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アルラン襲撃

――― 司祭 コーンニドル・デバス ―――


「来たぞ!町の守りを固めるのだ!救援は必ず来る!耐えるのだ!」

「司祭様も言っておられる、皆の者!門を守るのだ!」


 おおおおおーーー!!!


 とは言ったものの魔物の数は200程もおり、住人一人が一匹と相討ちしたところで尚、魔王がおる。

 というより、魔物一匹を倒すのに何人の犠牲を払えばいいのだろうか。わしでも二、三匹が限度だろうし町を守ってる光の壁だって、効果はそれほどない・・・魔物が嫌がる気配を出してるだけで防御力といった点でいえば、ただのハッタリだ。


 力を与えられた者の何人かは外で迎撃しようとしてるようだが・・・馬鹿が、何故わざわざ外で向かいあうのだ、なるべく壁を守りつつ抜かれても道路に作った罠でどうにかせよとあれほど言ったのに・・・それを馬鹿どもは


「っは!こんだけの力を授かったのに穴倉に引き篭もってられるかよ!俺達は外であいつらを殺す!」

「それに、僕達が生まれ育った町を僕達で荒らすなんてこと僕達は我慢できないんです!」


 矜持は立派だ・・・が、そんなもの馬にでも食わせてしまえ。

 若さ故の過ちのツケは町人264人の命だろうよ。

 いや、何人か救援にやったが・・・まぁ間に合うとも来るとも思えん。


 司祭の矜持も持っておるし・・・逃げはせんが、なぶり殺しになるだけだろうな・・・。

 眼下を見やれば壁から出てきた・・・義勇兵・・・いや死兵がそれぞれの能力を力を武器に・・・力を授かっていないものも武器を振りかざし魔物に一団と接触した。










「おらあああ!」

「ギググガヤ!」

「ったぁ!」


 人型の怪物が足を切られて蹲る。

 見たか!俺の剣に切れないものはねえ!タロスの奴も手から火を出して怪物を燃やしてやがる、やるな!タロス!


 ふと突撃した仲間を見回す・・・既に俺達だけになっていた・・・


「うああああああああああああ!?やめろやめてくれええええええ!」


 足を掴み引き裂きながら仲良く分け合っている魔物がいる。


「うげ・・・げ・・ぶ・・・・ぐ・・・げぇ・・・」


 手足を折られ引きずりまわされ・・・遊ばれるかのように殺される仲間がいる。


「ゲルギガヤ ゲッメス ルガギヤ」


 さっき俺が斬った魔物がタロスの首を掴み・・・タロスの首は変な方向に曲がってる・・・俺を睨んでいる。


 俺達は力をもらった・・・もらってない奴だっていたが、魔物を殺せたし現にさっきまでは俺は魔物を圧倒していたはず・・・だろ?


「な、なんだよ!?なんなんだよこれええええ!?」


 司祭様の言うとおりにしていればよかった!俺は形振り構わず逃げ出した

「っぐは」


 背中から何かに踏まれた・・・肩越しにみれば・・・腕の大きな魔物が・・・片方の手で抑えつつもう片方の手で俺の頭を・・・








「あやつも・・・死ぬのか・・・む?」


 最後の死兵が死のうとしてるところに高速で何かが接触・・・


「なんと!?」


 やたら腕の発達した魔物が吹き飛んでいく・・・さらに吹き飛ばした後にそいつは何かをなぎ払い周囲の魔物を潰しはじめた。


「し、司祭様!?あやつはいったい・・・」

「わから・・・「ま、まさか司祭様が仰っていた援軍?もしくは司祭様の新たな僕!?」・・・」


 死兵がやられた後の士気は酷いものだったが・・・今なら持ち直せそうか?すまぬの、救援者よ・・・今は利用させてもらうぞ。


「そうじゃ!わしの祈りが通じたのじゃ!神はわれらを見守ってくださっている!」


おおおおおおおーーーーー!!!!!


 さきほどよりも大きな歓声を背に・・・魔物をなぎ倒す者を見る。



――――――










 あれは手遅れじゃないか?今にも襲いかからんとしてるんだけど?


「な、なんてことだ間に合わなかったのか俺は!」


 おじさんには悪いけど・・・怪物も全部がレベル2とは言わないまでも人型よりは大きいし・・・レベルアップする直前のようにみえる。レベル2の定義がわからんから何ともいえないけど。


