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俺は後輩と喫茶店に入る


「先輩、本当に変わって下さい一生のお願いだから」


「仕方ないな、今日だけだからな」

 

俺も悪いと席を交換してやった、俺が席に座ると、隣の人が訝しげにこちらを見てきていた、俺は今日の講義が終わるまで辛抱していた、講義が終わりすぐに講義室から出て行く俺を見たのか、春香が追ってきていた。


「先輩、待ってくださいよ」


「なんだ付いて来てたのか」

 

 春香が追ってきたので俺は足を止め待っていた。


「違いますよ、先輩この前、約束したじゃないですか、駅前の喫茶店でパフェを奢ってくれるって」

 

 春香が言って思い出した、確かあの時はこいつに強引に誘われて、仕方なくあの時は了承したんだった。


「あんなの、口約束だろ、無効だ無効」


「そんなの、酷いじゃないですか今日が来るのをどれだけ楽しみにしていたと思うんですか」


 そしたら、俺は春香に引っ張られて駅前まで連れて行かれた、駅前の喫茶店では女性が多く入ることを躊躇った。


「ほら、もうここまで来ちゃったんだから、早く入りましょうよ」

 

 いつもなら春香を引っぺがすのに苦労しないのだが、甘い物を食べたい女子の事を甘く見ていたようだ、強引に店の中に入れられると、店の中の女性がこちらを見てきた。


「あの、お客様?」


「えーと、ほら春香ちゃんと説明しろ」


 俺は怖くなってしまい、後ろの春香に頼むために振り返ったがそこに居たはずの春香が消えていた、するとどこからかあいつの声がした。


「先輩、見て下さい全部美味しそうじゃないですか」


 何故か春香は商品が陳列したウィンドウに腰を下ろして、こちらに振り返っていた。


「それは後でいいから今はこっちをどうにかしてくれ」

 

 俺は店の中で春香に助けを求めていた、春香が店員に言って俺達は席へと案内され、案内された席に座った。


「で、俺が連れて来られた店は女性しか、入るのを許されないが、カップルは別だと言う事だな」


「そうです」

 

 俺と春香は向かい合わせで座っていて、俺は春香が怪しいと思いこの店の実態を聞いた、確かに店を見渡せば、ちょくちょく俺の他にも男性がいたりする。


「はあー、しょうがない入っちまったもんは仕方ない、ほら注文しろ」


「さすが先輩」


 そうして春香は店員を呼びつけてパフェを注文した、あまりこんな所に来ない俺だ、見渡せば女性が多い事で、緊張していた。


「そんなに、緊張しないでもここに来るのは隣接された女子高と大学の女達ばっかりですよ」


「見ればわかるよ、ちょくちょく大学で見た事ある奴もいるからな」

 

 俺が言うと、店員がパフェを持ってきた、それは見た目が大きく本当に春香一人で、食べきれるのか位の大きさだった。


「ほら、なにしてるんですか、先輩も手伝って下さいよ」


 春香が食べ始めたとき、俺の方を見て言ってきた。


「何故、俺も食べなければいけない」


「そんなの決まってるじゃないですか、私一人じゃ食べきれないからですよ」


「まさか、お前俺にも食べさせる気でここに連れて来たんじゃないだろうな」

 

 俺が言うと、春香は無視をして、食べ続けていた、これは俺が食べないと終わらない雰囲気になっていた、春香は最初に食べるのは良かったのだが、後になってくると食べるスピードが遅くなり遂には止まってしまって寝る体制に入っていた。


「おい、なにやってんだ」


「ちょっと休憩です、だから先輩もパフェ食べて下さいよ」

 俺はずっとパフェを食べる春香の事を見ているだけで、パフェを食べるのを手伝わなかった。


「わかった、少しは食べてやる、だから起きてお前も手伝え」


 俺は春香の体を揺らすが、もう既に寝息が聞こえてきた。


「たく、寝るのが早すぎるぞ」

 

 さっきまで喋っていたはずなのに、こいつは夢の中にいってしまったようだ、俺はスプーンを持ちパフェを食べていく、結局の所パフェは全て俺が完食して、今は春香を背負って帰っている所だ、喫茶店の閉店時間になっても起きないこいつは俺が背負って、こいつが住んでいる家へと送り届けていた、春香を背負いながら必死に電車に乗り俺は座って居た、降りる駅が近づきまた春香を背負って俺は見慣れた先生がいたので声を掛けた。


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