第三十八話 闇夜の使者
ここはランスの寝室につながる前室。
今晩、ここに詰めているはナァムと私、エミリアだ。
「まったく、いつまでヤッているのかしら? あの野良エルフめ! だんだん腹が立ってきたわ!」
ナァムはランス様とアルヴィリーナの睦み合いをよしとはせず、相当苛ついているようだ。
「まあまあ、ナァムさん。落ち着いてください。アルヴィリーナさんはランス様の特等夫人の称号を持ちます。ランス様から人一倍愛されてこそ、あの人の価値が高まるというもの」
「エミリアはよく耐えられるわね! あんな声、四六時中聞かされたら堪ったもんじゃないわよ!」
今もドアの向こう側から漏れ聞こえるアルヴィリーナの嬌声。
ランスからの愛を受けて悦ぶ女の声だが、私にはうっとりする事であってもナァムは苦痛に聞こえるようだ。
「ナァムさんはアルヴィリーナさん事が嫌いなのですね?」
「それは・・・」
ナァムは何かを応えかけてプイと顔を背ける。
「解っていますよ。大好きなお兄さんを取られた相手ですもの、嫉妬して当然。それは愛する人を持つ者として正しい反応ですから」
「私、そんなんじゃ! ひゃっ!!」
私が手を握ってあげただけでこの敏感な反応・・・明らかにアルヴィリーナさんの嬌声を聞かされて、ナァムさんは興奮しているのだと思う。
これは重症ね・・・
「私にも敬愛する兄がいて、最初は兄の婚約者にどう接すれば良いか迷ったこともあるわ。身内どうしは決して結ばれる訳にはいかない。それは自然の摂理・・・諦めるしかないと最終的に私はそれで受けいれましたけどね・・・」
私が一方的にそう指摘するとナァムさんの顔は刻々と赤に変わっていく。
やぱり、ナァムさんはランス様に恋しているのでしょう。
幼い時に親を亡くして、兄の一手で育てられて大切に守られてきたのだと思います。
妹のナァムさんがランス様のことを自分の恋人のように勘違いしまうのも仕方の無い話。
それほどにランス様は他人に優しいお方。
異性として魅力を感じてしまう方が普通ですね。
『あぁぁ、ぁぁぁ!』
あ、また、アルヴィリーナさんの激しい嬌声が聞こえてきました。
今は何かをして貰っているのかを想像してうっとりするナァムさん・・・ここは注意しておかないと。
「ナァムさん、近親相姦はいけませんよ」
「エミリア、何言っているの! 私、そんな不純じゃないわ!」
「そうです。近親相姦は不純です。誰もがその結末に幸せを得られません」
私はそう言い切る。
そう言い切れるだけの自信がある。
何故なら私も・・・叔父に当たる人から性暴力を受けたことが・・・いけない、この事は墓場まで持って行かないと。
私が、元の世界に帰りたくない理由のひとつがこれだ。
私と叔父は歪な関係になってしまっていた。
閉鎖的な帝室では過去の歴史よりよくある事らしいけど・・・この事実だけは公にできない。
私は口を噤むとともに、ナァムさんを正しい方向に導く必要があると気を新たにする。
それだから、態々、鬨の番人をナァムと務めることにしたのだから。
ナァムさんもこの現実を受けて止めて理解するべきだ。
ランス様とアルヴィリーナさんは互いに深い愛情で結ばれている。
それこそ他人が入り込む余地無いぐらいに・・・
だから私はアルヴィリーナさんをランス様の愛人枠として捺した。
もし、ランス様に心の隙があるのならば、その座は自分が頂きたいぐらいだ。
しかし、駄目だろうと私の直感が囁いている。
あの二人は互いが互いを求めている。
そこを崩すのは難しいだろうし・・・ならば、一歩下がりランス様の信頼を得る立場に留まる今の戦略に間違はない。
私はある時はランス様専属の参謀・・・ある時は国家の戦略を担う片腕の役割、ある時は今回のように、身の近辺のお世話と私的な空間の警護をする役割。
そこにいるだけでランス様から信頼を得られる。
今はそれでいい・・・私は自分にそう言い聞かせる。
こうする事がこの異世界で生き残れる道。
ランス様からの庇護を貰い、そして、自らの陣営を強く、大きくすることに喜びを覚える。