「ぬ・・・ぐぐ・・・私はいく君達はここにいて・・・いや逃げるんだ」


 一緒に戦ってくれとは言わない辺り人が出来てるとは思うけど・・・今いったらおじさん死ぬと思うけど。


「それでも!私には守るべき妻と子・・・それにあそこは私の生まれた町なんだ!」


 と駆けていってしまった。


「たつくんどうするの?戦うの?」

「いや、戦えないだろ・・・数が違いすぎる」

「そうね・・・戦闘力がない私達が達也だけを戦場に出す理由はないわよね」

「・・・みか、その言い方はずるい」

「あ!えっと違うのよ?別に町を救ってほしいと思ってないわ!」


 志乃さんもたまにえぐるねぇ・・・まぁ美香がそういうつもりで言ってるわけじゃないのはわかってるから落ち着け。


「ってあれ?町の中から出てきたよ?」

「はぁ?なんでわざわざ外に出て戦うんだよ・・・ってまじか」


 何人か・・・”視力強化”若者?いや能力者中心か?が魔物の一団に突撃していく・・・数は20人程だ・・・。能力者なら何とかなるか?20人もいるなら・・・っておい


「っひ!?」「・・・ちょっと・・あれは・・・」「ん・・・ばらばら・・・」


 志乃の目を塞ぐ余裕もなかった・・・町の一団は魔物に接触したと途端蹂躙されている・・・一人二人は善戦してるが周りが見えてないようだ。

 善戦してた一人が周りを見たころには・・・彼だけになっていた、彼が呆然としてる間に相方と思われる少年も首ごと折られていた。


・・・どうする?助ける?なぜ?ふいに袖を引かれた


 志乃?


「助けたいなら助けにいくべき、私達を理由に助けにいかないのはだめ、たつが気にならないならこのまま逃げる、気になるなら助けにいく、たつが怪我しても私達は助ける。でも、たつが死んじゃうのはだめ、お腹冷やすから死んじゃう、温めてから助ける。いくならいく、いかないなら帰る」


 他の二人も見て・・・うなずくのを見て・・・それでも助けにいくべきか悩む・・・が・・・なるようになれか、やらない偽善よりはやる偽善・・・拾える命は拾う・・・生き方の責任は自分で持つ・・・三人は関係ない・・・そりゃそうだ・・・俺は俺だ・・・町を助けたい?いや、どちらかというと守りかたにイライラする、命を粗末にしてるようにしか見えない・・・司祭とやらは頭がおかしいのか?ミナゴロシニスレバイイ・・・ゼンブ・・・アホか!もぅいい!とりあえず殲滅しにいってやる!


「いってきます」


「「「いってらっしゃい」」」








”脚力強化””腕力強化””身体頑強””思考加速””反応強化””気配察知”


「おるあああああああああああああああああ」


 手始めに最後の一人となった町人を踏みつけている怪物の腕を掴み、胴体を蹴り飛ばす。


「ギギャガガガガガ!!!!」


 手を残して怪物が吹き飛んでいくのを横目に引きちぎった腕で、頭が異常にでかい怪物の頭をたたき潰す。

 町人が呆然とこちらを見ているのに気づき首根っこを掴んで・・・投げ・・・ようとするも投げたら死ぬよな・・・ふと・・・中身のない鎧・・・胸当て?が置いてあるのに気づいたので・・・それに乗せて思いっきり滑らせるように投げといた。「え?え?う、うわああああああああああ!?」ここにいるよりは死ぬ可能性低いだろ。


 さて・・・邪魔者はいなくなったが・・・そんな殺気だつなよ。狼だって本能で悟ったぞ?


 新たな腕型が振り下ろした一撃を横にかわし、その腕を叩きおった後に胴体に一撃・・・腹ごと粉砕した後に今度は腕が4本ある怪物に掴まれ・・・掴み返して腰をサバ折りで折ってから、飛んできた卵型にぶつけて地面に落とす。

 卵型が地面に落ちる前に蹴り上げ粉砕し、足型の蹴りを卵型の破片で受け止め・・・潰れたので結局自分の腕で抱え込み全力で振り回し何体かなぎ倒す。


 言葉通りに千切っては投げ千切っては投げ、町の方に向かおうとしてる奴は優先的に潰す。

 

 ふと・・・凶悪な殺意を感じ横に飛ぶ・・・巨大な剣が俺がいた場所に叩きつけられた。

 これが、魔王とか呼ばれてるやつか・・・大きいは大きいが2m程だろうか・・・かといって弱そうには見えない、黒い騎士みたいな鎧を身にまとい身の丈と同じくらいの大剣を振り回してくる。

 俺にとっては避けられない速度でもないし、受け止めるよりも避けたほうが・・・「グギャアア!?」ほら、副次効果で同士討ちが狙える。

 まぁそんなことをいつまでも続けてられないので、大剣が通りすぎた後・・・胴体に一発!


「・・・!?」


 いや、こいつ言葉は一切話さないんだけど・・・胴体殴ったら普通に吹っ飛んだ、とはいっても5m程で耐え切った模様。

 ダメージは・・・効いてる?ようには見えるけど何か変な・・・ってこら考察させろ!

