繰り出すのはいいんだよ
「それじゃ町を案内するけど、どこに行きたいおに~ちゃん?」
「そうだな・・・って店って機能してるのか?」
貨幣価値がなくなってるだろうから、経済がまわらないような・・・貨幣制度なんてなくて物々交換だよとかいわないよな?
「あ~何日かはお金使ってたんだけど、商人さんが無理やり外に出てボロボロになって帰ってきてからは町で管理することにしたみたいだよ」
商人が外に・・・?他の町を確認しに行って襲われて世界の現状を把握したってところか?
「そうなると・・・優奈達は行きたいところあるか?」
「ふぇ?そこで私にふられてもな~ギルドないし~たつくんいじわるだし~」
「俺が意地悪なのは関係ないだろ」
「ん・・・ゆうなたつはいじわるじゃない」
「え、あ、うんごめん志乃ちゃん、そうだね!」
話が脱線するの早すぎるだろ!
「エナ、食料は配給制ってことなのかしら?」
「うんミカさん、家ごとに配ってるんだよ~」
前いた町とはえらい違いだな・・・まぁそれでも不平不満が出ないとは限らないだろうけど
「ああ!?俺達が作ったもんを俺達がどうしようたって勝手だろうが!」
「だからそれだと困るって言ってるんです!」
「ふざけんな!欲しければ金払え!」
「金払う意味ないですよ!いったいどこで使うんですかあなたは!」
「うるせえ!どういったって俺達は渡さねえぞ!」
とかいう人が現れたら、すぐ崩壊するだろうな・・・って通りを挟んで向こう側がいい例になってるし。
男が数人・・・農家だと思われる男数人と多分管理側の人が二人ほど揉みあうほどではないけど、睨みあっている。
周囲もことが食料問題、町のことに関してなので興味はあるようだけど、それだけに口を出しずらいみたいだな。
「ですからデニスさん、そんなことを言ってる場合じゃなくてですね?あまり聞き分けがないようですとこちらも強硬手段にでますが?」
何でいきなり脅しに入るんだよ、提供してもらう側だろ・・・まぁ下手にでれないのか?
「ふざけるな!まともな護衛もよこさず!手伝いさえまともに出来ないくせに食い物はよこせだぁ?お前農家なめてんのか!」
「そういうことは言ってません、護衛だって精一杯してもらってるはずです!」
「っはん!いざ魔物がきたら尻尾まいて逃げ出すような奴等が何を精一杯してるってんだ!結局俺達で撃退するはめになって怪我人が出てるんだぞ!」
「逃げればよかった話でしょうが!」
「逃げたら作物を奪われるだろうが!ふざけてんのかてめえ!」
おう・・・案外この町も長くはないかも?
「おうおうおう!見世物じゃねえんだ!散れ!・・・あん?あんたらは」
おっさんの威圧に負けず突っ立ってる俺と四人・・・志乃が手を握ってきた怖いの?嘘だ~イタタタつねらないでくれ・・・ていうか
「威圧するのは結構だが、俺達は関係ないから当り散らすのはやめてくれ」
「ああああああ?横からでてきて何だテメエは!」
代表っぽいおじさんは俺を見て固まっていたが、その後ろから別のおじさんが出てきた。
「いや・・・横槍いれるつもりもないし、好きにすればいいさ」
「なめた野郎だな!昼間っから女連れでフラフラしやがって!てめえ町の現状わかってやがんのか!?いや、若いガキは息巻いて外に出てるってのにお前はそれも出来ない臆病者ってところか?」
「お、おい、まてそいつは」
落ち着け優奈「ガルルルル」何で犬になってんの?「だってたつくん!」まぁまぁ部外者が話しに参加しても仕方ないだろ?「けど!」わかったわかった、よ~しよしよし「んにゅぅ・・・ず・・るい・・」
「乳繰り合ってんじゃねえぞくそがき!」
「だから待てと言ってるだろう!」
猛るおじさんの後ろから代表っぽいおじさんが待ったをかけた。
「何だよデニス!ガキを教育するのも大人の役目だろうが!」
「だからこいつらは一昨日町を救ってくれた人だろうが!」
「はぁ!?・・・は・・・ぁ?・・・あ・・・そうなのか?」
「あぁ俺は町長達と一緒にお見舞いにもいったんだ・・・彼は寝ていたから一方的に顔を見て帰っただけだが」
まぁ顔は確かに知られてないから確認した人にしかわからんわな「そういえば、昨日きてたわねこのおじさん」さいですか。
「もぅ!デニスのおじちゃんもマイトのおじちゃんも何なの!?おに~ちゃんにまで喧嘩売ってどうするの!」
