女子会
「あらー……。それで……。」
「ってか、はるたんそれ国の一大事時……。私達知ったら消されちゃうんじゃない?」
「あら……私は知ってましたよ?」
レノアから事の次第を聞いていた女子四人組はヒソヒソと円陣を組むように話す。
「ユアは知ってるとおもったし……。メリーとあっちゃんはこのゲームの事よく知ってるから。むしろそっちの情報の方が国の一大事じゃない?と言うか……もうレノとは関わりないし。レノ……レノ様は王子にはならないらしいしこの情報は上手く上層部がもみ消すんじゃ無い?」
そう言い放ちレノアは円陣から抜けるとフーッと息を吐いた。
もうレノからの婚約破棄は受け入れたし。もちろんお父様もスカーレットも了承しているのだろう。その事に関してお母様も含め3人はなにも言ってこない。
そして、聞けばレノは今後スカーレットのバース家を引継ぎ公爵様になるようだ。
王子になることはなかった様だがエレクの家の者でもなくなる。公爵様は格下になる侯爵など興味は無いと言うことだ。
所詮貴族同士の婚約は損得の世界。
レノアとレノの婚約はもともと急だったし内々のものが知っていた程度。
レノア自体にこの婚約破棄はなにも影響は無いだろう。
「でも、幻のレノ様ルートはゲロ甘だって聞いてたのにー!なんか、あっさり過ぎて……。悪令だっての運営ってこんなものなのかな?」
メリーも溜息をついて円陣から離れる。
それに続いてあっちゃん、メリーも元の席に戻れば二人はチラリとレノアをみる。
二人の目線の先にいるレノアには覇気が無い。いつものはるたんでは無く普通のおしとやかな侯爵令嬢がたたずんでいるだけだった。
「それで、はるたんはこれでいいの?」
「なにがです?」
あっちゃんが見かねてレノアに声をかければレノアは優雅に微笑み答える。
「私は元々鞭打ちなんて馬鹿げたルートが回避出来れば良かったんですもの。」
「「………。」」
メリーとユアは顔を見合わせる。
「はるたん?ちょっと変だよ?」
「そう…?別にいつもと変わり有りませんよ?」
「いや……それが……なんか。レノア様っぽい。」
「あらやだ。リリアンご息女様方は可笑しいことをおっしゃるのね?」
口に手を当ててクスクス笑う様は普通の様で異様だった。
「まぁ……兎に角。はるたんが幸せになれるなら私達はずっと協力するからね。」
「うん。だからはるたん、無理はしないでね?」
「うんうん。何ならはるたん。私、いつでも胸かすからね!」
「あらあら。皆様のご厚意は大変嬉しいですわ。」
柔らかく微笑むレノアは本当に美しい。けれど丸っきり心ここに有らずの、人形の様なレノアに3人は溜息をつき同じ思いを胸に抱いた。
(((これは一度レノ様と話し合わねば!)))
3人はさっそくレノアを抜かしてお節介に向けた会議を円陣を組んでし出した。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
人形レノア。
2人とも似たり寄ったりの不器用さん。




