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WEO《ワールド・エンド・オンライン》

どうも、たちまるです。

この物語はフィクションです。

どこかで見たことあるようなぁ設定だなぁと思ってもそれは気のせいです。

きっと気のせいです。

たぶん気のせい・・・・・・です。

神谷暮都かみやくれとは、自分のマシンの電源をつけた。神谷がやっているオンラインゲームWEOワールド・エンド・オンラインは、3年前に発表された次世代MMORPGの中でも最高峰と言われるグラフィックに新しいシステムを導入した最近の中で最も熱いオンラインゲームだ。

世界規模で展開され、今やWEOワールド・エンド・オンラインをプレイ出来ない国は無いと言われるまでになった。

国ごとにサーバー(以降『鯖』と呼ばれる)が分かれているわけではなく、独自の翻訳プログラムで言語はWEOワールド・エンド・オンラインの共通言語であるアルウェン語に統一され、もはやゲーム内では国という垣根は取り払われた。

神谷が特に気に入っているのは、WEOワールド・エンド・オンラインPCプレイヤーキャラクターのレベルを上げていくゲームではないという点とWEOワールド・エンド・オンラインと同時に発売されたRVMリアル・バーチャル・マスクによって今までのオンラインゲームとは一線を画したリアルさを体験できるところだ。

WEOワールド・エンド・オンラインが発表された当時、神谷はクローズドβテストからオープンβテストなどの全てのテストに参加した。正式にゲームが運営されるようになっても徹夜を繰り返しいつの間にか廃人プレイヤー(重度のオンラインゲーム中毒者)の一員となっていた。

(あれから一年か……)

神谷はとある理由で一年前にこのゲームを引退していた。

(やっぱり手がかりはこのゲームの中にしかない……)

ゲームが起動し、WEOワールド・エンド・オンラインの世界の光景が広がると同時に意識は電脳世界へと沈んでいった。


 †


クロードがゆっくりと目蓋を開くと目の前には幻想的な光景が広がっていた。

一年ぶりのWEOワールド・エンド・オンラインの世界。

クロード(神谷暮都のメインキャラ)は、交易都市カリウェルのワープゲートの前に立っていた。

交易都市カリウェルは、その名の通り商売が発達している都市だ。

高層ビルが立ち並び、道には露店が数多く並んでいる。周りは海に囲まれ港にはいくつも船が停まっている。

多くの商人がこの都市を利用している。理由はいくつかあるが、一番はこの都市はほとんど関税がかからないというところだろう。あとこの都市は交通の便がとても良い。

クロードが見つめる先には大型の飛空挺が忙しそうに飛び交っていた。

(久しぶりだな)

一年しか離れていなかったのに、もう何十年も離れていたように感じる。

自分の胸に甘い疼痛が広がるのをクロードは感じた。

この体を動かすのも一年ぶりだが、意外とスムーズに動いている。

(戦闘は流石に勘を取り戻さないといけないだろうな)

クロードは、いくつもの武器を操ることが出来るジョブである『武装連環士ライアソード』だ。

その特性からあらゆる武器を使うことが出来るとされているが、実際は操作難易度が特化職に対して段違いに高く、一般的には弱職とされている。

綺麗な流線型を描きつつも、随所に鋭い刃が仕込まれた漆黒の鎧を身に着けている姿は、孤高の戦士といった出で立ちだ。

(これからどうするかな)

とにかく、今は情報収集が先決だ。目的を果たすためには、闇雲に動いてもしょうがない。

とりあえず掲示板をチェックしようということで、クロードは交易都市の中央区の広場に訪れた。

流石に交易都市の中央区ともなると、人通りが激しい。

広場にも露店が置かれ、様々なアイテムや武器防具が所狭しと並べられている。

クロードも何回も露店にはお世話になったことがある。特に交易都市の露店は他の都市と比べても質が高く値段も安い。

そして交易都市の近隣には、出現率が低いモンスターが沸く箇所が何箇所か存在していて滅多に拝むことが出来ないレアドロップアイテムなどの掘り出し物を見つけることが出来る。

人混みを避けつつもゆっくりと進み、やっとの思いでクロードは中央区の中央に設置されている掲示板にたどり着いた。

各都市に何個か設置されているこの掲示板は、都市や近隣のダンジョンの情報について色んな人が書き込みを加えているため情報の宝庫だ。

クロードが今知りたいのは、行方不明者や正体不明のモンスター、そしてPK(プレイヤーキラー)についての情報だ。

キーワードを打ち込み、検索をかける。次々と表示される情報にクロードは目を凝らした。

一番ヒットしたのはPK(プレイヤーキラー)についての情報だった。次に正体不明のモンスター、最後に行方不明者。

PK(プレイヤーキラー)というのは、他のPCを襲い装備しているアイテムを奪ったり手持ちのゴールドを奪う輩のことだ。通常のPCはノーマルネーム、誰か一人をキルした場合そのPCはイエローネームへと変わる。イエローネームになったPCは、誰かにキルされた場合に通常より重いデスペナルティが課される。

そして、多くのPCをキルしたPCはイエローネームからレッドネームへと変わり、誰かをキルした場合必ずその相手が装備しているアイテムを奪う代わりに、レッドネームがキルされた場合、PCがデリートされるというデスペナルティが課される。

そのため、必然的にイエローネームは多いがレッドネームの数は少ない。

掲示板には、そのレッドネームの情報がいくつか掲載されていた。その中にいくつか見知った名前を見つけてクロードは懐かしい気持ちになる。

次の正体不明のモンスターだが、正直信憑性にかける情報ばかりだった。だいたいが、既に発見されているモンスターだが、遭遇した相手がまだ知らなかっただけというパターンが多い。WEOの世界には何万種類ものモンスターが存在しているため、新種と勘違いされることが多いのだ。

行方不明者の情報でクロードの目は止まった。

数は少ないが行方不明者というのは確かに存在しているようだ。

一番新しい情報で信憑性のありそうなものは、遺跡ダンジョンに潜ったペアがそのまま帰ってこずに、ゲームにもインしなくなったというものだ。これについては何人もの証言があり、信頼できそうな情報だ。

(やはり、一年前の事件と関係があるのか?……)

これから、どうするか。行方不明者が出たという遺跡ダンジョンに行ってみるか。

クロードが思案にくれていると、不意にピピピッという音が鳴り響いた。

(なんだ?)

システム画面を開いてチェックすると一通の匿名メールが届いていた。

明らかに普通ではないメールにクロードの警戒心は高まったが、メールのある一文を見て血相を変えた。

(一年前の……再現……だと)

いつの間にかクロードは走り出していた。

一体何が起こっているのか、何もわからない。

ただ一つだけ言えることがあるとすれば。

「一年前の過ちは繰り返さない」


一年間停滞していたWEOワールド・エンド・オンラインの世界が今再び胎動を始める。



たちまるです。

出来るだけ続編を書いていきたいと思いますが、人気なかったら続編はないかもしれません。

そこだけはすいません。

誰も読んでくれないと寂しいもの・・・・・・。

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