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VS蛸

100話目~案外三日坊主になりませんね。

― 冬華 ―


 タツヤ様は気づいていたようですが、こちらは私が対処した方が良いでしょう。そう思ったのでクラゲみたいな怪物に殴りかかったまでは良いのですが、これは失敗だったかもしれませんね。


 すでに右腕が動かなくなりました、後に聞いたところクラゲの中には痺れ毒を持っているものや雷を出すものもいるそうです。海の生物のくせに雷とはクラゲとは恐ろしい生物です。


 とにかく右腕が動かなくなってからは、避けることに専念しています。幸い触手から飛び出す針は目で捉えらえるので、そこは問題ありません。問題なのはこちらの攻撃方法がないことです。鳴手は両手を使わないと効果が薄いですし、そもそも内部にダメージ与えたところで内臓が見えないのです。半透明なおかげで中身が見えるのはいいのですが、内臓なしにどうやって動いているのですかこの怪物は?


 最悪左腕を犠牲にして放手で倒すことも考えましたが、こいつ一匹とは限りませんし、何より倒しきれるかがわかりません。どうやらタツヤ様は蛸の方に向かったようですね。千那が防衛に残るようです。確かに千那のあれは防衛に向いてます。雪達は千那に任せれば大丈夫でしょう。


 それにしても困りました、避けてるだけじゃどうしようも・・・ふむ、タツヤ様と出会ってから身体の調子もいいですし試してみましょうか。


 本来これは邪道なので、あまり使用すると身体の負担が大きいのですが・・・この世界に来てから身体が強化されたのか、以前よりも大分・・・いえ、リスク無しに使用できそうですね。


 私は左手の爪を大きく成長させます。ビキビキと音を立てながら伸びていく爪を見て私も大概ですねと思いつつも30cm程伸びた爪を確認します。


 やはり上手く出来ていますね、本来なら左腕の痛みが凄いことになりますが、きちんと爪だけを変化出来たようです。これなら問題ないですね。


「ヂヂヂヂヂ!(細切れになりなさい!)」


 赤黒い爪でクラゲに斬りかかります。切れ味はともかく強度がないので、まずクラゲに当てたあと撫でるように切れる場所を合手の応用で探り、切込みが入った瞬間に放手の応用で斬ります。


 うまくいきましたね、クラゲの触手と頭?胴体?の部分を真っ二つに出来ました。明らかに刃渡りに足りてないのに真っ二つに出てきたところから私の技量も向上しているのでしょう。タツヤ様の傍にいる為には強さが必要ですし、私としては嬉しい限りです。雪もそろそろ訓練メニューを増やすべきでしょうか?


 おや?やはりというか一匹だけではありませんでしたか・・・戦闘時は半透明ですが、隠密の時は完全に透明なのですね、まぁタツヤ様や私には関係ないので、残念ですが倒させて頂きますね?



―――




”思考加速””反応強化””腕力強化””腕力強化””脚力強化””身体頑強”


 蛸の周りにいる魚人から片付けるか。一匹一匹に時間はかけていると蛸が何してくるかわからないので、

さっさと退場してもらおう。


「お・・・・・・りゃあああああ!」


 グレートソード(刃渡り2m程、黒塊の変わりとして特注で作ってもらった、切れ味はそれなりだがその分重量がとんでもないことになっている、何せ腕力強化2重かけと脚力強化をしとかないと満足に触れない)を遠心力で振り回しながら魚人の群れに突っ込んで真っ二つにしていく。


「め、目が回る」


 調子のって回転し続けたせいか気持ち悪くなった・・・三半規管強化も次からはつけたほうがいいかもしれない。


 とにかく蛸以外の魚人は・・・いや蛸の後ろにまだ何匹かいるが、まぁ蛸までの準備運動になっただろ。


 青緑の身体をグネグネ動かして、身体の表面を2つの目が移動している・・・どうなってんだその目は。

8本の足は移動に使っていないのか、威嚇するかのように振り上げられている。振り下ろしはしないようだ。


 と暢気に観察していたら、身体のあちこちに動いていた2つの目が俺に焦点を合わしたらしく移動を止めて、前についている1本の足が俺に振り下ろされた。


 その足の直撃地点は避けながらグレートソードで向かい撃ってみる。


 グレートソードと接触した足は絡み付くように巻き付いてきたが、そんなことお構い無しに腕力に任せて


「んぎぎぃ!らあああ!」


 振りぬき、半ば引きちぎる形で斬ってやる。


「ホォォオォオォオオオオオ、ホォォォォオォォオォォオオ!」


 なんつう奇妙な声で鳴きやがる、いやいや蛸って鳴くのか!?いや、陸にいるから蛸じゃないのかもしれないけど、陸蛸?結局蛸じゃねえか!


