表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/81

デコピン

 (先ずは……レノに謝ろう。)

 

 ロゼッタはレノがお使いに出て居ないと言っていたので、帰ってきたときにお詫びが出来るように用意しておこう。そう決めてレノアは悲しいかな元日本人サラリーマンの性。お詫びの品を2人分買いに出かけることにして支度をロゼッタに頼んだ。



 レノア達が暮らすリグサイド国ははっちゃけパラダイス☆では大昔居たとされる英雄王が女神と結ばれ神の加護をうける国と言う設定だった。

 加護のおかげかはさておき、とても栄えている王国で町に出れば色んなものは溢れていた。 

 そんな町に連れて行って貰いお詫びの品をサクッと買って戻ってくるとそこには丁度良いタイミングでレノもいた。


 「レノ!」

 レノアがレノへ声をかければレノが眉間に皺を寄せて振り向く。

 

 (やっぱり私を汚いものを見るように見るのね…。)


 振り向いたレノは眉間の皺所か蔑んだようにレノアを見下ろしている。因みにレノアとレノは身長差があるため必然的に見下ろされるのは仕方ないとしても、流石に毎回汚いもの見るように見られれば多少なりとは傷つく。

 

 (まあ、そうなるような関係にした私が悪いんだけどさ。)


 「レノ!私は貴方に謝りたくて。何時も酷いことばかりしてたのに貴方倒れた私を運んでくれたじゃない。その……ありがとうございます。」

 ちらりとレノを見上げれば険しい顔のままレノは何も言わない。


 そりゃ、急に態度変えられても信じられないよな……。何たって積年の恨みで鞭打ちするくらいなのだから……。

 レノの反応をみてレノアは覚悟を決める。

 「レノ!あの…お前が気の済むまで俺を殴ってくれ。お前には何も咎はないから!」

 レノアはそう言うとキュッと歯を噛みしめて目をつぶった。後々鞭で打たれるよりは今殴られた方が良いだろう。

 

 「……俺?」

 

 少し間が空いていて殴られると思いきや、頭上からは疑問の声しかふって来なかった。


 「なんで、俺?」

 「それは!言葉のあやよ!私!早く私を貴方の気の済むまで殴りなさい!これが私のけじめよ!」


 勢いで間違えて遙人の言葉遣いになってしまった。そこを気にされるとは思ってなかったので慌てて訂正しつつまた歯を食いしばり目をつむる。

 (やるならやるで早くしてくれ!意外にいつ来るかわからないパンチを待つのは怖いんだから!でも。俺も男だった!この位けじめはつける!何たって今は悪役令嬢だからな!だから早くしてくれ!)

 心の中でそんなことを思いつつ気丈に仁王立ちしているとレノが動く気配がした。

 (来る!)

 

 思いっきり歯を食いしばり、目を瞑ればペチンと小さな音がして僅かな痛みがおでこに走っただけだった。

 「へ?」

 驚いて目を開ければ、レノは眉間の皺を寄せたまま呟く。

 「これで満足か?」

 「え?いや……そうじゃなくって。もっとバシンと……。」

 余りにも思っていた衝撃とのギャップに腑抜けた返事をしてしまった。

 「痛いのが好きなのか?」

 「いや……嫌だけど。」

 レノの斜め上の返答に思わず困惑してしまった。別に痛みの好き、嫌いを求めてるんじゃなくてさ……。

 「じゃあしない。」

 そう言うと踵を返して立ち去ろうとするレノを慌てて引き留める。

 「お、お前。それでいいのか?俺結構お前のこと殴る蹴るしてきたぞ!?本当にいいのか?」

 「俺?」

 「ああ!もうそこいちいち気にすんな!私!つうか、お前後で積年の恨みとかいって私のこと鞭で打ったりするなよ!今積年の恨み晴らすチャンスだったんだからな!鞭打ちすんなよ!」

 「……鞭で打たれたかったのか?」

 「いや……だから!打たれたくないから今チャンスやって謝ってんじゃん!」


 なんなのこの子。返答が斜め上過ぎる。

 

 「意味がわからない。」

 

 レノ人の頭の上でため息付いてるけど、こっちの方が意味分からないよ!

 (いや、まて私!16才相手に興奮しすぎた……ちょっと落ち着け私。俺とか言っちゃってたし、遙人言葉だったな…。)

 レノアも盛大なため息を付いたあとゴホンと咳払いして悪役令嬢らしくふんぞり返って仁王立ちし直した。

 「貴方がそれで良いならこれで今までの関係は水に流れたわ!後で文句なしよ!それから、コレ受け取りなさい!屋敷に連れてきてくれたお礼よ!」

 出来るだけ偉そうにレノにさっき買ってきたお詫びの品を差し出す。 

 「用事はそれだけよ!私はもう貴方に何もしないから。貴方に全く関わらないから安心なさい!じゃあね!」

  

 これ以上レノの斜め上の返答はおっちゃん困惑しちゃうからさっさと退散した方がいい。最近の子って難しい!

 レノにお詫びの品をぐっと押し付けレノアはその場を後にした。

ここまでお読みくださりありがとうございます!

ブックマークありがとうございます。

ぜひ評価もお願いします!


リグサイド王国。

けして宣伝とか、名前考えるの面倒臭かったとかじゃないです。


嘘です、すいません。

封印されし大魔法使いは猫になって今日もヘタレ王子と戯れる

ちょっと宣伝してみたりしました。

すいません。

そのうち今日もお嬢様は執着執事に溺愛されてますもどこかでぶっ込む予定です。


二つともぜひお立ち寄りください(ゝω∂)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