(相変わらず、私って色気の無い女性ですね・・・)
時々、そんな自分を情けなく思う時もあるが、私はこんな仕事が好きだったりする。
こちらの世界に来てからは充実の日々だった。
考えて、思慮して、思い描いた筋書き通りにリドル湖同盟を推し進め、その組織とランス様を育てていくことに快感を覚えている。
我ながら困った性格だ・・・侍女のクレアからも小言を毎日聞かされている。
もっと女性としての価値を高めた方が良い・・・そう言われたが、今回はクレアにその意匠返しをしてやった。
彼女は今回の戦いで役立つ『爆薬』を準備できたウェンに対する報酬だ。
彼は元々クレアを所望していたが、今回はその願いを叶えてやった。
今頃、クレアとウェンは・・・ふたりの顛末を想像してしまい、ちょっと羨ましくなる・・・
「ナァムさん、ランス様と特別夫人様の警護をしっかりやりましょう。こんな時こそ、暗殺者に警戒すべきです」
私は仕事を促すフリをして、心の隙間に生じた妬ましさを誤魔化した。
「エミリアも心配性ね。こんな時に、誰が襲撃してくるのかしら? 目下最大の敵だったバルディ王国は撃破されて散り散りになったし、このトリアの中枢は以前の強襲を教訓に守りも固めているから、無駄な苦労になるのじゃないかしら?」
ナァムは正直にそう応えてくれる。
「我々の役割は警護だけじゃありませんよ。ランス様や特別夫人様からお召しがあれば、それにすぐに応える必要もあります」
「お兄様にはまだしも、あの野良エルフに気を使っても無駄じゃないかしら? エルフの国を出奔したから、ひとりであんな森をほっつき歩いていたと思うわ。それにいろいろとだらしない性格だし、エルフの姫というのも何かの間違いよ。きっと」
ナァムはアルヴィリーナさんの事をどうしても認めないようだ。
これもランス様に懐く情愛の裏返し・・・ナァムさんも困ったものだ・・・
そんな呑気で平和な雰囲気。
後ほど私は後悔することになるのだが、ここで死神の接近を全く想定できていなかった。
一方、こちらはランスの寝室。
あまりにも激しく行った愛の行為の影響で、互いに体力消耗している・・・
現在は裸体のアルヴィを抱き小休止状態だ。
「うふふ、今日のランスは素敵だったわ!」
アルヴィは満足げで俺にそう語りかけてくる。
無邪気な表情がやけに可愛いぞ。
「だけど・・・俺、早いだろ? その・・・なんだ・・・早いと嫌われるんじゃないか?」
「そんなことないわ。私はとても気持ち良かったし、それに・・・」
「ぐおっ!」
ここで俺の大切なものが握られる。
「私はランスのコレ好きっ! だってすぐ元気になるし~!」
ニコニコ顔で俺の大切なモノを刺激してくる。
また、大きくなって・・・しまった・・・
休憩中だと言うのに・・・
嬉々となるアルヴィは俺の弱点を把握できたことに満足しているようだ。
少し悔しい。
そんな俺達が静かになったことで、外で番をするエミリア達から問い掛けがあった。
コンコン
「ランス様、アルヴィリーナさん、お疲れところ申し訳ありません。湯浴みなどいかがでしょうか? 必要あれば準備いたしますよ」
むむ、俺はこんな艶姿を他人に見せる恥ずかしさから「不要だ」と伝えようとする。
しかし、それはアルヴィによって止められた。
「それじゃ、湯浴みをお願いしようかしら。もう、ランスから愛され過ぎちゃって大変、大変」
「おいっ、アルヴィ!」
俺は焦るが、アルヴィからは静かにするようなジェスチャーが・・・
「だって、ナァムは私達の仲をなかなか認めてくれないのだから、現実を見せつけるのが一番いいのよ! きっと、としても良いショック療法になるわ」
「ショック療法ってなんだよ」
そう言いながら、まだアルヴィの手には俺のナニが掴まれている。
流石にこの状況を妹に見せるのは拙い。
俺はアルヴィを無力化しようと彼女の長耳を触る。
「ヒャッ、やめて、やめて! アンっ!」
ここがアルヴィの弱点だと言う事は今回の鬨の場で得られた成果だ。
今こそ、ここを攻めてアルヴィの注意力を逸すのだ。
