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鼻血

 次の登校日の放課後。

 4人は再び例のライブ会場にいた。


 そして、なぜかレノアは仁王立ちし高笑いしているメリーの前に座り込んでいた。そのメリーの後には申し訳なさそうな顔をしたあっちゃんとユアがたっていた。


 「くっ!メリー!俺……私達お友達だったじゃない!なんで、教えてくれなかった!」

 「オッーホッホッホッホ。はるたん!甘いわ!私達もちろんお友達よ!だけど、貴方は所詮悪役令嬢レノア・エレク!運命からはのがれなれないのよ!全ては貴方が選んだこと!私のせいではないわ!」

 「こんなの!こんなの運命じゃない!」


 レノアの涙ながらの言葉を受けてもメリーの高笑いは止まらなかった。

 


 ーーーーー


 遡ること1時間くらい前。

 放課後になるとレノアは直ぐにメリーを訪れていた。何故なら、先日王子がユアを助ける前に言っていた一言が気になっていたからだった。

 『君の姉上がイベントが起こるからここに行けと言ってくれて。』

 ユアの姉上……双子の姉それはメリー。

 そして、メリーはゲームないでその人のルートに入るきっかけとなるイベントが起こる事を知って居たと言うことか?

 それを問いたくてメリーを訪れれば、既にそこにはあっちゃん、ユアも居て。学校では話せないとライブ会場へ連れ込まれればメリーから衝撃の一言がいいはなたれる。


 「はるたん。貴方には残念ながらレノ様ルートしか残っていないわよ。」


 メリー曰く、レイドにレノアがティディーベアを渡したことがそもそもの原因だったらしい。

 あのティディーベアはどうやら分岐点だったようだ。


 「あのティディーベアはレイドの好感度を下げるのよ。真面目で堅物のレイド様は突然レノアからの意味の無いプレゼントに疑問を持ってしまうの。はちパラ☆ではヒロインがティディーベアを渡せば好感度があがったでしょう?だけど、前世の記憶から安易にそれを真似してプレゼントを渡した悪令だって~では逆効果になる設定だったの!」


 (うっ………。)


 安易に真似して理由なく渡した……図星過ぎる。

 「だけど、そのティディーベアがきっかけで~~」

 メリーはチラリとあっちゃんを見ればあっちゃんは泣き出しそうな顔で申し訳なさそうにレノアを見つめた。

 「はるたん……。私、はるたんにレノ様推し隊の隊員になったの。もう、レイド様は推してあげられない。」

 「なっ!あっちゃん!?」

 「まぁ、前世ではレノ様ルートしかしてなかったから私もまさかここでレイド×カサンドラのカプイベになるなんてしらなかったわ!」

 「!?」

 あ、あっちゃんはもしかして……。

 レノアがもう一度あっちゃんを見ると顔を赤くして俯くあっちゃんがそこに居た。


 ああ、女の友情とは儚くも薄い。


 「しかも、せっかくの王子イベントではるたん男装してたんだって?それってレノ様ルートか王子ルートの分岐点だったはずなのよ。男装してるはるたんに王子は気付かず、好感度を下げてしまうの。そしてその代わり王子はそこにレノアと居たヒロインと…。」

 「………。」

 チラリとレノアとメリーはユアを見る。

 これまたあっちゃんと同様、顔を赤くして俯くユアがいた。

 「まぁ、なににしてもこれは全部はるたんが選んだこと。やっぱりはるたんはレノ様がよかったのね!ユアもこれで立派なはるたんにレノ様推し隊の一員ね!私は最初っから推し隊だったけど!」

 「そ、そんな……。」

 レノアはヘナヘナと座り込んだ。



 そして冒頭に話は戻る。

 

 「なんとか、何とか違う運命を……。」

 だってほら、ここまでゲームの強制力っぽくレノルートになればやっぱりエンディングはこのままでは鞭打ち確定ではないのか?

 レノも鞭持ってたし……。

 レノアは真っ青になる。

 「大丈夫よはるたん!レノ様のリアルな裸が見られて鞭打ちされながら束縛されるなんて幸せしかもう待ってないじゃない!リアル裸よ!しかも打たれながら甘い束縛の言葉が……。それたけじゃないわ!涙目ながらにレノアはレノ様の物になることを受け入れるとか、どんだけぇー!」


 メリーは興奮し過ぎたようで突如鼻血を出した。

 「うはっ!なんてこと!」

 慌ててハンカチでメリーは鼻を押さえた。


 ちなみに、こんなのメリーさんこと目黒幸は16才の高校生活で腐女子デビューを果たした。そして17になろとした間近、サークルで飾ろうと思っていたフィギュアを落とし拾おうと思った所をトラックでひかれ人生の幕を閉じたらしい。

 ちなみにその時のフィギュアはシンだったようだ。

 

 「全然大丈夫なんかじゃないだろ!幽閉とか!鞭打ちとか!あり得ない!」

 

 (俺の人生詰んだな。) 

 どんよりレノアがうな垂れると鼻血を押さえたままのメリーが目を輝かせて話し出す。

 

 「まだよ!はるたん!まだ諦めるなんてもったいなさ過ぎるわ!今よりもっと幸せパラダイスが有るのよ!はるたん!今からでも遅くないわ!ゲームの最終ゴールは卒業よ!それまでにこうなったら、私もまだ見たことの無い伝説の激難レノ様ルートの幻ハッピーエンドを目指しましょう!というか、これがはるたんの運命だったのよ!ビバ転生!私も生でレノ様ルート幻ハッピーエンドをみれるのよ!」

 意味がわからない言葉を叫ぶと再びメリーは鼻血を吹き上げて満面の笑みで倒れてしまった。


 そんなメリーを冷ややかな目で見つめるレノアはメリーがいっそレノアになれていればこの世界は全て丸く収まって居たのでは無いかと大きなため息をついた。


 (なんで、俺がレノアなんだよ……。)

ここまでお読みくださりありがとうございます!

そして、評価下さった方本当にありがとうございます!


喜びでひっそり世界の何処かで鼻血吹き上げますね!

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