卒業記念の観覧車
この作品は「なろうラジオ大賞6」応募作品です。
今日は金曜日 『金曜 女のドラマシリーズ』です(*^。^*)
蜜月はすぐに醒め、三年努力した。
次の二年は悩んだ。
そして一年半余りの準備期間の後、
私は家庭裁判所へ離婚調停を申し立てた。
マンションのメールボックスへ『佐藤直樹』宛ての呼出状が届いたその日、私は自分の気が済む範囲で部屋を片付け、用意しておいた新居へキャリーバッグを二つ引いて向かった。
唯一の心残りは『寝耳に水』であたふたする直樹の顔が見られない事だが……それも大した問題では無い。
どうして心が……こんなに離れてしまったのか?
私が本当に好きだったのは……総てを捧げた初恋の人だったから?
でも、初恋の人に捨てられた私に、直樹は優しかった。
「僕がキミを運命の人だって確信する様に、キミにとっても僕が運命の人になれる様、キミを守り愛して行くよ!」
その言葉に、カレの愛に包まれている自分を感じて……私はカレからのプロポーズを受け入れた。
だからこそ!!
私だってカレとの愛の証となるベビーを抱きたかった!!
でも、叶わなかった……
“ずっと妊活している”私達に子供ができないのは……調べてはいないけど直樹が原因。
なぜなら私には『初恋の人との子を身籠った』という秘めた過去があるから……
それなのに直樹はまるで分かってはいない!!
「オフクロが『子供がまだか?』って……莉奈が育児と仕事の両立で悩んでいるんだったら心配するな!『いつでも同居する』ってオフクロも言ってる!」
カレの母からの……こんなイヤミに塗れたプレッシャーばかりが年々酷くなっていく。
直樹の優しさは義母と同じで、所詮、上辺だけの物!
カレの浮気の尻尾を捉まえて、それが良く分かった。
呆れる程の“似た者親子”だ!!
新居へ向かう途中、海浜公園へ立ち寄り、観覧車に乗った。
観覧車はゆっくりと上昇し、窓の下には……
直樹と素敵な家庭を作ろうと夢見てやって来た、この街が一望できる……
だから観覧車は……この結婚からの卒業記念になるんだ!
これでもう!二度と振り返らない!!
だって私は!!
30歳になる前に完全に身綺麗になりたいのだから!!
これから始まる『和解への闘い』に際し、一歩も後へは引けないのだから!!
こんな事って、あるかもですね(^_-)-☆
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