そんなじゃれ合う姿がもっと拙い構図だと俺が理解するのは少し先だったりする・・・
また場面は変わり、こちらミランダ側。
「湯浴みなどいかがですか?」
「・・・お願いしようかしら・・・もうランスから愛されちゃって大変、大変・・・えへへ・・・あぁぁぁん、あん!」
扉の向こうから嬌声ともふざけているとも取れるアルヴィの声が聞こえてくる。
ナァムさんはこれを聞かされて、諸手を上げて呆れていた。
「私、ランス兄様のことを見損ないました・・・あんな野良エルフに夢中なるなんて・・・」
「あら? 仲睦まじいことは良い事じゃありませんか? このご様子だと懐妊は早いかもしれません。支配者の次の世継ぎが生まれる事は悪い事ありませんからね」
私はこれから樹立する国家の事を想像して微笑むが、ナァムさんは複雑な表情のままだ。
まぁ、すぐに現実を受け入れるのは難しいかも・・・私は妙な納得を示して、湯浴みの準備を進める。
ここで僅かな変化だったが、室内が一瞬暗闇に・・・ローソクの光が何者か遮断されたような気がした。
「何?」
ナァムさんも同じ異変を感じ取り、近くの剣を取る。
侵入者などあり得ない・・・そんな先入観を破って、その危惧がここで現実化した。
床の黒い影が移動したと思えば、そこから人のような者が浮かび上がってくる。
「何者っ!」
ナァムさんはいち早く察知して剣を抜いて、私と影の間に割って入ってくれた。
「ふふふ、我が名はシャムザ。闇の一族、闇夜の支配者。其方達からは古よりこう呼ばれていた『吸血種』とな」
影から浮かび上がる人物は全身が黒い服を着た紳士風の老人。
背丈があって、纏う迫力…この人物が普通の生物とは格の違う存在だという事は直感で理解できる。
私は恐怖で動けなくなってしまうが、ナァムさんは勇敢だった。
「『吸血種』ですって、それは我ら一族の仇敵っ!」
「・・・その長剣・・・覚えているぞ。二百年前に我が父なる存在を斬った人間一族の末裔か?」
「そうよ。私達は過去より人に害を成す魔族『吸血種』を討伐するのがその使命!」
「ならば、その使命は今日潰えるっ!」
シャバッ!
男が腕を動かしたと思うと、直後に夥しい流血が・・・
ナァムさんの首の側面が一撃で切られて大量出血。
明らかに致命傷を負った。
「ふふふ、他愛もない・・・吸血種狩りの名は時代と共に衰えたようだ。昔はこの程度の攻撃は回避されていたのにな・・・只、殺すには気が収まらん・・・そうか、こうしてやろう!」
男の力が圧倒的過ぎて私は何もできない。
私が恐怖に支配されて身動きできないのを良い事に、男は致命傷を受けて意識朦朧のナァムさんの唇を奪う暴挙に出る。
「ふぐ・・・ぐぐぐぐ・・・ががががぁぁぁ!」
直後にナァムさんから苦悶の反応・・・口から鮮血を流し、全身の血管が浮き出し、そして、目の瞳孔が金色へと変わる。
明らかに人以外の何かへと変えさせられてしまったナァムさん。
「フハハハ、成功だ。この女の魔力適正が高かったようだ。喜べ、我が花嫁として迎えてやるぞ! お前は永遠の命を得たのだ! 我らが吸血種の中で吸血主狩りを伴侶にしたのは我ぐらいだろうなぁ!」
上機嫌に笑うこの男は狂人だと思った。
いや、それ以前にこの男は人間ではない何かだ・・・異世界人の私には理解できない生物だと断言できる。
只、震えているだけで何もできない私はこの男からして何の脅威でもない。
身体の周りを飛び回る蠅のような感覚であり、ここで私の存在はまったく無視された。
その男は再び影へと潜る。
獲得したナァムを引き連れて・・・
その影はゆっくりとランス様の部屋に移動するのを、私はずっと眺めることしかできなかった・・・
「反応が無いわね? ナァムって私の事を無視しているのかしら?」
「アルヴィ・・・普通、兄妹がまぐあう相手との現場を見て嬉しいと思うか? ナァムの気持ちも察してやれよ」
「ちぇっ、面白くないなぁ~!」
両手を上げてかぶりを振るアルヴィ。
俺のナニは解放してくれたが、彼女の両耳はまだ俺に捉われたままなので、そんな姿が妙に可愛い。
もっと耳を攻めて虐めてやろうか?
