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救援要請

 ようやく日が昇りはじめたころ美香が起きだしてきた。


「おはよう、達也眠気は大丈夫?」

「おはよう・・・まぁ1日くらいの徹夜なら問題ないだろ、昼寝もするし」

「朝食作っておくから少し寝とく?」


 お言葉に甘えて少し寝とくか・・・焚き火の傍で横になる。







「たつ・・・たつ・・・おきて」


 ん・・・志乃?あぁ俺は寝たんだっけ・・・浮上する意識と共に気配察知は切れてないことを確認・・・周囲には何もなし。


「おはよう、志乃」

「ん、朝ごはん・・・昼ごはん?」


 森の中にいるせいか時間の感覚がわかりづらいけど太陽の位置てきに、お昼にはなってないんじゃないかな。


「おはよう達也、とりあえずスープ飲んでこれも食べちゃって?」


 コンソメスープに鶏肉が入っているものとお握りが渡された。美香の料理自体そもそも美味しいのだけどこういった場所だとまた格別な気がする。


「愛は最高のスパイスっていうもんね!」

「な、何いってんの優奈!」


 何やら発光娘「それ、いやー!」が騒いでるが、手早く食べきる。

 俺が寝ていた間にテントやら作った薪は収容し終えたらしい。すぐに出発できそうだ・・・ん?







「人だね?」「人ね」「おじさん倒れてる」

「人だな」


 出発する前に改めて広範囲の気配を探れば、何やら気配が一つさまよっていた。動きが不規則でフラフラしてるようだから、様子を見にきたら直前で力尽きたようだ。


 念のため、三人娘には木陰に隠れてもらい・・・生きてるのか死んでるのか・・・いや生きてるのは知ってるけど、倒れてる男に駆け寄る。

 さっきまで歩いていたからそこまで命の心配はしてないんだけど・・・とりあえず、呼吸を確認して顔色をみる・・・がよくわからん、俺は医者じゃない。

 抱き起こして、岩に寄り抱えさせると呻き声をあげた。一応外傷は見える範囲ではない。

 さて・・・どうするか、とりあえず水でも飲ませてみるか、持っていた水筒から水を飲ませる。


「おじさん、水だけど飲めるか?おーい?」

「う・・・ぐ・・・ぅ?み、水か!?」


 元気だな・・・俺から奪うように水を飲み・・・あぁおかわりね、はいはい・・・結局全部飲まれた。

 

「す、すまない、恩にきる」

「いや、それはいいんだけど何で倒れてたのさ?」

「そ、そうだった!助けてくれ!」

「・・・えーっと何から?誰を?」


 おじさんを落ち着かせて話を聞く。


 名前はルッド・トナス、名前としてはルッドらしい。ルッドおじさんが言うには町に魔王がやってきていて近くの町に救援を求めてきたようだ。

 意味がわからん、町の名前はあるのかと聞くとアルランだと言うし、人口を聞くと250程だという。

 念のため能力について聞くと「も、持ってるのか!?やっぱり司祭様がいった通りだったのか!頼む!町を救ってくれ!」と必死に迫ってくる始末。

 まてまて、ますます意味がわからん・・・おじさん能力とか持ってないの?

 おじさん曰く不思議な能力をある日手にした人はいる・・・それが司祭様だというのだ。

 世界の異変には気づいていたらしく怪物も街中に出たらしい、それを司祭様御一行が倒してくれたという。

 そうして一時は町の平和は保たれてたかのように見えたが、数日前に魔王が現れたらしいたくさんの怪物を連れ立って。

 そこで司祭様は町の防備を固めつつ、他の町に救援・・・つまり俺達がいた町の方角を指差し、ルッドさんやら何名かに救援要請をするように言ったのだ。


 ここで、三つほど疑問が

 一つ目、アルランにいる人たちは町ごと・・・それこそ住人丸ごと転移してるらしいこと。

 二つ目、おじさんも持ってないそうだが、不思議な能力・・・能力者が少数であること。

 三つ目、司祭様という御一行は何でこちらの町の位置を知っているのか。

 四つめ、魔王?それに怪物が集団で?とっくに町なんて崩壊してるんじゃ?


