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第199話 協力者になってもらいましょう

「これはご丁寧に。私はパラジウム王国の新興貴族当主、ライリール・ドライ・サーバル辺境伯と言います。ですが今は冒険者として動いてますのでライでお願いしますね」


 僕がそう言った瞬間、ナガト男爵さんは椅子から立ち上がり。


「これは失礼をしてしまいました、では、ライ殿と呼ばせていただきます」


「はい。では、皆さんも起こしてしまいましょうか」


「いや、待ってください、机のこの五人は宰相ベルトークの手の者なのだ、それ以外は大丈夫だとは思うが······」


(テラ、この方達には一度魔道具を嵌めて、喋ってもらいましょうか?)


(そうね、一応このナガトに聞いてからにしなさいね)


(うん)


「ナガト男爵さん、では、この五人を奴隷の魔道具を嵌めて先に起こし、お話を聞いてみますか?」


 ナガト男爵さんは『なるほど』と手を打ち、頷いてくれました。


 早速五人を奴隷にして、奴隷のままだったナガト男爵さんの物は外して、起きてもらいました。


 五人はすぐに起きて、状況を教え、色々と教えてもらいました。


「ふむ。ライ殿、こやつらは問題なさそうですね、ですが、私の兵士がことごとく、奴の手の者とは······」


「ベルトーク伯爵は、もう十数年前から少しずつ支配を進めています。今の男爵、子爵はほぼ全滅かと。早く助けなければ、大変な事になります。そしてこの若者の兵士達は洗脳と言って、幼い頃からベルトークが教育をして、貴族達の懐に潜り込ませているのです」


「ん~と、でも、奴隷の魔道具で操られていたのですから、良い人の可能性もありますよね?」


「うむ。ライ殿、まだ奴隷の魔道具はあるだろうか?」


 少し心配そうなナガト男爵さんは僕に聞いてきましたが、もちろん。


「はい。ありますから大丈夫ですよ。では、おじさん達のは外してっと、では、みんなに嵌めるの手伝ってくれますか? 服はこれを着てくださいね」


 五人の魔道具を外して、テーブルに人数分の腕輪と服を出しました。


 着替え終わり、僕とテラ、背負子から降りたアミー、それにナガト男爵と部下の五人で、気絶して倒れている兵士さんに腕輪を嵌めて行きます。


 嵌め終わり、魔力を少し戻して起きてもらい、僕達が見守る中ナガト男爵さん達が色々と質問しながら分かってきた事は、配属されて長い人ほどベルトークの事を悪者だと認識し、最近の方ほど、まだまだ洗脳って物が解けてない様子でした。


「ライ殿、一旦この魔道具はお借りしておいてよろしいかな? それと、後百人ほど領地におりますので、できれば協力してもらいたいのだが」


 そうですよね、ここにいるだけって事はないですもんね。


「はい。ですが、王都にも急ぎたいのですよね、キッド・ナ・ピング伯爵は人攫いを依頼した悪者ですし、グラシャ・ラ・ボラス男爵も女の子に悪いことしましたからこらしめないといけません。あっ、ナガトさんの名前は······」


 僕はカヤッツにもらった資料にある名簿を取り出して、名前を探しましたがありません。これは······。


(テラ、この方は悪者名簿にありませんから、この方でも良いかもしれませんね)


(ええ。ここにいるのだから近くの領地、なら派遣する人探せたり、ライが王都に行って渡すより、ナガトを案内人にすれば宰相を通さないで渡せる可能性は高いわね)


(ふむ。ならば、ナガトとやらに連れて、王都に飛べば良かろう?)


(それが一番早そうだね)


「ナガト男爵さん、まず、あなたの領地に行って、兵士達の魔道具を取り除いて、その後なんですが、港町の管理監が――」


 港町での出来事を細かく話して、僕達が王都に届けたい資料も見てもらいました。


 すると物凄く顔を赤くして、わなわなと怒りに震えています。


 そして、その横で聞いていた五人も。


「何て事だ······この国の半分が駄目じゃないか」


「キッド伯爵は宰相様の親戚筋だよな、他もそうそうたる方の名前が······」


「ライ殿は、これを王都に? それならば、私の領地は後でも構いません。お早く王へ知らせてやって下さい」


「その事でですね、もし良ければナガトさんに案内してもらえればなと」


「ふむ。多少は役には立つでしょうな、では、まずは馬車の隠してあるところへ向かいましょう。ほんの数キロ先です。おい! テントはここに捨て置く! 馬車まで早足! 進め!」


「「はっ!(はっ!)」」


 兵士さん達はまだ奴隷の魔道具をつけていますし、動きが早いです。


 ですが、えっと、この方向に······いました馬さん発見です。


 皆さん歩き始めていますが、僕はテントや、テーブル椅子なども全部収納して、みんなを連れて馬さんの所まで転移しちゃいます。


「止まってくださーい」


 そう言って、止まった瞬間。


「転移!」


 パッ


 くふふふ。皆さん声もでないくらい驚いていますね。


 とりあえず、兵士さん達は、領地に帰って······。


(ねえ。兵士さん達だけ先に領地帰ってもらうにしても、領地の兵士さん達の魔道具を取っちゃった方が良いよね?)


(そうよね、片方は宰相の奴隷のままだもの、ごちゃごちゃしちゃいそう、ねえライ、やっぱりナガトの領地に先にいきましょう。そして兵士から魔道具を抜き取れば良いじゃない。暴れそうならまた奴隷の魔道具で大人しくしてもらって、先に王都を片付けちゃいましょう)


(うん。たぶんこの国の貴族、兵士から沢山抜き取らなきゃ駄目っぽいしね)


 この大陸最初の国ですから、ちょっと頑張っちゃいましょう。

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