そんなちょっとした嗜虐心に駆られる俺・・・
「ええい、悪い娘はもっと虐めてやる」
「いゃ~ン、耳は止めて~、耳は~、感じちゃうじゃなない~!」
耳を刺激されて悶えるアルヴィ。
その姿が可愛過ぎて最高だ。
裸でじゃれ合う俺達は傍から見てどう映るのだろうか・・・
どう見ても俺達はバカな恋人にしか見えないだろう。
ふと冷静になった俺は他人からのそんな評価が脳裏を過る。
そして、人が入ってきた気配。
「ナァムか、エミリアか? これには訳が・・・」
俺は反射的に言い訳を口にしてしまう。
それは自分達がイチャつく姿を身内に晒してしまう事への恥ずかしさからだが・・・
「むむっ、血の匂い!」
俺はすぐに違和感に気付いた。
そして、俺達の部屋へ入ってきた人物がナァムやエミリアではないことも一瞬で理解する。
それから俺の行動は早かった。
裸のアルヴィを毛布ごと包んで引き寄せ、そして、寝所に立て掛けてあった自分の剣を手にする。
鬨の場で手元に剣を置いくなど無粋だが、冒険者気質の俺にとって最愛の自分の武器が近くにあることは一番落ち着くことだ。
ましてや、こんな襲撃があった時もすぐに対応できる。
俺は素早く剣を抜き、現れた刺客らしい男と対峙する。
「何者だ!」
その男は俺の姿を目にして笑みを浮かべる。
「ふふふ、ははは、ぐはははは! 遂にアルヴィリーナ様を見つけましたぞ。人間との戯れとはちょっと行儀の悪いお遊びをされているようだ」
「お前はっ! 吸血種の族長シャムザっ!」
アルヴィはこの刺客の名前と顔を知っているようだが、この男・・・
「血の匂い・・・尋常じゃないな」
漂う血の匂い・・・これは大量の出血をしないとここまで匂わない、まさか・・・
俺は最悪の事態を想像してしまう。
そのまさかだった。
男の後ろより大量出血したナァムの姿が見えた。
その姿は首の切り傷より大量出血の痕跡が見えるが、それ以上に異常。
肌の色はどす黒く染まり、骨ばった手足と顔、まるで死人の様だ。
だが、眼だけは生命感にあふれる金色の光を放っている。
その姿は確かにナァムだが、ナァムじゃない異常な光景。
「ナァム・・・貴様、ナァムに何をした!?」
「お前はこの女の兄のようだな。大丈夫、この女は吸血種として新たな生を授けた。人間のような脆弱な存在ではない。そして、我が妻としてこの先に生きていくだろう」
「何を勝手なっ!」
俺は剣でこの男を斬ろうとしたが、何か不思議な力を受けて剣が押し戻されてしまう。
「無駄だ。只の人間に私を傷つけることもできまい。フフフ」
余裕な態度の男。
俺も不思議な力で抑えつけられて、身動きすらままならない。
そんな状況で、男の手がアルヴィに迫る。
「さあ、お嬢様。白エルフ族長の元へ帰りましょう」
「嫌よ! 離してっ! キャッ!」
バチンッ!