 本についても聞いてみた「本?そんな貴重なもの貴族様じゃあるまいしわしらは持っとらんよ、あぁそういえば司祭様が聖典が何者かに盗まれた!って仰っていたような?」聖典だろうが何だろうが本は駄目らしい。

 疑問のうち二つ目が俺には信じられない。

 人は優劣をつけるものだ、それが明確に能力を持つ者・・・持たざる者に分けられた場合、何が起こるかは想像にかたくない。

 遠くない将来・・・戦争とよべるかわからないが、そんなものが起こりそうだし・・・持つ者が持たざる者へ何かしないとも限らない、逆に持たざる者が迫害なんてしはじめたら・・・。

 持つ者が貴族とかになって人民を守るとか言うのなら・・・一番収まりがつきそうだが・・・そうはならないだろうな、なるとしてもどんだけの時間と血が流れることやら。


 疑問の四つ目についてはおじさんが説明してくれたっていうか、目が怖い


「それは司祭様が大いなる力で持って防いでくれてるからさ!」


 怪物・・・おじさん達は魔物って言ってるみたいだが、魔物が襲ってくる直前に町の外壁が光のカーテンで守られたらしい。

 町の規模がわからないが、そんだけの力を持ってるなら魔王だかいうの倒せないの?


「それが、司祭様達も防ぐのが精一杯で・・・魔物の群れはまだしも魔王までは難しいと仰っておられたよ」


 それだ、その魔王ってのは何なんだ?


「司祭様曰く、魔物をすべる王だっていうんだ・・・そんな恐ろしい物と対峙する司祭様方は!あぁ!」


 めんどくせえ・・・魔王ってのは多分便宜上なものなんだろう・・・一番強そうな固体ってところか?

 その辺りで三人娘も呼び寄せ説明をする。


「ふーん・・・なんか凄いことになってるんだね、でも救援って」

「そうね、えっとルッドさん達の町に救援とのことですけど、難しいと思いますわよ」

「ん・・・たつが一番つよいかも」


 まぁなぁ・・・あれは町とはいわないな町の形はしてるが町の中身が無い。


「ど、どういうことだい!?」


 一応、人の住処はあるけどまとまった集団がないこと、また能力者同士での戦いが耐えないことを伝える。戦いについては俺達主観だけどな。


「そ、そんな!?じゃぁ救援は望めないっていうことかい!?」


 司祭様が望むレベルの救援は・・・まぁ不可能だろうな。真が言っていた集団が機能してるなら可能性はあるかもしれないけど。


「ど、どうしたら・・・町には妻に子もいるんだ!キサラギ君といったよね?どうにかならないかな!?」


 と聞かれても・・・俺一人の戦力でどうにかなるようにも・・・思えなくもないけど・・・正義の味方ではないし、三人娘も俺一人しか戦えない状態で行って来いとは言わないだろうしっていうか、反対の目で見てるし。


「うーん、おじさんの他にも別の町に救援を求めにいったんだろ?ならそっちを当てにできないか?」

「そ、そうか、そうだな・・・すまない取り乱して・・・キサラギ君だって若いのだから、大人が何とかするべきだよな、いやそもそも自分の町の問題をこんな若者に・・・お、俺は!」


 このおじさんテンション高い・・・おじさんを宥めて、アルランに向かうことにする。

 外に出た目的が他の町を見に行くことだったので丁度いいだろう。

 絶望的状況なのはわかるから見てみぬふりも良心が咎める・・・かもしれん。

 もしかしたら魔物は小さくて魔王はレベル2程度の怪物かもしれないし。 それなら俺一人でも殲滅できんだろ。


 



 俺達はおじさんの案内というより進んでいた道を辿っただけともいう、歩き出して一日程の野営を挟んで、次の日の夕方にはアルランの町についた。

 後で聞いたところおじさんは道を覚えていなかったらしい・・・長年の狩人の経験が何とかとか言っていたが・・・アルランについたの奇跡だろこれ。







 ちなみにアルランの町が見渡せる場所についた俺達が見たのは









 大量の怪物・・・レベル2だろう・・・と、大きさはないものの・・・とんでもない威圧感を放つ黒い怪物が、まさに今・・・アルランに攻め入ろうとする姿だった。



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