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ラフレスタの白魔女 外伝  作者: 龍泉 武
第五部 帝皇の罪、銀龍の罪
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第六話 あざといエルフが街にやってきた


「本当に嫌になるわよねぇ~!」

「アイツって典型的な小悪党でしょ? 解るわ!」


 現在の俺達は冒険者組合から出て自宅に戻る道中である。

 俺の後ろを歩くナァムとアルヴィは会話に花が咲いている。

 その話題とは、先ほどの冒険者組合での顛末だ。

 組合長から再びエルダー・トレントを討伐して来いという無理難題を断った後に、タイミングよく現れた教会より派遣された神聖魔法使いによって簡単な治療行為――と言うか、俺達は診断だけだったが――を受けた時の話題である。

 俺達の傷は殆ど無かったので、戦闘による疲労のみと診断されたが、アルヴィはエルダー・トレントに捕獲されていたので念のため詳しく観て貰った。

 その結果は『問題なし』。

 俺達と同じく、疲労の蓄積によるものだけであった。

 正直、ホッとした。

 ある日起きたら腹の中からエルダー・トレントの幼体が現れるなんて顛末・・・悲し過ぎる。

 診断結果自体はそれで良かったのだが、フィーザーと同じ場所でアルヴィまで診て貰うのが良くなかったと後悔している。

 女性の大切なところの診断・・・当然、素肌を晒すのではなく衣服の上から神聖魔法の触診による診断なので普通ならば、いかがわしく無いのだが、フィーザーがアルヴィに多大な興味を示していたことを失念していた。

 フィーザーは診断の終わったアルヴィに接近して、随分と失礼な事を聞いてきたのだ。

 

「エルフ女、お前これからどうするんだ。森に帰るのか?」

「・・・どうしようかしら? 元々予定のある旅じゃなかったから、しばらくこの街にいさせて貰おうかしら・・・」

「ならば、俺のところに来い。お前を奴隷として買ってやる。おい、ランス。この獲物、いくらで売ってくれる?」

「はあ?」


 フィーザーが一瞬何を言っているのか理解できなかった俺だが、しばらく経てば、俺の助けたアルヴィを奴隷として取引しようとしているのだと解った。

 早速反論すべきとも思ったが、俺が拒否するより先にアルヴィ本人からの拒絶反応の方が速かった。

 

パシンッ!


「痛てぇ~っ! 何しやがる!!」


 誰が止めるよりも早く、アルヴィの平手打ちがフィーザーに炸裂する。

 

「失礼ね。私は奴隷になりにここに来た訳じゃないの。そんな下種な目で私の身体を観ないでくれるかしら。ランスは私を絶対に奴隷として扱わないと約束してくれたわ。それに魔物に捕まって衰弱していた私を無償で助けてここまで運んでくれたし。人間にはランスの様な素晴らしい紳士もいれば、あなた達の様にクズもいるのね!」

「なんだとっ!」

「何、やる気? 私、負けないわよ」


 アルヴィは拳を手に握りファイティング・ボーズを取る。

 軽々しくステップを踏んで、虚空相手に殴る仕草をするアルヴィが可憐な容姿に反して、暴力的な側面も魅せる。

 

「ぐ・・・」


 これには傍若無人で通るフィーザーもタジタジ。

 

「下賤な者よ、ここから去りなさい。本来ならばアナタのような人と私は会話する事も許されないわ」


 ここでアルヴィの言っている意味はよく解らなかったが、それでも形容し難い説得力もあって、フィーザーは不思議と退場する事を選んだ。


「くっそう。覚えていやがれっ!」


 最後には小者らしく捨て台詞を吐き退出していく彼だが、不思議とアルヴィの仕打ちは気持ちいいものを感じさせる何かがあり、この推移を見守っていた周囲の数名から歓声が起こったりする。

 何だが、こそばゆくなった俺達。

 早々に俺達も退室を選ぶことになった・・・

 そして、今に至る。

 

「あの時のフィーザーって男、きっと私の身体を見てエッチな事を考えていたわよ。目立たないようにしていたけど、下半身のアレが大きくなっていたのが解ったもん!」

「嫌だぁ~、本当に下品な奴ねぇー きっと、フィーザーのアレ(・・)って曲がっているわよ。根性と同じ!」

「ナァムの言うとおりね、絶対曲がっているわ。私もそれに金貨一枚賭けてもいい!」


 女子トークは随分と失礼な方向に話題が曲がってしまっているようだが、俺は聞かないふりをした。

 