 魔王はダメージを感じさせない動きで袈裟懸けに振り下ろしてくる。それをかわし攻撃する。一発じゃなくてありったけ叩き込んだ「おおおおおおりゃあああああ」鎧は凹んでるし効いてるようなんだが、やっぱり「・・・・!」っと、持ち直した魔王が大剣を振り回して俺を弾く。


 じっと見ていると与えたダメージ・・・鎧の凹みが消えていく。

 あれは体の一部ってことか?しかも回復力が凄まじい。

 攻撃は受けないけど・・・有効な一撃が与えられないな・・・


「・・・・・・・!」


 大剣が消え・・・魔王の体に吸い込まれるかのように消え、変わりに魔王が赤くなった。

 それに伴い、何だか周囲が熱くなって・・・まさか熱変化?

 その赤くなった腕を振り回しつつ俺に突進してくる。足元が溶けているようで・・・溶岩!?


「ぬおおおお!?」


 全力で飛び退り、間に何対かの怪物を挟み蹴飛ばし逃げまくる。

 魔王が走った後は真っ赤だ・・・大地が煮えたぎっている。これは・・・触ることが出来なくなってしまった。

 逃げ回ればそれだけ逃げ場所が無くなるのだけど・・・他に方法がない、まさか空を飛ぶわけにもいかないし・・・そのまま町の方向に突っ込まれたら本末転倒だろ。

 追いつけないとみた魔王は足を止め、待て待て町の方にいくなよ?何やら腕をこちらに向けて・・・えええええええええええ!?


 腕が



 飛んできた



 いや、普通に避けたけど?


 え?何がしたいのこいつ・・・速度はあったけど・・・強化してる俺にはそれは効かないぞ

 困惑してる俺をよそに・・・また魔王が変化しはじめる・・・おいおい今度はな・・・に・・・?


 「ブルルルルルルル」


 魔王が馬になった・・・色は黒だけど馬になった・・・そのまま駆けてきた結構速いな・・・ってうおおおお!?


 赤い溶岩の飛沫をあげながら段違いのスピードで突進してくる・・・避けきれず魔王の頭突きを受け止め・・・そのまま引きずられ・・・まっず・・・あしもと溶岩じゃん!


”両足変化 黒”


「アツアツアツアツアツアアツツツツツ・・・アッツわぼけええええ!」


 溶けはしなかったが熱いものは熱い!突進を止めた後、魔王(馬)の首元を蹴りつける。変化した足で全力でだ。

 跡形も無く弾け飛ぶかとも思ったが・・・あろうことか堪えた様子もなく・・・反転したと思ったら馬蹴りしてきやがった


”両腕変化 黒” 足の変化は解除された


 両腕でガードするも威力を殺せず吹き飛ばされ・・・「グギャアアアア!?」怪物を巻き込みつつ起き上がる。


「このぉ・・・びっくり生物か何かかてめえは・・・」


【・・・人間・・・我は千の名を持つ者・・・貴様はなんだ】


 しゃ、しゃべったぁあああああああああ!?【貴様の頭に直接話している、重ねて問う貴様は何だ】何だといわれてもな・・・ただの人間だけど【ただの人間が・・・---級と戦えていると?】は?何級?【・・・まぁいい・・・どちらにしろ主命により滅んでもらうだけだ】


 そこからは無言になった魔王は今度は緑色になり姿は・・・蛇?口をあけて・・・あ、いやな予感


 両腕変化解除”脚力強化””反応強化””思考加速”


 口から緑色の液体をはき始める魔王・・・それを避ける俺・・・この戦いが始まってから避けてばっかな気がする。魔王が吐いた液体は地面にこそ影響がないものの、怪物や人間の死体にかかると肉の部分だけが蒸発していった。


「お前千の芸を持つ魔王だろ!」

【・・・貴様!・・・我を道化と一緒にするか・・・!】


 あ、マジ切れした?


 蛇の体が元に・・・最初の黒い騎士風に戻り・・・やはり大剣と今度は盾をもって切りかかってきた。


”両腕変化 黒””反応強化””思考加速”


 今度の変化は手刀を目的としてる・・・魔王の剣と俺の腕が鍔せり合いをする・・・傍から見たら頭がおかしい光景だろうな・・・黒い剣と黒い手刀が切り結び・・・剣術なんてものは知らないから腕力に任せた叩き付けしかできないけど・・・どうやら俺の手刀のほうが強いらしく、だんだん魔王の剣と盾に皹が・・・


【貴様はなんなのだ!なぜ、我を圧倒できる!?】

「まだ、致命打は与えてないだろう・・・おりゃ!」

【っぐ!?】


 動揺したのか剣と盾が同時に折れた後、動きの止まった魔王を袈裟懸けに切り裂く。

 さすがに真っ二つとはいかなかったが相当な痛手だったらしく、傷口から黒い煙?霧を出しながら後ずさる魔王を追撃・・・魔王は上を見上げ、俺を見てニヤリと笑った・・・は?






”おお、神よ我等が願いを!祈りを!悪しき魔に!我等に救い与えたまえ!神の裁き!”






 魔王と俺がいる地点に向けて何かが撃たれた。



 魔王が白くなり・・・




 辺り一面が光で真っ白





 ・・・に・・・ぅ・・・・あ?









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