別に困っちゃいない」


『それは・・・貴方様だけでは?』


「いや、優奈達も同じ状態だ」


 アルランは町ごとだから友人程度なら町の中にいれば認識できたが、他の町の名前や取引相手等は一切思い出せないらしいからな、国の名前も思い出せないのだから相当だろ。

 

「ところでたつくんその白い蛇さん、また出てきてるみたいだけど?」

「ん、あぁケーナの・・・守護精霊といったところか・・・ボードルさんこいつがケーナの病気を治してくれたようですよ」

「な、なんと!?あ、ありがとうございました!」


『いえ、私は治せはしましたが力尽きましたので・・・タツヤ様がいなければ一緒に死んでいたところですし』


「俺は病気は治せないからな・・・いや、他人に作用できるとは思ってもいなった」


『そうですね・・・正直最初貴方を見た時は無理だと思っていたのですが、町の外に出たとき何度か変化しておられましたよね』


「見てたのか?」


『一度ここに来たときに分霊をつけていたので・・・いえ、もう回収しましたよ?それで、その時に腕や足が変化するのを見てもしやと思いまして』


「白は見せてなかったけどよくわかったな」


『てっきり黒で治療されるのかと思ってたので私としてもあの時は驚きました』


「そうなのか」


『ええそれに・・・何と言うか貴方様の力・・・能力?はかなり歪な進化をしている・・・いえ間違いとかではないとは思いますが・・・早すぎる?』


「ん・・・まぁそれは後でな、詳しく話したいなら内密にしてくれ俺は能力を話すつもりはない」


『あぁいえ途中からは・・・そのタツヤ様は独り言になっております』


「・・・な・・んだ・・・と?」


 周りを見れば不思議そうな・・・いや、納得した顔をしていた、最後だけ聞こえるようにしたな?


「俺はどこから独り言を?」


『そうですね・・・主の父上殿がお礼を言ったあたりでしょうか』


「・・・頼むから次からは早くいってくれ」


『承りました』





「つまり、蛇さんの名前だね!」

「また命名なのね・・・今度は何がいいかしら」

「ん、かばやき」

「シ、シノちゃんの名前って毎回謎すぎるよ?」

「たつにいシロのなまえ?」


 一人子供が増えてさらに姦しくなったな・・・いや、男の子だったらもっと酷いことになってそう。


『主、申し訳ありませんが、タツヤ様に名づけて頂くことをお許し頂けませんか?』


「シロのなまえ?」


『はい』


「んーいいよ!」


『ありがとうございます』


 気のせいかケーナの言葉遣いが歳相応になってるような・・・さっきまではもっと幼かったような。


『主は病気のせいで口が上手くまわっていなかったのですが、回復して大分直ってきたようです』


 なるほど?


「それで俺が決めろっていうのは?」


『出来ればタツヤ様が考えた名前を私は望みます』


 と言われてもな・・・名前名前・・・蛇・・・スネイク・・・うーん、語彙が少なくて洒落た名前も思いつかねえ。

 蛇を見やる。


『ワクワク』


「たつにい、シロの名前おもいつた?」


 うむ・・・考えよう。






 しばらく考えて考えた結果。


ヤナギでどうだ?」


『柳・・・ヤナギですか・・・どういう意味があるんですか?』


「い、意味か?俺達のいた世界では木だっけ?植物だっけ?とにかく柔らかいやつでな、受け流しとか相手をかわす意味で柳をイメージする人も結構いたりしたな」


『それを何故命名してくださったので?』


「まぁ漠然としたイメージだな・・・何かお前穏やかだし、主を守るために受け流しとか上手そうだし?気に入らないならまだ考えるけど」


『いえ、柳・・・気に入りました、ありがとうございます。主様、私はヤナギです。これからもよろしくお願いします』


「うん!やあぎ?『やなぎです主様』や・・・な・・・ぎ・・・やなぎ!」


『はい、主様』


「やなぎ!けーな!」


『失礼しましたケーナ様』


「ぶー、けーな!」


『わかりました、ケーナ』


 うむ、主従の絆が深まったようで何よりだ。

 冷や汗を引っ込める。

 考えた結果何も浮かばず、つい蒲焼きといった志乃の台詞を思い出し、ウナギを想像し・・・うなぎ・・・やなぎ・・・と連想で出てきたのだが・・・咄嗟にしては理由も良かったし問題ないよね?な?


「ん、たつかばやき」

「達也・・・もしかしてあなた・・・」

「うん?どうかしたのたつくん?汗・・・凄いよ?拭くから動かないでね~」


 いいだろ!?俺は結構頑張ったよ!?とにかくヤナギの名前はこれで決定!

最初は龍の名前でつけようとしてアンヘルをつけようと考えたのですけど、さすがに辞めました。

俺は龍の中ではアンヘルが一番好きです!もちろんカイムも好きです!あの二人揃って大好きです!

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