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王子

 今朝方城にエレク家から手紙が速達で届けられたと朝食の時に国王である父上から言われた。

 そして、内容を聞いて凄く愕然としてしまった。手紙には俺こと、第1王子のシュワルツがアノード嬢によそ見をしたことで痛く傷ついたレノアが人ならざる所業をしてしまった為婚約候補として名乗る資格がないため、婚約候補の約束は無効として欲しい旨が綴られていた。

 それって要するに婚約の約束は破棄するって事だよな……。え?なんで?無理、それ受け入れられない。

 なぜって?

 それは俺がレノアに一目惚れしてしまったから。初めて会ったのは貴族の上級学校の編入者入学式。

 偶然すれちがっただけなのに手入れのされた美しい青髪や小さな身長で小動物の様な出で立ちは俺の庇護欲を掻き立てる。

 そして彼女の全てを手に入れたい衝動にも掻き立てられた。彼女が欲しい。

 気付けば常に目で追っていた。

 ある日彼女の家から婚約者の候補になりたいと申し出が合ったときには嬉しすぎて仕方なかった。だけど、気にくわないのはあくまで婚約者候補に立候補しただけにとどまったことだ。彼女の侯爵家としての家柄ならばそのまま婚約者をごり押しする事も出来たのになぜ候補何だろうか。

 調べてみれば彼女の家は既に彼女と同い年の男を養子に迎え入れているため家としても彼女を王家に嫁がせることは何もデメリットはないはず。

 なぜ候補どまり?

 学校に行けば空より青くて美しい青髪を探してしまう。彼女と同じ青髪で居られることがこんなに嬉しい。本来ならば男として短髪の方が好きなのだが、同じ青髪が誇らしくてこの1年伸ばしてしまっていた。

 もしかしたら彼女も同じ青髪に目をくれるかもしれない。

 それなのに彼女は一向にこちらに接触してこないどころか同じ家に住むレノなる男と俺の目の前で戯れていた。彼女がアイツの周りをピョンピョン跳びはねていたり可憐な手でペチペチしている姿は何とも羨ましく妬ましい。どうやったらこちらに目を向けてくれるのか……。

 1年間悩んで何も出来なかったから今年こそは行動に移そうと決めた矢先俺にチャンスが舞い込んだ。編入者としてやってきたアノード子爵令嬢に学内案内をしていただけなのに、俺とアノード子爵令嬢が思いあっていると噂がたち、何と!何と!レノアが反応してくれたと噂が飛びかった。

 レノアに意識されている!それは空を超えるくらい嬉しかったのに……まさかの候補破棄。


 俺に死ねってことか?

 学校でレノアの姿を探しても見つからず、授業をサボり探し続けてやっと人気のない教室で見つけたのに既にレノアは有ろう事がアノード嬢と抱き合っていた。

 それどころか抱擁の後には楽しそうにおしゃべりまでしている。

 俺が1年かけて出来なかったことを!!

 後は怒りに任せて部屋に入るとレノアを掴み思いの丈をぶちまけた。

 

 くっ!なんだコノ小さな肩!この吸い込まれるような黒い瞳。何この可愛さ!

 思わず近づけばレノアがお腹にハイタッチしてくれた。きっと身長が足りないからお腹にポンしてくれたんだ!


 あぁぁ!なんて可愛い!

 破壊的な可愛さの前で身もだえしていたら凄い形相でアノード嬢にラリアットされてしまった。

  

 俺の記憶は一時途切れたが、目覚めた時にはやっぱり吸い込まれるような黒い瞳が心配そうに覗き込んでくれた。おまけに「大丈夫?」と声をかけてくれた。

 天使か!!

 彼女の瞳に吸い込まれるなら死んでもいい。

 喜んで君の瞳に吸い込まれよう!

 何なら君を国外追放したことにして誰の目にも触れさせない様に塔にでも幽閉して愛でようか。


 勢い良く起き上がり再び彼女に手を伸ばせば、アノード嬢の足が目の前に広がり俺は2度目の意識を手放した。 


 

ここまでお読みくださりありがとうございます。


ブックマークありがとうございます!

評価もぜひぜひお願いいたします!

土下座!



サブタイトル

王子にするか変態にするか本気で悩んでしまいました。

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