閑話:Remember
1000ポイント達成記念☆
(そう言えば……)
雨上がりの午後、レノアは庭に出来た水たまりをみてふと前世を、思いだした。
アイツがつくったゲームどうなったかな……。
レノアは前世ではゲーム会社のサラリーマンだった。
1人でも生きて行けるように必死でバイトをして金をためて、孤児だとバカにされないように奨学金制度も駆使して大学にいった。そのおかげでそこそこ名のある会社に入っれたのだ。
入職してから知ったのだが、実はそこは遙人が高校時代プレイしたアプリ《はっちゃけ☆パラダイス》の制作会社でもあったのだ。
もっとも、はち☆パラ以降の作品はアプリ部門でシークレットで作業されていたため、アプリ部門と関わりのない遥人には悪令だってーの存在が解らなかった。
そして、そこでの遥人の仕事はゲームのセールス及び、企画編集デスクだった。
セールスするにはゲームを知らなければ、いけないと言う会社の方針で配属されたのだが、配属先が乙女ゲームで困惑したのを覚えている。
(男の俺に乙女ゲームとか、リーマンなのに編集作業させるとか、あの会社結構無茶苦茶だったよな……)
ボンヤリ空を見上げれば、雨を振り落とした空は青く澄み渡っていた。
それでも……。
アイツと一緒に作ってた時間は楽しかったよな。
遥人として生きていたら……きっと……。
そこまで考えてレノアは首を横に振った。
今更過去を考えるのは辞めよう。
そう思おうとするけれど、やっぱり自分が関わったゲームの発売前に死んだのは心のこりではある。
まぁ、でも、時々アイツが俺を思い出してくれたらいいなぁ……。
少しだけあのゲームに遥人の思いを隠してきた。
それにアイツが気付いてくれたら……。
そしたらきっと青砥遙人は救われる気がする。
「まぁ……アイツ。マヌケだから無理か」
やっぱり過去を思うのはよそう。
(俺はもう、遙人じゃない……レノアだから。)
再びレノアは空を見た。
本日は晴天である。
「はるたん? さっきからなにをボンヤリしてるの?」
空を仰いでいたレノアの顔に柔らかい金髪の髪が降り注ぐ。
「……あっちゃん。顔、近いから……」
レノアがため息をついてそう言えば、ニヤリとあっちゃんは口角を上げる。
「はるたん……スキアリ」
あっちゃんが何を言っているのか理解する前に、レノアの唇に柔らかい何かがあたり、チュッと軽快な音を立てる。
「!!」
固まるレノアに、してやったりとあっちゃんは再び微笑むと、ガバッと顔をあげてレノアから逃げながらユア達に向かって叫ぶ。
「やったわ!やったわよ!遂に私もはるたんの唇ゲットしたわよー!」
「なっ! あ、あ、あっちゃん!!」
真っ赤になりつつもあっちゃんをレノアが嗜めようと口を開けば、途端に今度はシルバーの髪が降り注ぐ。
「リス!!」
「わっ! れ、れ、レノ! ち、近いから」
慌ててレノアは唇を押さえれば、レノは少し離れて淋しそうな顔をしている。
「リスは、俺とはしたくないのか……」
「いや、ちが、そうじゃなくて……」
「俺もレノアとキスしたい」
「!!」
真剣に真っ正面から言われると、レノアの身体は一気に熱を帯び、心臓は跳ね上がる。
「い、いや、い、いやじゃなくて、い、いきなりは、いきなりは……」
もはや分けが解らず混乱するレノアに、その隙をついてレノが再び近づく。
「レノア……」
レノの吐息がレノアの唇に触れかけたところで……
「はい、そこまでー。人前でイチャつかずに、後は2人の時にしてくれ」
ベリッと音がするくらいバッサリとレイドに2人は引き離された。
レイドを睨むレノに、ホッとするレノア。
結局、その後いじけにいじけまくったレノがカビの塊になってしまい、レノアとレイドは大きくため息をつく羽目になった。
ここまでおよみくださりありがとうございました!
久しぶりにポイントみてびっくり!
なんと!
初1000ポイント!!
なろうで書き始めて初です!
うれしい!
うれしい!
評価くださった方々、本当にありがとう御座います!
お礼が沢山言えるといいなと言う意味もこめて、しばらく連載にします。
あと、もう少ししたらまた新しい話しを書こうかなって思ってます。また皆様に読んで頂けるよう精一杯頑張らせてもらいます!




