レノ様とだったら?
「ふえーん。もうお嫁にいけないー。」
結局、大浴場で散々あっちゃんとメリーにもてあそばれたレノアは、湯上がりに先程の薄い下着を着せられていた。
もちろん他の3人も同じ様な下着を着ていた。
あっちゃん曰く、皆でお揃いがパジャマパーティーの醍醐味らしい。
(……というか、今日パジャマパーティーだったんだ。)
「パジャマパーティーって言っても、お風呂であんなことしないし、こんなペラペラの下着をお揃いで着ないでしょ……。」
お腹冷えそうとレノアが嘆けば、メリーははるたん婆臭いと笑った。
「あら、はるたん。今時こんなの普通よ。中学の修学旅行とかこんな感じだったよ?お風呂で騒いでからのーお揃いの下着とかパジャマで恋バナ!」
あっちゃんが言えばメリーがわっかるー!と話しに乗ってきた。
(ま、まじか……。)
やっぱり今時の若い子は凄いな……。
若干ひきながらキャアキャア言う2人を見ていたら、ユアが少し淋しそうにレノアの傍にすっとやって来た。
「ユア?」
……私も転生してたかったです。時々あっちゃんとメリーが、何を言っているの解らないけど楽しそうなのを見てると羨ましいの…。と、零した。
そっか……そうだよな。この世界とあっちの世界は色々なところで全然違うからなぁ……。
お風呂だって、こっちでは1人で入るのが主だし。あんな風に皆でキャアキャア入ることはないしなぁ。
確かに、話題に入れないことも有るのかも知れない。
それでも……。
「ユア?俺はユアがあっちの世界を知らなくて良かったと思うよ?」
え?っと不思議そうな顔でユアはレノアを見つめる。
「俺らは一度別の世界で死んでるんだよ?一度死んだことがある人間が集うのなんて天国か地獄くらいだろ?」
でも、ユアはここで産まれて、ここで生きてる。だから俺らはこことあっちでの生活環境が違うってわかるんだよ。それに、ユアが一度も死んでないで居てくれるから、俺らは転生したんだった受け入れられるんだよ。ここでまた生を得たんだって思って。だから、転生者じゃなくて良かったんだよ。
そう言ってレノアがユアに笑いかければ、ユアも同じように笑ってくれた。
「あ!はるたんとユアばっかりお話しててずるーい!」
レノアとユアが笑い合っていれば、それを見たメリーとあっちゃんも話しに入れてーとやって来た。
「うふふ、だーめ。はるたんと私だけの秘密のお話でーす。」
そう言って笑うユアはとても嬉しそうだった。
ひとしきり4人でキャアキャア騒いだあと、あっちゃんが切り出した。
「どう?はるたん?私達と一緒に裸の付き合いをして、こうやってエッロイ下着をきてキャアキャア言っててもまだ自分が男だと思う?」
そう言われると、レノアはうーんと唸った。確かに……、本当に男だったらお風呂の時点で色々アウトだ。
レノアの裸は自分の身体だから反応しないのかと思っていたけれど、確かにあっちゃん達の裸を見ても何とも思わなかった。
そう考えたら思考はどちらかというと既に女として成立しているのかも知れない。
「ねぇ、はるたん。これがレノ様とだったら?」
ニヤニヤしながらメリーがレノアに聞いてくる。
(これがレノと………。)
(レノと………。)
ぽわわわわーんとレノアの脳裏にレノが浮かぶ。
『リス?』
『……リス。』
『リス。』
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!無理!無理!無理!!!」
突如頭を抱えて叫んだかと思うと、全身真っ赤になって悶えるレノアを見て、3人は思いきり引いていた。
(((はるたんは重症。)))
3人は顔を見合わせると盛大な溜息をついた。
ここまでお読みくださりありがとう御座います。
レノアは何を想像したのか……。
ニヤニヤ




