俺はレポート補習で残された
「どうやら助かったらしいな」
「先輩酷いですよ私を置いていくなんて」
「そんな事より早く座るぞ、席の所にバッグ置いていったから誰も座ってないはずだ」
「そうですね、それにしても燐火さん喋ってみたら意外といい人でしたね」
春香と席に座り今日の事を話すと、俺は後ろの席を見た、そこには昨日俺の隣に座っていた女子生徒が居た、その横に半泣きの男子生徒がずっとノートを開けて何かを書いていた今日の被害者はどうやらあの男子生徒みたいだなと思い、俺は春香と話していた。
先生の講義が終わりに差し掛かろうとした時俺の名前が呼ばれた。
「今呼ばれた者は、昨日の課題のレポートの補習があるので今日の放課後にここに残るように」
まさかの俺が呼ばれ隣を見てみると春香がニヤリと笑っていた。
「だから言ったじゃないですか、あんな答えじゃどうみたって補習確定だって」
「うるせー、どうせお前はすぐに帰るんだろ」
「ええ、さっき燐火さんと今日はショッピングモールに一緒に行くって約束したんで」
「そうなのか、まあお前がいいんならいいが」
「それじゃあお先です」
春香は俺に言って行ってしまった、俺は講義室に残り後ろを見てみると、あの女子生徒が残っていた、確かにあの人は残っているよなと思い俺は先生に呼ばれレポートの紙を渡され講義室で悩んでいた。
「さて、どうやって乗り越えたものか」
俺は紙を見ながら悩んでいると、後ろから足音が聞こえ見てみるとあの女子生徒がもう提出に行った、まさかそんなすぐにオッケーなんて出ないはずと考えてみると、先生の声が聞こえてきた。
「まったく羽田、こうやって提出すればお前は出来る筈なのに、何故いつも提出しない」
あの女子生徒、羽田って言うのか、羽田は話さず先生が一方的に話していた。
「まあいい、これでオッケーだ、速く帰りなさい」
まさかの一発オッケーとは、羽田はすぐに自分の席に戻り、バッグを持ち講義室から出て行ってしまった、そして講義室に残ったのは俺と先生だけ、俺は真面目に取り組もうとレポートを書き出し、やっとの事で書き終えた、先生に提出してオッケーを貰って大学を出る頃には外が真っ暗になっていた、コンビニで夕ご飯を買い家に着くと、隣の家の電気が点いていた、燐火も帰っているみたいで挨拶をするかどうか迷ったがせずに家に入った。
「さて、今日は頭を使ったから、さっさと飯食って、風呂入って寝るか」
俺はコンビニで買ってきた弁当をレンジでチンして食べている間に風呂を沸かしていた、風呂にも入ってもう寝る準備が出来たので電気を消しベッドに入る。
「あれ、もう寝ちゃったのかな健人くん」
隣から女が小さく呟くがそれは誰にも聞こえない。
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