 1人でコントをしていると、蛸の斬れた足から新たな足が生えてきた、にょきにょきっと。あ、これキリがないパターンじゃないか?生えた足で傍にいた魚人をひっつかむと身体の下に引きずり込み、多分足の付け根に口があるのだろう、租借音と共に魚人が消えていった。


 先に魚人を殲滅しておくか?・・・死体も食えるだろうから意味ないか。足をいくら斬っても無駄なようだから、頭を狙うか。


 能力はそのまま足を振り下ろしたタイミングで足の上に乗る・・・ぶよぶよしてるが何とか体勢は維持できる、そのまま駆け上がり頭を斬りつけてみる。


「駄目か!真っ二つにしないとくっつくか・・・」


 中途半端に斬ったくらいじゃ再生で元通りになるようだ。それから足をさけ足を斬り、生え、斬り斬り、生え生えを繰り返す。


「き、きりがない」


 救いなのは切れた足を再利用、繋げたり食べたりはしないところだろうか?だとしても魚人が栄養になっているから意味がない。千那に来てもらうか?いや、戦闘中に後ろを確認したが冬華がたくさんのクラゲと交戦していた、まだ千那にこちらに来てもらう訳にはいかない。別にピンチってわけでもない。終わる気配はしないけど。


 ふと千那で思い出したが、あいつと俺の能力は何か似ているよな、そんでもって魔王だった時の千那って燃えたり酸を吐いたりしてたなと思い出す。


 燃える・・・か。


 いやいや、さすがにそこまで人間辞めてないよな?俺だってまだまだ人間ですよ?ははは。


”左腕変化 黒 形態・炎”


 出来ちゃったよ・・・思わず頭を両手で抱えそうになるが、途中で踏みとどまる。危ねぇ頭燃えるところだった。グレートソードは落としてしまった。左手に纏っている炎は俺には効果がないのかと思い右手で触ろうとするが明らかに熱さを感じられたので慌てて引っ込める。左腕は特に熱さを感じないので変化させていないと駄目なのだろう。


 とにかく出来てしまったのは仕方ない、黒の腕を纏うように出ている炎を左手先に収束するイメージで纏め上げる。

 

 最初普通の赤というか黄色という感じの色だったが、収束させると黒くなった。何で黒なんだ?青とか白じゃないのか・・・これが厨二力かと思いながらも、なぜか警戒したように動きを止めた蛸に投げつけて見る。


 蛸は一瞬避けるそぶりをしたが、俺の手を離れた途端に巨大化した黒の炎球を見て諦めたのかそのまま受け入れ消失した。


 消失というか焼失か?当たった部分から消えるように消し炭となって、頭が綺麗にくり貫かれ円形に陥没した、頭は形を崩しながら潰れていき、足も力を失ったように地面に横倒しになった。

 

 ついでのように後ろにいた魚人も焼け死んでいたが、余波か?蒸し上がるようになっていたので、着弾周辺が瞬間的に高熱を発したのかもしれない。使うときは注意しよう、うん。


 それから普通の肉体強化に”思考加速””反応強化””腕力強化””腕力強化””脚力強化””身体頑強”戻した後は残った魚人を片付けた。クラゲの方は冬華が倒しきったようだ、あいつも左手の爪が変化していたので冬華も大概人間辞めてるなと言うと、物凄い剣幕で怒られた。


 ちなみに戦いが終わると冬華の爪は風化するように消えてなくなった。


「また、たつくんが面白いことになっちゃってる」

「ん、たつはもえる?温かいならお腹大丈夫?」

「いえ志乃?あれで温めたら死んじゃうわよ?」


 3人娘達はいつものことだと流されてしまった・・・俺が気にしすぎかな?ま、まぁ確かに腕から炎くらい出せる能力者いるだろ?雷はいたんだから!


「達也・・・千那は不要か?」


 何故かは知らんが炎を自前で出した俺に自身を失くしている千那もいたが、守ってくれてありがとうなと褒めて励ましておいた。


 それとまぁ・・・蝶の人達がようやく呼んできたのか、いや戦闘するタイミングがなかったのか、虫人達の戦士かな?が門の前に集合していて呆然と蛸の残骸を見ていた。


 虫人達の一団から蟷螂の人と蜘蛛の人・・・それからカブトムシか?頭に立派な角が生えてる人が出てきて何やら話しかけてきた。・・・千那通訳!その間にグレートソードは異次元ボックスに片付けておく、邪魔すぎる。