「それにしもアルヴィは随分ズバッと言ってくれたわね。格好良かったわよ!」

「へへん、そうね。あの手の小者には初めにハッキリ言っておかないと上下関係が解らないのよ。エルフの社会にもいる小悪党と同じだわ。因みに『組合長』って人も同じ小悪党の類でしょ?」

「えっ! 解るの?」

「当り前じゃない。あんなの初見で見抜けないと、上手くやっていけないわよ」

「すごい、アルヴィ! 実はあの二人は親子なのよ。ちなみに、私が嫌いな冒険者組合のナンバーワンとナンバーツーだわ」

「あら!? そうなの? やっぱり親子って似るのかしら? 嫌ねぇ~」


 悪口は組合長の方に飛び火した。

 全く以て推奨できない話題だが、それとは別に、俺は密かにアルヴィの洞察力に感心していたりする。

 彼女は相手に失礼な事を言われて怒ったようだが、その裏では随分と相手の事を観察して冷静な分析をしているようである。

 実はアルヴィ、莫迦のふりして頭の良い女なのだろうか。

 俺の中でアルヴィに対する興味がひとつ増えた瞬間であった。

 そんな事を考えていると我が家に着く。

 

「よし、着いたぞ」

「うわっ! 大きなお屋敷じゃない。ランス達ってひょっとしてお金持ちなの?」


 そんな問いに俺はやや自虐的に笑って返す。

 

「いいや、そんな事は無い。この家は両親から譲り受けた数少ない財産だ。使用人なんてのも一人もいない、ただ大きいだけの家さ」

「・・・ふーん」

「まあ、客間だけは沢山ある。他には何もない家だけど。ゆっくりする事だけはできるぞ。自分の家だと思って寛いでくれ」


 俺はそんな常套句を述べてアルヴィを我が家に案内した。

 

 

 

 

 アルヴィには旅の疲れをとって貰おうと、沐浴と衣服の洗濯を勧めた。

 そして、その後、またこの白エルフの娘に驚かされることになる・・・

 

「うおっ! 何をどうすればこうなる!?」


 驚愕に支配された俺の顔を悪戯が成功した小悪魔の様にニコニコと笑うアルヴィ。

 

「えへへ、可愛いでしょう?」


 ここで俺の観たアルヴィの姿とは、お姫様がそこに立っているのかと見違えてしまう姿だった。

 風呂で旅の汚れを落とした彼女。

 元々、見た目の麗しいエルフ女性だと思っていたが、清潔にして身なりを整えると、彼女の魅力は更に強調される。

 長い直毛の金髪は蕩ける黄金の蜂蜜のように流れていたし、今は旅の時に付けていなかった金の髪飾りを装着している。

 精巧な金細工の髪飾りはそれだけでも高価なものと解るが、アルヴィはその装飾品に負けておらず、これが彼女の魅力を引き立てさせる専用の装飾品だと主張しているようにも思えた。

 そして、アルヴィ自身は顔や身体の汚れが無くなり、白エルフの魅力でもある白く肌理(きめ)の細かい肌が輝いている。

 やや細いアーモンド型の目は真っ青に染まる碧眼の瞳を輝かせて、今はなめし革の鎧を脱いでいるので、その細くて魅力的な身体の存在も否応なしに解る。

 妹から借りたのか、現在のアルヴィはタイトなシャツとスカート姿だった。

 

 なんだ? ナァムのスカート姿だって年に数回しか見ないのに・・・

 

 確かに、妹が年に数回しか着ない服だと解ったが、それにしても・・・アルヴィがそれを着ると見違える姿だ・・・

 シャツはサイズが合っていないのかパツンパツンであり、丈が短く、彼女の臍や括れた腰が丸見えになっている。

 それでいて、下品に見えないところが不思議だった。

 見事に女性的にこの衣服を着熟している。

 そして、下はスカート。

 ふわっとした感じでまとめており、彼女の細くて白い足が悩ましい。

 旅のブーツを履いているのがまた良い。

 細い太腿がより魅力的に映る。

 俺がそんな呆気に捉われていると、当のアルヴィが悪戯っぽい笑顔を零した。

 

