いける日とは
迷走に迷走を重ね、文体が全く安定せず、妙な書き方になりました。
すみません、個性を追求というより各個人の思った言葉とかをわかりやすくするために試行錯誤している状態なので、受け付けない人は申し訳ない。
だが私は書きたいように書く!
夕食をいち早く終えた美香は作りかけだったぬいぐるみ作成に取り掛かる。片付けは志乃がやりたいと言っていたので、優奈と一緒に任せたようだ。
あらかじめ志乃から出してもらった箱を取り出すと中から材料や布、針を取り出し一心不乱に縫いだす。
美香――何をするにしても音がたたないってのは大事よね。当て布を3重に・・・いえ、いっそ5重まで頑張るわ。
何やらぬいぐるみを縫っている美香は手足となる部分には毛皮を重ねがけし間に薄く綿をいれ、接触時に音がならないようにする工夫を凝らしているようだ。
「さすがに5重だと、少しのずれも許されないというか、縫うの大変ね」
「なぁ美香?」
しかし、さすが化物の皮というか、美香の力では穴を開けるのも困難だ。この間千那が仕留めた2頭の虎っぽい化物の皮を使用しているのだが、これをよく千那は細切れにしたものだと考えながらも悪戦苦闘していると、食べ終わったのか冬華が自分を指差しながら片手を差し出してきた。
「うーん、私の力じゃ針が通りきらないわ・・・あら?冬華手伝ってくれるの?」
「ヂヂヂ」
「そうね、じゃぁこれを押し込んでくれる?印をつけるから一周させる感じで」
「ヂヂヂヂ」
「美香さんや~」
美香が布と皮に印をつけると言いつけ通りに冬華は縫っていく、化物の皮の硬さも大して苦にしていないようだ。
美香――冬華の指圧は凄いわね、スイスイ針が通っていくわ。それにトムスさんに頂いた、余った硬鉄で作ったという針も凄いわね、普通ならとっくに折れるか先端が駄目になってるわよ。
「ヂヂヂ」
「あら?もぅ出来たの?ありがとう、それじゃ手足はこれでいいとして、次は顔ね!」
「ヂヂヂヂ?」
「顔は大切よ?画竜点睛よ?雰囲気を気にするなら見た目からよね!」
「ヂヂ」
「ちょいちょい美香~?おーい?」
達也――くっそ・・・こいつ見て見ぬふりを続ける気か。
何やら一人で騒いでる達也の目の前にはデザートなのか、一枚だけ皿が残っておりその上には白い立方体の食べ物が置かれている。
見た目は完全に豆腐の形をしており白く美しい立方体のそれは達也の目には聳え立つ壁に見えるようだ。「食後のデザートだよ!」と優奈は差し出すとキャーっと言いながら志乃と一緒に後片付けにいってしまったのだ。
残されたのは皿の前で呆然とする達也と、後片付けには参加しなかった美香と冬華そしてアキレギアだけである。
達也――前に食べた時は豆腐の形をしたラーメンだっけか?食べられない物ではなかったが、見た目と味のギャップにかなりきつかった覚えがあるんだが・・・今回もラーメンなのか?
「なぁ美香?料理は一応美香が見てたんだよな?優奈を放置なんてしなかったんだろう?」
そう声をかけるとそれまで達也を無視・・・いや、避けるようにしていた美香がぎこちなく顔を動かし達也の顔を見・・・伏せた。
「おいこら、何で目を逸らす」
「み、見てたわよ?最初っから最後まで・・・ちゃんと優奈を視界にいれていたわよ?」
美香――たった・・・たった一度よ?志乃が包丁使う時に目を離した数秒よ?それだけの時間でアキレア君が悲鳴をあげたと思ったら、ギョーザの材料が一瞬で豆腐の形になっていたのよ?優奈に聞いても「え?みっちゃんどうしたの?」としか言わないし、アキレア君は見てはいけない物を見てしまったかのように目が虚ろでブツブツ言い始めるし、私の・・・せいなのかしら?