「む?うむ・・・む・・・うむ」

「――---―-‐――-‐―-――-」


 相変わらず何も聞こえない聴力強化しても聞こえなかったから、基本的に人間が聞こえない音域なんだろう。


 千那によると、あの蛸は集落の戦士がかかっても仕留めきれず、被害を出しつつ何とか退かせるのが精一杯だっとのことだ。それを倒してくれて感謝すると、まずカブトムシの人が頭を下げると一斉に虫人達が頭を下げてきた。


 そして蟷螂の人から話を聞いて早々に会おうと思ってはいたが、別の箇所で魚人が来たらしく対応が遅れたのこと、そこの魚人を倒し終えたら蝶の人から蛸が来た!と伝令を聞き慌ててこちらに来たとのこと、着いたはいいが、冬華の戦闘は終わりかけていて、シート上の千那は張り切りすぎていて近づけそうにない、あげくに俺が蛸を燃やそうとしているのもあって見ているだけになったようだ。


「そりゃいきなり手を燃やしている奴がいれば驚くよな」

「ふむ・・・とりあえず集落にはいれてもらえるようだぞ?」


 千那に言われてカブトムシの人を見れば隣の蟷螂の人が俺の手を取り先導してくれる・・・いや何故掴む?振りほどく訳にもいかないのでそのまま蟷螂の人を戦闘に集落に入っていく。ここに来るまでに上から見た通り土の壁で出来た家や木や植物で出来た家、木をくり貫いた家が多かった。石や煉瓦で作られた家はないようだ。いや、家を作ってるだけで俺としては驚き・・・失礼か。


「おぉぉぉぉエルフの家みたいだね!?」

「優奈あんまりはしゃがないの・・・失礼よ?あら?志乃?」

「ん、みかあれなに?」

「あれは、何かしら?大きな蜂の巣に見えるけれど」


 志乃が指差す先には確かに蜂の巣?ハニカム構造といったかな?穴の大きさが人が問題なく通れる大きさで虫人達が外にある足場を通り出たり入ったりしているのが見える。


「――-‐―-―‐-‐―」

「ふむ・・・あれがこの集落の畑だそうだ」

「畑?あの中に作物が育っているってことか?」


 興味があるのなら見て見るか?と蟷螂の人が首を傾げてきたので頷くと案内された。カブトムシの人はそれじゃあ後で長の家で落ち合いましょうと離れて言った。傍にいるのは小さい飛蝗な人・・・見るとなぜか殴られた、志乃が仕返しとばかりに雪と蒼をけしかけていたので止める。もしかして小さいに反応してるのか?あ、そうなのか・・・ええっとすまんかった。


 ふんっとでもいうように顔を背けた飛蝗の人に謝りながら、ハニカム構造の畑の前まで来る。足場は工事現場とかで見るようなタイプではあるが、かなりしっかりした作りになっている。両手で籠を運ぶためか上下の移動は階段だし、縄を使って荷物を降ろす機能もあるようだ。滑車もきちんとあって俺と美香は驚いた。


 俺達からは丁度入り口しか見えなかったようだが、中はいくつかの部屋に繋がっているようだ。一番下の段に入って見ると中で繋がっており、なにやら土の上で作業をしている虫人がいる。多分だけど蝉の人かな?口がストローみたいになってる。


 蟷螂の人によると下は土を使う根菜を栽培している、別に太陽の光はいらないそうだ。というよりは強い光に当てると駄目になるそうだ。見せてもらった根菜は大根ぽい見た目だった。味とかはわからん。後で振舞ってくれるそうだが。


 2段目は天井からぶら下がる形で実が成っていた。こちらは植物を別の場所で骨組に絡ませながら育てた後、実をつける頃合にこちら茎を切り、こちらの天井に移植させるらしい。成っていたのはトウモロコシみたいな実だった。こちらも後で振舞ってくれるそうだ。


 3段目では水が張った陶器?がたくさんおかれていて、その中で球根なような野菜を育てていた。あえていえば玉葱が近いとおもうが、例のごとく味はわからない。


 4段目まであり、別の場所でも同じように色々と育てておりますと蟷螂の人は締めくくり、下に降りる。


 下まで降りると今度は長の家に案内しますと・・・案内されるのだけど、興味がないのかそれとも虫人達が気を使ってくれてるのかわからないが、必要以上にこちらに注視しない。


 蟷螂の人にこちらですと、ようやく手を離してくれドアをノックすると合図があったのかドアを開けたので俺達は中に入る。




 長の家は大きな木をくり貫くように出来ていた。木は死んでおらず、樹上では青々しい新芽が出ている。



 魔法の世界があるんだ、手から火を出すくらいどうってことないない。





 100話だし評価くれてもいいのよ?

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