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続々と

 唐突に

    3人称に

        なるんだね

             最上川。

「では次はわしですかのぅ?」


 長は待ちきれないといった様子で達也に次は自分だと迫る。達也も苦笑気味ではあるが、順番的にはそれがいいでしょうねと受託する。


 さすがに長の名前なので威厳がある方がいいかなと達也が考えていると、優奈が閃いたとでもいうように手を合わせ、達也に言った。


「クラウスさんとか威厳ありそう!」

「クラウスさんか・・・いいんじゃないか?どうですか?」

「おぉ、クラウスのぅ・・・クラウスクラウス・・・良いのぅ、わしはテンドウ・クラウスじゃのぅ!」


 長も気に入ったようで、名前を呟きながら他の者へ名乗りに外に出ていってしまった。ちなみにクラウスはドイツ人に多いが、誰も気にしないので問題ない。


 長が外に出てしまった事でまた混乱が起こるかなと達也が心配するも、意外にも落ち着いた様子で順番待ちをする虫人達。どうやら素直に待っていた方が良い名をもらえると判断したようだ。


 そしてその中から甲虫人が進み出て次は俺がと達也達に頼み込む。それを見て志乃が即答した。


「ん、かたそうだからアーマーの人?」

「アーマー・・・じゃ名前にならないから、アマドさんとか・・・かな?」


 さすがにアーマーじゃまずいと判断した達也が、志乃の自尊心を傷つけないように名前をもじって考える告げる。ちなみにアマドはスペインだ。国境はないのである。


「ふむ・・・なかなか勇壮ではないか、俺は戦士長が一人、カブト・アマド!」


 そう宣言しながら、長に続くように外に出て行ってしまうアマド。一旦その流れが出来ると、後から名前を決めた者も宣言しながら外に出て行く。そして外に出た虫人と入れ替わるように新たな虫人が入ってくる。


 これは終わるまで開放されないなと、諦めた達也は自分以外は別行動していいぞと仲間達に声をかける。


「ん~じゃぁ私は調合してるところ見てこようかな?」

「ヂヂヂ」


 優奈は集落の薬草を専門に扱っている所に行くと言い。護衛は任せろと冬華が胸を叩く。


「私は、摘める物を作ってくるわね」

「千那がついてくぞ!」

「・・・そうね、千那も少し覚えて見る?」

「うむ?任せろ!」


 美香は昼食を作る為、ローザと一緒に長の家へ。千那が護衛してくれると聞き、ついでに優奈よりは見込みがあると踏んで、千那に料理を教えることにしたようだ。千那は何を覚えてみると聞かれたかはわかっていないようだが、頼まれたことはとにかく受託するお年頃なのだ。


「ん、たつと頑張る」

「まぁ・・・そうだな、雪と蒼もここにいるか?」

「チチチ」「クルゥン」


 達也の膝の上にいる志乃にいつのまにか抱えられていた二人も頷くように鳴くと、志乃の膝の上に丸く収まる。元々雪は身体が小さいが蒼はそうでもない、それでも志乃の膝の上に収まれるのは、ひとえに蒼の能力で自分の身体を縮小しているからだ。逆に巨大化も出来る。


 そこからは宣言通り別行動になった。

 






「・・・レイクリッド」

「俺はセミ・レイクリッド!」

「・・・サシャ」

「私はチョウ・サシャね・・・いいわね!」

「・・・アルフ」

「わしゃアルフじゃな?」

「ん、メイリーン」

「ほほほ、メイリーン!何て美しいのでしょう!」

「ん、アレクサンダー」

「おおおお!?アレクサンダー!?強そうですね?僕にそんな名前もらっていいのでしょうか・・・」

「ん、がんばれ」

「がんばります!」


 思いつく限りに名前を与える達也と志乃はひたすら名付け作業だ。途中美香が昼食やおやつも持ってきたが、それをパクつきながら休み無しで名付けをしている。一応被らないように紙に書き込んでいってはいるが、さすがに人数が人数なので被ったりはしているようだが。


 そろそろ夕方になろうというあたりで人の流れが一時的に途切れたので机上に散らばったメモを集めて眺める2人。


「そういや志乃、さっきもアレクサンダーって使わなかったか?」

「ん、たつアルフレッドとかアルとかアルがつくのばっか」

「あ~アルフォンスとかな・・・今何人くらいつけたんだろうな」

「わかんない・・・いっぱい?」


 いっぱいという志乃に苦笑しながら労うようにいっぱいだなと言い頭を撫でる達也。私も!と言うように鳴く獣っ娘もついでとばかりに撫でて休憩していると、扉から気配を感じ再開かと視線を向ける達也。


「おう?ここか?何でも名前をつけている奴がいるって話しだが」

「失礼だぞ・・・如月殿でしたか?」


 入ってきたのは大柄の虫人集団だった。種族は蜂族、クワガタ族、蠍族といった種族的に戦闘が得意そうな面々が並んでいる。その中でも大柄なこと、一定の緊張を持っていることから町の戦士集団かなと達也は