「私の服を洗っている間、ナァムから服を借りたの。どう可愛いでしょう? 私、こんなかわいい服を一度は着てみたかったのよ」

「・・・ああ、似合っているぞ」


 俺は何とかそんな褒め言葉を自らの口から引き出すのが精一杯だった。

 そして、恥ずかしくなって、微妙にアルヴィから視線を外してしまう。

 なんだかドキドキして彼女を直視できない。

 そんな様子の俺を揶揄うように、アルヴィは俺を更に挑発してくる。

 

「どうしたの、ランス? 私に惚れちゃった? まぁ、私は可愛いし~。そう言えば、エルダー・トレントから助けてもらったお礼をまだしてなかったわねぇ・・・ いいわよ、もう一度抱かせてあげる。ほら!」


 アルヴィは両腕を頭の後ろに回して自分の身体を強調してくる。

 そうすると、只でさえパツンパツンのシャツが引っ張られて、乳房が押しつぶされる。

 下着をつけていないのか、アルヴィの小ぶりな乳房が押しつぶされて、胸部の全貌が露わに見えて、彼女の裸身が想像できた。

 

 グググ・・・

 

 拙い、俺の下半身が反応してしまう・・・

 今すぐアルヴィの可憐な肉体に抱き着いて、自分の欲望を吐き出したくなってしまう。

 

「ダメよ。アルヴィ! お兄様を揶揄っては!」


 ナゥムが間に入って遮ってくれた。

 

「ちぇっ、冗談よ!」


 多少不満だったようだが、それでもアルヴィの悪戯はそれで止まってくれた。

 アルヴィ・・・そこまでして俺の好感度を上げなくても大丈夫だから・・・このままでは奴隷商に売るよりも先に、俺が自分のモノにしてしまうぞ!

 そんな警鐘を伝える訳にもいかず、俺は何とかアルヴィの美の呪縛から逃れる事ができた。

 少しホッとしたような、男として残念だったような・・・複雑な気持ちである。

 

「今は夏だから、汚れた衣服を洗っても明日の朝には乾いているわ。今日は体力回復のためにもゆっくり休むべきね。私が晩御飯の支度をしてあげるわ」


 ナァムは真っ当な意見を述べて、休息と食事の提案をしてくる。

 そう言われると俺もお腹が空いてきた。

 森での冒険活動になると、碌な物が食べられないからな。

 

「そうだな。今日は肉料理にしよう、確か食料庫に塩漬けの干し肉が残っていた筈だ・・・」


 今晩のメニューは精がつくものを提案する。

 しかし、それに異を唱える者がここにいた。

 

「私・・・トナカイ肉が食べたい!」

「はぁ!?」

「人間の里って食料が豊富だと聞くわ。トナカイ肉が美味だって誰かから聞いたことがあるのよ」

「何を言ってんのよ、アルヴィ。トナカイ肉って高級品だわよ。それに今は時期じゃないし。ええい、居候の分際でエルフなんか、キノコを食べさせとけば良いのよ!」

「キノコは嫌。もう一生分食べた。トナカイ肉、トナカイ肉、トナカイ肉が食べた~い!」


 駄々を捏ねる子供の様にアルヴィが騒ぎだす。

 諸手を挙げるナァムだが、俺も仕方ないと観念することにした。

 

「解った、解った。今日はトナカイ肉のステーキにしよう。ちょうどエルダー・トレントを狩って、臨時収入の見込みもある。滋養強壮、疲労回復にトナカイ肉は悪くないだろう」

「やったぁー! ランス、愛しているわ!」

 

 ピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ単純なアルヴィの姿と、ナァムからの白い目。

 

「ちょっとぉ! 兄さま! アルヴィに甘過ぎるのでは? あまり甘やかし過ぎると、野良犬のように居ついちゃうかも知れないよ!」


 ナァムからはそんな嫌味が出るが、アルヴィの鋼鉄の精神はそれを巧みに無視して、俺に愛想を振る。

 まるで俺がすべての決定権を持つ事を解っているようだ。

 恐るべし、白エルフの女性!