小規模な雷のような魔法が発動してアルヴィだけがひと跳ね・・・これで彼女は意識を失った。
そして、不可視な力で俺の手からアルヴィを奪われる。
ふぅ~っと、全裸のアルヴィが空中を飛び、男の後ろで控えていたナァムがそれを受け止めた。
ナァムが気を失った裸のアルヴィを毛布でくるみ、その肩に担ぐ。
「さあて、大方の依頼は達成済みだ・・・あとはアルヴィリーナ様に狼藉を働いたこの男の始末をどうするかだが・・・」
刺客の男の目に殺意が浮かぶ。
圧倒的だ・・・俺は自分の生命の灯が消えるのを自覚した。
だが、俺の窮地を救ってくれる存在が・・・
ここで騒ぎを聞きつけたのか、この部屋に接近する複数の足音が・・・仲間が異変に気付いてくれたんだ。
「ふん、我にしては些細な戦闘だが、それでもここはアルヴィリーナ様の奪還を優先すべきか・・・」
刺客はマントを翻して俺に背を向ける。
「ま、待てっ! アルヴィを返せっ!」
俺の呼びかけに応えるそぶりも見せず、刺客は自らの影に身体を沈める。
奴の支配を受けたナァムもその後を追うように影へと沈んでいった。
そして、背に担いだアルヴィ諸共、この部屋から生命の気配が無くなる。
この場を圧倒的な力で支配していた闇夜の雰囲気は無くなり、刺客がこの部屋より去ったのは直感で解ったが、それでも、俺は突然の凶行に頭の理解がついてこない。
その直後にドアが開らかれて、血相を変えたエミリアが入ってくる。
彼女は震えた身体を俺に預けてきた。
「アレはなんですか? あなんものは人として認められません!」
恐怖で身体が震えるエミリアが俺にしがみついてくる。
俺も彼女を抱いて、彼女の人の温かさが俺の心の恐怖を幾ばかりか払拭してくれる。
「アレは・・・おそらく魔族、自ら吸血種と言っていたからそうなのだろう。古の存在であり、ここ数百年は人の世に出没していない魔の使いの者」
「あのような生物は存在してはなりません」
エミリアは気丈に宣言する。
「奪い返しましょう。ナァムさんを、アルヴィリーナさんを」
「・・・ああ、そうだな」
俺は心なしか非現実的にそう答えてしまう。
圧倒的なあの悪魔に勝てるのだろうか?
「これからのランス様、いや、リドル湖同盟のこれからの目標は人に害を成す『魔族』の殲滅。そして、アルヴィリーナさんを我々より不当に奪ったエルフ族に対する糾弾と、すべきです」
そう激しく主張するエミリア。
いつも冷静沈着な彼女にしては珍しい反応だ。
だが、俺も心に落ち着きを取り戻し、ナァムやアルヴィが拉致されたことに怒りが沸いてきた。
「ああ、解った。絶対にアルヴィを奪い返してやる!」
負の感情が俺を突き動かした。
俺は他者をこれほど憎んだことが無い。
この時の俺の決断が、今後のリドル湖同盟の基本方針となる。
そして、この決断が大いなる過ちだと気付かされるのは後になってからである・・・
アルヴィとナァムが拉致られてしまいましたね。さて、ここから物語は佳境に入ります。
そして、この吸血種の『シャムザ』なる人物・・・皆さん覚えていますか? 実はラフレスタ本編の第二部で登場しています。もし、お忘れの方は第二部第六章あたりを読まれれば、登場していますよ・・・うん、あの頃から既にシャムザは人攫いイベントキャラとして暗躍しています(笑)。そして、第二部の最後の方には台詞がほとんどありませんが、シャムザの妻が登場していて、なんとなくここの話とつながっていたりします。筆者としては伏線をひとつ回収できた気分です。手前味噌ですが、皆様もここで物語の広がりを感じて頂ければ筆者としても嬉しい限りです。