目を逸らしながらも落ち込み始めた美香を見てさすがに達也も覚悟を決めたようだ。美香を宥めるように頭をぽんぽんと撫でると箸を手にとりいざ豆腐?に挑むようだ。
達也――まぁ漫画みたいに食えない物には見えない・・・見た目に目をつぶれば味は中々いけるのが優奈の料理だからな。
「達也さんは何をそんなに警戒してるんですか?見たところ綺麗な食べ物にしか見えないのですが」
そんな2人の様子を見ていたアキレギアは疑問をぶつける。
「見た目は豆腐っていう、俺達の故郷の食べ物なんですよ・・・見た目は」
「へぇ、そうなんですか?あ、でもうちの材料で作れたって事は虫人達でも作れるってことですかね?」
「残念ですけど、優奈以外は調理不可能だと思います」
期待に目を輝かせるアキレギアに対し、美香はため息をつきながら答える。そうですかと残念そうなアキレギアだが、今は目の前の豆腐もどきが気になるのか、達也の箸の行く末をじっと見る事にしたようだ。
そんな視線を受け達也は改めて箸を豆腐に刺す。
しかし
達也――おい待て!箸が刺さらないぞ!不気味な弾力はあるくせに押し返しやがる!
どうやら箸が通らないようだ、無理やり能力を使うことも考えるが下手すればテーブルごと貫きそうなので自重した達也は今度はナイフとフォークで切り分け始めた。
達也――ナイフならなんとか・・・よし・・・た、食べるぞ?
ナイフだと簡単に切ることが出来フォークが簡単にささった豆腐もどきを手にこちらを注視する二人に頷いて見せる達也。
「できる日とかいってたから大丈夫だと思うわよ?あ、胃薬用意しとく?」
「達也さん頑張ってください!」
まるで死地に赴くかのような声援を受け達也は豆腐もどきを食べた。
達也が気づいた時、達也達はアキレギアの好意で大きな部屋を借り全員が思い思いの格好でくつろいでいた。
「うん?」
「あ、達也戻ってきた?ちょっとお願いがあるんだけどいい?」
「え?あぁ・・・うん?ちょっと待て何かおかしいんだが」
「いいからいいから、この子に名前をつけてあげてくれる?」
混乱する達也をよそに美香は手で掲げた物を達也に突き出す。
突き出されたそれは一旦美香の手から離れると床に降りたち片膝を着き頭を垂れる。
単純にいえばそれは忍び装束を見に纏うワニのぬいぐるみだった。細部が騎士型より異なっているが、基本構造は同じようであり、口元まで覆おうとして失敗したのかスカーフを中途半端なところでひっかけた状態になっているのが特徴といえば特徴だろうか。
達也―随分動きが滑らかなワニ君だな、忍者っぽい格好をしているってことは隠密とか偵察が得意なのかね?というか、頭を垂れてる意味ないよなワニ君達って。
忍び装束のワニは頭を垂れているがワニな為か目は頭についている。閉じてもいないのでつぶらな瞳で達也を見つめている形だ。
「いや、まぁ・・・特に悩む必要もないだろ?サスケでいいだろ」
達也がそう言うと了承したようにワニ君が大きく頷き前触れもなく消えた。
「は?」
何の前触れもなく消えたワニ君、【気配察知】【範囲強化】するもかろうじて捉えられたのは天井を移動していることだけだった。それもすぐに薄れてどこにいるのかわからなくなる。
「また、とんでもないワニ君・・・いやサスケか。隠密性能高すぎるだろ?」
「あら?達也でも追えないの?」
首を縦に振る達也に美香は嬉しそうにやったと呟き微笑んだ。
美香――私だけレベルが上がらないのだものこういった所で活躍しないとね。手に豆まで作ってでも頑張った甲斐があったわね。今度は騎士ワニ君達もパワーアップを考えないとね。
実際には戦闘以外の家事担当、常識判断という意味でパーティの要になっているのだがわかっていないのは本人くらいのものである。
笑みを浮かべる美香を不思議そうに見ていた達也だが不意にその視線が上に上がり、閉じる。次いで冬華が反応しある方角を見つめる。
冬華が見ている先には達也達がこの村に通った時にくぐった門がある。その方向を見ていた冬華が瞑想するように沈黙している達也に声をかけようとして気配を感じ達也から一歩離れる。
―達也―
うん?何か来たな・・・夜分遅くに面倒な。虫人達で対処するだろうけど、冬華が気づいてることだし一応様子だけでも?っておお?