あたりをつける。


「ええ、町の・・・アマドさんが所属している戦士集団ですか?」


 それを聞くと先頭にいたクワガタ族の戦士は一つ頷く。


「ええ、あなたにつけてもらった戦士長はアマドと名乗っております。私達は集落の守備があったのでこの時間まで顔を見せることが出来ませんでした」

「そうですか、じゃあ貴方方も名前を・・・ということで?」

「はい、そうで「お前がぁ?戦士長の名前もつけたって話しだけどこんな弱そうなのが?」・・・やめろ」


 さっきから達也に突っかかる蠍族の男をクワガタ族の男は諌める。しかし同調するように後ろにいた何人かの戦士が頷くのを見てクワガタ族の男は半ば諦める。


 もちろん先日の広場での惨劇・・・達也が威圧をした結果を知っている者は止めようともしたが、クワガタ族の男と同じように一度痛い目にあったほうがいいと考え、黙すことにしたようだ。達也を見くびっているのはあの広場に町の守護の為にいなかったものだけのようである。


 一方達也は確かによそ者が自分達に名付けをしているこの状況を不満に思わない者が出ないわけないよなと納得していた。ある程度の功績・・・蛸型を倒したとはいえ、それほどの功績とは思っていないので今まで拒否反応がなかったことの方が不思議だと思っていた。


 実際は広場での威圧、それに多数の被害を出した蛸型を一撃の元で殲滅した達也は集落にとっては英雄に近い立ち位置にいるのだが、知らぬは本人とその場にいなかった戦士集団のみである。それに美香の衣服提供や取引相手としての交渉相手としての格もある。


「それじゃどうします?必要ないのでしたら、欲しい方だけ考えますけど」


 初めての拒否反応があったとはいえ、この場にいる戦士全員が否といっているわけではないと気づいた達也は欲しい人にだけ考えようと頭を切り替える。志乃は達也に喧嘩を売った時点で不機嫌になりつつあるので、雪と蒼が顔を舐めたり身体を摺り寄せることで意識を逸らそうとしている。


「あん?おいおい、俺は馬鹿にしてるんだぜ?まぁ確かに?手薄の門を守ってもらったみたいだけど?聞けばあんた達だけで撃退したって話しだろ?相手の数が少ないならまぁ・・・弱そうだけどそれくらいなら倒せたんだろ?」


 ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら、蠍族の男は自慢の針尻尾を誇示するように、顔の横で揺らしながらテーブル向こうの達也を目だけは睨む。賛同するように何人かの戦士が蠍族の横に並ぶ。


 蠍族の男からしてみれば、ぽっと出の多種族の者に集落の視線を全部持っていかれて気に入らないのだ。それにこいつらが来てから身体に変調を来たした。結果でいえば、戦闘力はあがったし女がより一層美味しそうに見えるようになったことから、コレに関しは感謝をしているが、だからといって集落の女がこいつに熱を上げているのは気に入らない。


 威嚇するように針尻尾を机のあたりまでプラプラさせはじめたあたりで達也の雰囲気が変わる。ある程度の戦闘力を持つ者、感知力が優れた者は発生源と原因を察知し、身構える。

 

 達也の視線は針に注がれている。尻尾の長さを考えるとテーブル越しにこちらに突き刺すことは容易であろうと警戒をしているだけだが、戦闘回数は総合で考えると少ないとはいえ、全てが死線・・・むしろほとんどが死にかけての戦闘なので達也の警戒はそれこそ一流の戦士が身構える程になっている。別に威圧や殺気を飛ばしている訳でもないのに関わらずである。


 威圧や殺気を出しているわけではないので、感じない者は感じないので・・・その一人である蠍族の男と周囲にいる馬鹿者達は達也の雰囲気が固くなったな、ビビッタのか?としか思っておらず、調子に乗って身を乗り出し始める。


”思考加速””反応強化””腕力強化””脚力強化””身体頑強””気配察知”


 達也が能力をかけ直し臨戦体勢を整えた時、扉の向こうからの気配を感じ取った。遅れて扉の近くにいた戦士達も気づいたが、小柄な影は誰かが反応するまえに扉を潜ったあたりで飛び上がった。


「達也お前!姉さんを泣かせたなっー!」


 標的は達也だったのだろうが、達也の前には蠍族が背中を見せていたので、必然的に蠍族の男の男を蹴りつけることになった。


「ぐぁっ!?」

「こっちくんな」

「ぐへあああああああああ!?」


 小柄とはいえ結構な威力があったのか、テーブルを転がるように吹っ飛んできた蠍男を、最初は受け止めようかと考えた達也だったが、志乃が怖がって雪と蒼を守るように抱きしめたのを感じ取り、受け止めようと伸ばしていた手をなぎ払った。


 一応人がいない方を考慮したのか、人的・物的被害を出すことなく壁に叩きつけられる蠍男。


「お、おい大丈夫か!?」

「あいつ今片手で吹き飛ばさなかったか?」

「あの細腕に一体どんな力があるんだよ・・・」


 心配して駆け寄る者、達也を畏怖の目見る者・・・そして。


「俺の攻撃を予想して盾を用意しておくとはやるな達也!だけどこれだけじゃ済まさないからな!」


 達也を指差しながら睨み付ける・・・飛蝗族の小さな戦士がいた。




 う~ん、達也視点の方が書きやすい・・・が、練習も必要ですよね。

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