フェリックスを探しに
邪魔者は消えた。
これで、わたしを邪魔する存在はいないはず。
あとはフェリックスを探し出して……永遠の愛を手に入れる。彼を愛するのはわたしだけでいい。
誰かに奪われるくらいなら、彼と共に死ぬ覚悟だ。
「……っ! オルタシア、なにをした」
時を止めていたヨハネスが再び動き出した。
奇妙な光景を目の当たりにし、わたしを恐れていた。
「なにをって、これは当然の報いです。だって、ビアトリスはわたしを殺したんですもの……やられたら、やり返す。当たり前でしょう」
「オルタシア……君はそんな残酷な女性ではなかったはず!」
「怒鳴らないでヨハネス。それに、わたしを怒らせない方がいいわ」
そう忠告するとヨハネスは冷や汗を掻いていた。
一歩、また一歩と引いていく。
そんなにわたしが怖いのね。
でもいい。
彼はわたしを助けてくれた。
その恩はある。
恩を仇で返すほど、わたしは愚かではない。
「これからどうするんだ、オルタシア」
「わたしは、フェリックスを探しに屋敷へ戻ります」
「それは……止めた方がいい」
「なぜ」
「ビアトリスがこうなってしまった以上、フェリックスは黙っちゃいない。君を暗殺しに来るだろう」
「どうして……」
「こんなことは言いたくはないが、フェリックスは君を愛していないと思う。ビアトリスを気に入っていたんだよ。君を不幸な目に遭わせたくて……だから」
「それ以上は止めて。本当に貴方を殺してしまう」
確かに、偽物の愛だったかもしれない。それでも、愛してしまった。フェリックスを。 もう一度、もう一度だけ気持ちを確かめて……それで。
そうだ。
わたしは立ち止まってなどいられない。
今すぐにフェリックスに会いたい。