目を瞑った俺に業を煮やしたのか冬華が俺に近づいたと思ったら一歩下がり、俺の感覚でも唐突に目の前にサスケが降り立つ。
「お前・・・いや、サスケ凄いな?現われるまで殆ど気配が掴めなかったぞ?」
褒めながらぐりぐりしてやると嬉しいのか尻尾をパタパタさせるサスケ。何これ可愛い。ってほんわかしてる場合でもないかもしれない。そうだな、ちょっと試験運転?させてみるか。
「サスケ、先に偵察・・・多分虫人達が先に接触・・・もしかしなくても戦闘するだろうからサポート頼めるか?ただサスケのことは伝えてないから、ばれないようにな?まぁバレても逃げられるだろうし、俺達もすぐに向かうから」
そう言うと撫でていた手を押しのけるように自分からグリグリ押し付けた後姿を消すサスケ。
【気配察知 強化】【範囲強化】お~お~、強化ならまだ捉えることも出来るか。感知強化なら問題はないだろうけど、あれは見てないと範囲自体は狭いからな。護衛という意味ではサスケは最適かもしれないな。
「たつくん?えっと、何かが来てるんだよね?」
さすがというべきか優奈達も慣れたもので、俺がサスケに指示を出している間にパジャマから普段着に着替えたようだ。志乃はまだ着替えている最中なのか俺に服を渡してくる。仕方ないなと思いながら手伝って・・・。いや待て。
「いやいやいやいや!?俺がいるのに平然と着替えたの君達!?」
「ん、たつがおかしくなった」
「わ、私は隅っこにいったわよ!?」
「みっちゃんみっちゃん?たつくんが言ってるのはそういう事じゃないと思うよ?」
というよりその下着は志乃にはまだ早いとお兄さん思・・・ま、まぁ下着は個人の自由だよな?怒らないでくれ。
達也のお父さん的思考を感じ取ったのか志乃が膨れっ面になり達也が宥めながら着替えを促す、割といつもの光景を経て準備が整う。
「達也さん起きてるかい!?・・・おや?」
直後ドアからアキレギアが顔を出し、今にも外に出そうな達也達を見てアキレギアは感服したように声をもらす。
「いやはや、さすがに外の世界をいち早く冒険してる人達は対応が早いね」
「いや、俺達も何が起こっているかまでは把握してないんだ、その様子だとかなりやばい状況なのか?」
気配的には能力を得た虫人達なら問題ないと思ったけど、特殊能力持ちでもいたのか?俺の顔が変わったのに気づいたのか落ち着いたアキレギアがまた慌てだした。
「そうなんだよ!いや、やばくはないんだけど・・・いや、やばいんだ!」
「「「どっち!?(ヂヂ!?)」」」
志乃と千那・・・もう寝始めていたのでまだ起きてないから志乃が揺すっている以外が総突っ込みを入れる。それに怯んだアキレギアが一旦落ち着くように深呼吸をして
「そ、それが、ローザも参加していると聞いてアキレアが飛び出していったんだ!」
「アキレアが?」
なら急いで追いかければいいだろ?と思ったがアキレギアの右手は固く握り締められていて今にも皮を破り・・・そういえば、怪我が直ったばかりで無理な運動は出来ないのか・・・って血が出てるし。
「わかった、任せとけ。一応動けそうなら門の方まで迎えに来てくれるか?」
「す、すまない・・・弟を・・・アキレアを頼む達也・・・あいつだけなんだ俺の家族は」
達也達は俯くアキレギアの肩を叩きながら横を通る、その際志乃は救急セットをアキレギアに渡した。
「志乃さんこれは?」
「ん、男の子はすぐに勝手に怪我する、ちゃんとお腹温めないと駄目・・・アキレアもお兄ちゃんが怪我してたら心配する」
「お、お腹?あ、いや、そうだね・・・うん、弟をよろしくね志乃さん」
「ん、たつは凄いから大丈夫」
子供の根拠のない自信も、数日しか集落で過ごしていないにも関わらず達也達の力の片鱗を見せられては妙に説得力が出るようだ。お腹?と疑問を覚えつつも志乃に向かって頭を下げるアキレギアだった。
「そんなことよりどうしてこんなに更新が長引いたんだい?伊藤グループの魔王とか干乾びているんじゃないかい?」
イ、イベントが悪いんじゃー!後残業も悪いんじゃー!




