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第170話 奴隷を買っちゃいましょう?

「すいませーん。となたかいらっしゃいますかー」


 灯りがついていましたので、中には行ったのですが、受け付けにも人がいません。


 部屋の奥に人の気配が有りましたので、呼び掛けてみましたが、動く気配がありません。


「困りましたね」


「ライ、そのカウンターの上にあるベルは魔道具よ、それで呼ぶんじゃないの?」


 テラが言うように、カウンターの上にはベルがあり、魔力を帯びています。


「おお、では鳴らしてみましょう」


「はぁ、鍵を開けて入れば良いのに、客のふりでもするの?」


「おおー! それは面白そうですね、お客として入って、眠り薬入りのジュースとか飲まされるのですよ、くふふ。では」


 僕は背伸びをして、カウンターの上からベルを手に取り、チリンチリンと二回鳴らしてみました。


「おお! テラの作戦が当たりです。動きましたよ」


「はぁ、この街はここで終わりだから別に良いけどね、捕まってる方を助けて、本当の奴隷はそのまま魔道具は外しちゃ駄目よ」


「うん。あっ来ましたので、僕はお客さんです」


「まあ、ほどほどにね」


 カチャと静かな音を立てて開いた扉からは、執事でもしているような黒い服を着たおじさんが現れました。


「はて、迷子かな坊や。ここは奴隷商会なので、あっ、冒険者のようですね、それでは戦闘奴隷が要りようですか?」


「こんにちは。僕はサーバル男爵改めサーバル伯爵家三男、ライリール・ドライ・サーバルと言います。今日はこちらで奴隷を見せていただこうと参りました。紋章入りの物はこのナイフで証明になりますか?」


 僕はサーバル男爵家の紋章の入った、解体用のナイフを見せると、その柄頭を一目見て、おじさんはコクリと頷きました。


「はい。ライリール様。確かにサーバル家の紋様でございます。では当商会で扱っております、自慢の奴隷をお見せさせていただきます」


「はい。よろしくお願いします」


 そう言うと、おじさんが出てきた扉を開け、中に案内してくれるようです。


「ライリール様は冒険者をしていらっしゃるようですから、戦闘奴隷を見ていたきだき、その他は身の回りの世話をする者などが良いとは思いますが、いかがいたしましょうか」


(戦闘奴隷は全て犯罪者ね。ここには冒険者は連れては来られてないみたい。人攫いでここにいるのは全て女性よ。だから女の人を頼みなさい)


(ありがとう。そうするね)


「そうですね、戦闘は僕だけで今は十分ですから、女性の身の回りの事をしてもらえる方を全員見る事はできますか?」


「かしこまりました。では大部屋での紹介で良かったでしょうか? 個別で、あるいは数人ずつと色々と選べますが」


 そうですね、一度に見せてもらって、一気にやってしまいましょうか。


「では見比べたりするなら全員一度の方が良いですよね、それなら大部屋でお願いします」


「かしこまりました。では、この部屋に皆を連れてきます。どうぞ」


 そう言われ、案内されたのは、十メートル四方の大きな部屋で、窓もなく、真っ赤な絨毯が敷かれ、大きなソファーがあり、後はテーブルと壁際に小さな机があるだけの部屋でした。


「そちらのソファーでお待ち下さいませ。すぐにメイドが飲み物を持ってきてくれますので」


「はい」


 言われた一番奥のソファーに座り、手前のソファーにおじさんが座りました。


 本当に、座ってすぐに扉がコンコンと叩かれ、『お飲み物をお持ちしました』と外から声がかかりました。


 おじさんが招き入れ、僕とおじさんにジュースとお茶を、テーブルのそれぞれの前に置き、部屋を出ていきました。


「今しばらくお待ち下さいませ、今こちらに来れるよう用意をしておりますので」


「はい。何人ほどいるのですか?」


「現在身の回りの世話をする者で女性ですと五名おります。読み書きは皆ができますのでご安心を、ちなみに今飲み物を持ってきた者もその内の一人でございます」


「へ~、商会でも働きながら勤め先を待つのですね、その方が、いざ勤め先が決まっても、感覚を取り戻すために時間がかかりますし」


「その通りでございます。日頃からここでやっておけば失敗も少なくなりますからね。そろそろでしょうか」


(ねえテラ、この人はどうなの?)


(この人は無罪よ、真面目な奴隷商人ね、悪いのはここの商会長。ここのボスで、犯罪称号はズラリとならんでいるわ。隣の部屋で聞き耳を立てて覗いているわよ)


(じゃあ魔道具をいただいて、気絶だけしてもらっておきましょうかね?)


(そうね、二人しかいなくて、その二人ともやっちゃって良いわよ)


 さて、やっちゃいましょうか、ぐるぐる~、ほいっと! それからパンツだけ残して収納! ついでに転移!


 隣の二人は沢山の魔道具を持っていましたので、全部収納させていただきました。


 それと同時に扉が叩かれ、招き入れると、五名のメイド服を着た女性達が部屋に入ってきました。


 そして僕が座るソファーの対面に並んで立ちました。


「この者達は、借金奴隷としてこちらにいますので、将来的に自由になる予定の者達です。ですが、金額が左から大金貨五枚――」


 おお、大金貨の借金って相当頑張らないと返せませんよね。まあ偽の借金ですが。


 さて、どうしましょうかね、予想では僕も捕まって、腕輪も嵌められる直前に壊しておくつもりでしたが······その流れはありませんし、正直に話してしまいましょうか。


(そうね、このおじさんは良い人だし、それにこの商会の良い人はここにいる者だけだから。見張っていた者もやっつけちゃったし、良いわよ。私が一応結界を張ってあげるから)


(ありがとうテラ)


「おじさん。この方達ですが――」


 僕はテラが結界を張った後、僕は事情を話し始めました。

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― 新着の感想 ―
[一言] このおじさんを支配人にして、借金奴隷向けのハローワークみたいの施設作ってもいいかも、犯罪奴隷には刑務所とかの更正施設かな
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