「・・・ルッドのとこの嬢ちゃんか・・・つまり」
「おに~ちゃん達に町の案内してあげてるんだよ!最初に会ったのがおじちゃん達でしかも喧嘩売るなんて何考えてるの!?」
「す、すまねえ、おれはてっきり」
「私に謝ってどうするの!おに~ちゃん達にでしょ!」
「め、めんぼくねえ」
メリーさんが静かな怒りならエナは噴き上がる怒りだな・・・意味わからん。
おじさんを下し胸を張る小娘・・・小娘にへこへこするおじさん・・・誰がこの場を収めるんだよ。
「・・・ええっと、確かキサラギさんでしたか?」
ふと、もめ合っていた町の管理側だろうおじさん・・・お兄さん?に声をかけられた。
「ええ、キサラギです、今はトナス家にお世話になってます」
「おぉ!やはりそうでしたか・・・ありがとうございました魔王を倒してくれて・・・町を救ってくれて」
「え・・・っとまぁどういたしまして」
謙遜する必要もないけど、ほどほどに気持ちだけで結構です。
「あぁ申し遅れました、私町長の使いをしていますカリル・クイルと言います、以後よろしくお願いします」
「如月達也です・・・それでこの状況はお任せしても?」
まさか俺になんとかしろとか言わないだろうな・・・って俺を見るんじゃねぇ
「っち・・・町の客人に見苦しいところを見せたな・・・カリル!決められた量だけ持っていけ!」
「え?あ、はい!ほら早く運ぶ手配をしてくるんだ」
カリルも部下に声をかけて俺にお礼を言い離れていった、俺は何もしてない!
「・・・はぁあんたらは町の散策か?」
「ええ、まぁ・・・とはいっても経済が動いてないでしょうから、ただの散歩ですけどね」
「経済・・・商人みたいなことを言うんだな、俺はデニスっていう・・・見苦しいところを見せたな」
「いえ、話を聞いてた限りじゃなんとも・・・部外者が簡単に口を出せることでもないですし」
「そりゃそうだな、あんたの言うとおりだ」
怒ってなければ普通の気のいいおじさんなんだろうな・・・エナ・・・いつまで説教してんだよ。
「だから、いつも言ってるでしょ!・・・何?おに~ちゃん?」
「いつまでやってんだ・・・探索の続きするけど・・・エナはここにいるか?」
「あ、待って待って!行くから!」
おじさんを説教するのにどんだけ必死だったんだよ・・・とりあえずデニスさんに声をかけてから別のところにいってみるか。
「じゃぁデニスさん、俺達は散歩続けるんで」
「あぁいや、待ってくれ・・・悪いが少し話を聞いてくれないか?」
「・・・・・・・えー」
「そ、そんな露骨に嫌そうにするなよ、聞きたいこともあるんだよ・・・茶くらいなら出すから」
おじさんにナンパされてもなぁ・・・「いいじゃん、たつくん話聞いてみようよ」優奈?こういうのに口出すとか珍しいな?「うん、ギルド発足のためには話からだよ!」あ、そうですか・・・まぁ優奈の我侭に付き合うか
「わかりました、どこで聞けばいいです?」
「あぁ近くに俺の家があるからそこでしよう」
デニスさんはこの町で一番大きな農地を持っているらしく、農家の元締めみたいなものらしい。
町の食料事情は現状、外に出れないからデニスさんが握っているといっても過言ではない。
別にデニスさんは町・・・住民に食料を提供するのに抵抗はないらしい、というか提供しないと殺されるだけだろうって言ってたけど。
まぁ何にしろ食料がないと人間生きていけないから、殺されるかはともかく徴収はされるだろうな。
「すまんな、わざわざ来てもらって」
「いえ・・・色々あるでしょうし、いいんじゃないですかね・・・俺達は暇を持て余してますし」
「そうか・・・あぁそうだった、町を救ってくれてありがとう」
「あーまぁはい、どういたしまして」
会う人皆に言われそう・・・「モテモテね?」・・・美香ちょっと俺の隣に座ろうか?「イヤよ」
「くく、感謝されるのは苦手か?」
「いや、得意な人のほうが希少だと思います」
「まぁそうだろうな・・・けど、お前はそれだけのことをしたんだ、誰が何と言おうが胸を張っていればいいこの町に救ってもらった恩義を仇で返す奴はいない・・・とは思うが、お前は誇っていいんだ」
司祭様とかな・・・
「まぁ、それはいいんです・・・それで話とは?」
「あぁなんというかこの状況についてはお前もわかっていないと聞いてるんだが本当か?」
「優奈達に聞いたんですか?それなら事実ですね、俺達もある日突然この状況です」
