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サムシング

作者: 神乃轟介

 それが現れたのは、確か昨日の深夜だったような気がする。トイレに行くと、目が覚めてしまったので部屋の明かりをつけたとき見つけたのだ。天井の左端に、ほぼ透明と言っていい球体が引っ付いていた。大きさはちょうどバスケットボールぐらいで、大きな透明のゼリーが天井に、落ちてくることもなくくっついている…、そんな感じか。勿論驚いたし、目の錯覚だと思った。幾ら目をこすっても、それは僕の視界から消えることはなかった。ずっと、天井の隅に張り付いていた。

 透明、球体、と検索にかけても透明のゼリーの作り方とかが出てくるだけで、あんなものが存在したという事例は、世の中に存在している気配など一切見受けられない。


 そもそもが、得体のしれないものを、目撃する人なんて圧倒的に少ないだろう…。得体の知れない…?ふと思いついた、僕は、検索ワードを超常現象に変えて調べてみることにした。

三十万以上のサイトがヒットした。初めから順番に見ていくと、写真投稿型のサイトが見つかった。UFO,空に浮かぶ火の玉、トンネルの中の人影など、いくつも送られてきているようだ。それぞれの写真の下には、恐らくサイトの管理人だろう、詳細なコメントが付いている。いくつか読んでいると、写真の送り主とのやり取りがあるものもあったし、コメントを書き込むのも自由にできるようになっている。あの物体の写真を送ってみることによって、何か知ら分かる人が現れるかもしれない。それにはまず、写真を送らなければなるまい。

 最初に、アカウントを作って…。ペンネームは…、思い浮かばないのでABCにして…、それからスマホであの物体の写真を……。

 天井にいるあの物体に向かってスマホを向け、写真を撮る。……、何かがおかしい…。そうだ、息が…、息が出来ない…。

 写真を撮った時のフラッシュに反応したのか、あの球体は僕めがけて飛んでくると口元を覆い隠したのだ。力ずくで外そうとしても、無理だった。想像以上の力で僕の口元に密着している。

 必死になって外そうとしていると、それは口の隙間から徐々に口内に侵入して…。それで……。


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