隣に引っ越してきた女性
「ありゃ、また君か今日はよく人を背負ってるね」
「そうですね、それじゃあ先生が変わってくれませんか」
俺は背負っている春香を先生に見せて差し出そうとしたが、先生は拒否をした。
「なんで女の私が、人を背負わないといけないのさ、そこは男である君が送り届けなければいけないだろ」
先生は言うと、そこから早く改札を通り行ってしまった、俺はどうすればいいか考えてまず春香の家まで行く事にした、春香の家の前に着くと俺は皆から怪しまれて、そりゃ普段から知らない奴が人を背負ってれば怪しむだろうそこには居られず、春香を背負い近所のファミレスへと足を運んでいた、本当なら今頃、家に帰って休んでいるはずなのに今日はこいつのせいで散々な目にあった、するとさっきまで寝ていたはずの春香が急に起き上がった。
「あれ、私はさっきまで喫茶店に居たはずなのに、何故ファミレスに居るんですか」
「よう、やっと起きたようだな」
春香は起き上がっても、俺の存在に気付かなかったのか、俺は声を掛けた。
「あ、先輩もしかして、ここに連れてきたのは先輩ですか」
「お前が喫茶店で寝たおかげでな、起きたのならさっさと出るぞ」
俺が出る支度を始めても、春香は何故かメニューを見始めた。
「ついでにここで夜ご飯食べて行きましょうよ、先輩」
「そんな暇は俺にはない、それよりお前あの喫茶店のパフェ高すぎるぞ」
パフェを奢ることは仕方なかったが、まさかあんなに高い物とは思ってもみなかった。
「いいじゃないですか、元々約束は約束だったんですから」
「ほら、もう出る支度は終わったんだ行くぞ」
俺は強引に行くために、春香を引っ張り俺が頼んだドリンクバー代を払い、ファミレスから出て行った、今日はもうここで解散しようと考えたのだが、女の子一人家まで帰るのは危険なので俺は家まで、送る事を選んだ。
「もう、先輩のせいでご飯食べ損ねたじゃないですか」
「それは喫茶店で寝たお前が悪い、俺だって食べ損ねたんだ」
「それならファミレスで食べて行けば良かったじゃないですか」
「お前今の俺の財布見るか、パフェだけで財布に合った金が半分以上消えたんだぞ」
俺は財布の中を春香に見せる。
「まさか、そんなにお金を持ってきてなかったんですね先輩」
「ああ、そうだよ、だから俺は早く家に帰ってご飯が食べたいんだよ」
「なら、早く言って下さいよ、私が奢ってあげるのに」
「お前に奢られたら、今度なにを要求してくるか、わからないからな」
「そんなの要求なんてしませんよ」
「いいや信用ならんな、今日だってあんなパフェを奢らせられるなら、行かなかったからな」
俺達が話し込んでいる間に春香の住んでる家に着いてしまった。
「それじゃあ、俺はここで」
「あの、先輩」
すると春香が俺を呼び振り返った。
「今日はありがとうございました」
春香は頭を下げ家へと入って行った、俺はありがとうなんて言葉を久しぶりに聞いたなと思い、自分の家へと帰って行った、俺が住んでいるアパートに着くと、何故か引越し屋のトラックが家の前に停まっていた、俺が確認すると、昨日まで空き家だった隣に表札が加わっていた、俺は関係ないように、鍵を開けて入っていく、部屋に入って休んでいると呼び鈴が鳴った、まさか引越しの挨拶かと思い、ドアを開けると、そこにはいつも学食で男に言い寄られている女が居た、俺は何故彼女がこんな所に居るのか考えていると。
「こんばんは、私お隣に引っ越してきたのですが」
「ああ、そうですか」
どうやら隣に引っ越して来たのは彼女みたいだ、すると何かが入った紙袋を渡してきた、これから付き合っていくから当然といえば当然か俺は受け取ると、彼女はこれからよろしくお願いしますと言って頭を下げた、俺もよろしくと言って頭を下げると、彼女は次の所に行くのかドアから離れ、俺はドアを閉めた、俺は今日のご飯はどうするかで悩んでいると、冷蔵庫を見て、材料は揃っていたので今日は簡単に肉野菜の焼きそばに決定した、焼きそばが完成して食べていた頃隣のドアの音がした、どうやら挨拶を終え家に帰って来たようだ。
「まさか、あんな子がこんなアパートに引っ越して来るとはな」
何かの事情だろうか、まあ俺には関係ないだろと思い、俺は焼きそばを食べ、風呂に入り寝床で寝た、朝になると俺はドアを開けポストを見ると一通の手紙が入っていた、それを取り確認してみるが名前は書いてなかった、開けて見るのが怖く俺はそれを鞄に入れ学校に行く準備を始めた、家を出る時に昨日引っ越してきた女が俺と一緒に家を出ていた。
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