「そうか・・・いや、すまんな・・・どうにも受け入れ難くてな」
まぁ異世界だヒャッホーイ!とか言うのは日本人くらいだろうよ。
「町の現状は聞いてるかもしれんが、酷いものなんだ・・・確かに農地も転移?とかいうのをしていたから食料自体は有る程度なんとかなる・・・しかし」
「魔物とかですか?」
「そうだ、魔物の農地荒らしがひどいのだ・・・カリルには持っていけと言ったが・・・この消費スピードでは冬を越せるかがわからん、収穫も十分にできてるとは言えんのだ」
収穫終わってないのにデニスさんがここにいるくらいだもんな・・・
「察したかもしれんが・・・収穫の終わってない農地は町から離れていてな・・・魔王の脅威はなくなったとはいえ、魔物はまだいる・・・昨日も何人か怪我をしてしまってな、幸い死人はでなかったが」
「あー、そうですね収穫を終えるまでなら護衛しますよ?」
「ぬ・・・そうか、いやすまんな、先に言わせてしまったか・・・頼めるか?」
「ええ、いつまでいるかは決めていませんでしたから・・・あ・・・お前らはどうする?」
優奈達に聞くの忘れてた・・・
「護衛って冒険者っぽいよね!」
「ここに来た時点で何かしようとは思っていたんでしょ?」
「ん・・・がんばれたつ」
「うう、おに~ちゃんへの隙が全くない!」
すまんな、これは俺の我侭だ。
「引き受けましょう、期限は収穫が終わるまでで」
「助かる・・・報酬に関しては・・・」
「あぁいや、出世ばらいでいいですよお金もらっても困りますし」
「・・・いや、何らかの報酬は考えておこう、労働には対価がないといけない」
これも一種のケジメってやつかな?まぁ当人が決めたことに俺は口出しはしない。
「話したいことはこれだったんですか?」
「ん・・・まぁな・・・」
「おじちゃん!うじうじしないでさっさと話す!」
うお?エナちゃんガンガンいくね?助かるけど
「くく、ルッドの野郎は娘にも尻にひかれてそうだな・・・あぁそれでなキサラギ殿」
「殿とかやめてくれ!」
「お、おう?じゃぁキサラギ?うむ・・・でだな、さっきも言ったように食料は農地で何とかなるかもしれん・・・しかし、満足にっていうわけにはいかんのだ、さすがに不満がでるだろう。いや、多少の不満は抑えればいいだけなんだが、後で町長も頼んでくるかもしれんが・・・出来れば調査に参加してくれんか?」
「調査っていうと町の外を探索するっていう一団を作るって話ですか?」
「なんだ、聞いていたのか?あぁそうだ、出来れば使える農地や土地を増やしたいんだが・・・何分先日の戦いで若いものを大量に失ったのが痛い。そういやケイだけでも助けてくれてありがとうよ。」
「ケイ?」
「ん?聞いてないのか?何でもお前が魔物の集団からケイを助けてくれたって話だったが」
「たつくんが何かに乗せて投げた人だよ?」
「あぁ・・・そういや・・・生きてましたか、良かった」
「おう!お前が助けてくれたって興奮してたぞあいつ」
「いやー投げたら死んじゃうかなと思ったんだけど、よかったイキテテ」
「ん?どうかしたのか?」
「イエ、ナンデモ」
ありがとう生きててくれて名も知らぬ若者よ。
「まぁいいですよ、元々優奈が喜びそうなんで参加するつもりなんですよ」
「ふえ?わたし?」
「え?調査って冒険者ぽくないか?」
「あ、そうだね・・・うん、ありがとうたつくん!」
まぁ戦闘とかは一切やらせないけどな、空気を楽しめばいいんじゃないかね。
「何から何まで済まんな・・・安定したら必ず礼はする」
「いやいや、程ほどでいいです」
「くくく、面白いやつだなキサラギは」
「いえいえ、護衛の件は明日でいいですか?」
「あぁ構わない、明日の朝に東門に・・・エナ頼めるか?」
「わかったよ、おじちゃん」
「それじゃ、俺達はこれで」
「ん?何か用事でもあったのか?昼食くらいはご馳走しようと思ったんだが」
「・・・あ~じゃぁ昼食は食べようかな?」
って、昼食は食べる世界の人たちなのか。
「じゃぁ私はお手伝いしますわ」
「私も!」
「優奈は俺と志乃と薪でも切ろうか?」
「今日はいけるかも?な日だよ!?」
「かもってなんだかもって・・・」
「エナは美香おねえちゃんのお手伝いする~」
「なら、料理は嬢ちゃんに任せて雑用は他でやるとするか」
さて、昼食後は司祭様のところだな。




