失意の中
性質……生まれつき持った固有の特徴、属性。
型……何かの元になる形状。
寮に帰ってきた私は、マダムカナンに言われたことを思い出していた。
……んだけど、いや、無理じゃない?
だって、生まれつき持っているやつを変えるって……いや、ないない。
やっぱり解釈違いだよね。
と、なると……振り出しに戻る……
うわぁぁぁぁん!!
本当、何なのよ!
私の魔法ーーー!!!
――――――
魔法判定から半年。
私は、あれから頑張った。
言葉の辞書を引き、魔法辞典を引き、魔法訓練をした。
けれど結局、時間は過ぎるばかりで。
結果、惨敗。
まさかの魔法判定が出てから、挫折するとは思わなかった。
結局卒業試験の結果は、最下位。
魔法判定前後の成績の落差。
同期の、憐れみに満ちた視線が突き刺さる。
お互いライバル視していた同期からも、何も言われず肩を叩かれた。
泣きそう……
魔法が使えない私は、就職先すら決まらず、卒業してしまった。
喜んでいる同期の邪魔をしないように、私は一人街を彷徨っている。
だって私がいると、お祝いに水を差しちゃうから。
ふふふふ……
はぁ……
とりあえず、得意な薬草採取と調合で仕事を繋ぐしかない。
在学中、アルバイトで稼いだお金はあるけど、宿屋暮らしなんかしたら、すぐにパァだ。
薬屋さん……雇ってくれないかなぁ……
もう一度と言わず、何度でも頼んでみようかな……
「「はぁ…………ん?」」
広場のベンチで黄昏ていると、隣の人と目があった。
「あ、どうも。」
「いえ、どうも。」
随分とかっこいい獣人族の人みたいだけど……ハゲてる。
どことは言わないが、色々……ハゲてる。
ピコン!
【感知しました!】
なにおぅ!?
何、感知しちゃったの!?
【魔法を使用できます。】
あ、ご丁寧に、どうも……じゃない!!
え、何!?急に何!?
魔法?
あの変な魔法が使えるの!?
どういうこと?
ああああもう!どうにでもなれ!!
一人で百面相している私を、隣の獣人さんが不審に見てくる。
でも、今は気にしている余裕がない。
「あのっ!」
「あ、ああ、何だ?」
「魔法!魔法使わせてください!」
「は?」
頭の中に、魔法の使い方が流れてくる。
情報量の多さに頭痛がするが、今は無視。
「そのハゲ、私に治させてください!」
「ハゲじゃないっ!……ああ、いや、そんなことできるわけない。上位の治癒魔法でも治らなかったんだぞ。」
「お試しでいいですから!そこをなんとか!」
私の勢いに身を引く獣人さんだが、ここは逃がさない。
ここで逃したら、なんかダメな気がする。