 本当にアルヴィがウチに居つくならば、それでも構わないと思い始めている自分もいる。

 彼女の好感度アップ作戦は確実に成功しつつある現実に密かな恐れを感じつつも、俺は自分の成すべきことを進める。

 

「まだ肉屋はやっているだろう。ナァムとアルヴィはここで留守番していてくれ」


 俺が出て行こうとすると、服の裾をアルヴィに掴まれた。

 

「んん?」

「私も一緒に行く」

「はぁ? 何を言っている。そんな恰好で出歩くんじゃない!」


 俺はアルヴィの現在の服装に警鐘を鳴らす。

 只でさえ綺麗な白エルフ美女のアルヴィ。

 それがこんな可憐な服装を着て街を出歩けば、目立つ事この上ない。

 『襲ってください』と言っているようなものだ。

 俺でさえ、ヤバかったのに・・・街のならず者に見つかると余計な問題に発展するのは目に見えている。

 

「大丈夫よ。それよりも交渉事には私を連れて行きなさい。決して後悔させないわ」


 結局、アルヴィの強い希望によって、彼女の帯同を許してしまう俺であった・・・

 

 

 

 

 

 

「へい、毎度、ランスの坊ちゃん。これもオマケに付けてやるから持っていけ!」


 俺の親父の代から贔屓にしている肉屋でトナカイ肉を購入。

 季節外れだったが、そこそこ品質の良いトナカイ肉を融通して貰えた。

 そして、店の主人の景気のよい声に背中を押されて、俺は肉屋を後にする。

 現在の俺達の手には目的のトナカイ肉に加えて、それ以上のオマケ品を持たされていた。

 こうなった原因は、勿論、アルヴィだ。

 彼女が肉屋の主人に愛想を振り向いた結果がこれである。

 

「肉っ、肉っ、トッナカイ~、にく~ぅっ!」


 ご機嫌なアルヴィは意味不明な自作曲を歌っている。

 余程目的のトナカイ肉を入手できたことが嬉しかったのだろう・・・

 俺も敢えて突っ込まない。

 

「しかし、トナカイ肉と付け合わせの香草、野菜、お酒まで貰えるとは・・・」


 オマケ品の多さに俺は呆れるばかりだが、アルヴィは当然のように自分の成果を強調した。

 

「私のお陰よ。感謝しなさい」


 彼女が言う事は事実であるため、否定もできない。

 肉屋の主人相手に自分がどれだけトナカイ肉に期待しているか熱弁し、そして、秘蔵の最良品を提供して貰ったことを、よほど嬉しかったとお礼の言葉と、そして、最大級の愛想を振りまいた結果がこれである。

 それに気をよくした相手から更なる譲歩品を得る。

 高度な交渉術だと思うが、そのやり方が自分の可愛さを前面に押し出すあざとさ満載であった事が少々気がかりだ。

 アルヴィ曰く、「これは美しく生まれた者の特権。エルフ社会でも通用していた事を人間社会でも使えた」らしいのだが・・・

 

「お前、どんだけあざといんだ! エルフ社会でも同性の敵とか、多かっただろう?」

「そんなことはないよ。私は皆から可愛がって貰ったわ。美人は得するようになっているのよ ウフッ!」


 アルヴィの人生を心配して少々苦言を述べたつもりだが、本人にはどこ吹く風、自分が特別扱いされて当然だと思っている。

 確かに美人であり、活発で魅力的な女性であることは認めよう。

 しかし、いろいろな人間の集まるトリアの地では、好意とは別の感情を持つ者も引き寄せてしまう危険(リスク)がある。

 それを教えてやろうとしていた時、正にその危険(リスク)がすぐに顕実化してしまう。

 

 夕暮れの狭い路地で俺達は十人ぐらいの徒党に囲まれる。

 不潔な身なりで目つきの悪い彼らは、それだけで碌でもない人間達だと解る。

 

「ヒャッハーッ! エルフだぜ。こりゃ上玉だなぁ~! 美人のエルフが街にやってきたって噂は本当だったんだなぁ~!」


 リーダ格の人物が一歩前に出てナイフをチラつかせる。

 それだけでこの徒党が何を目的に俺達を囲んだか、容易に想像できた。

 

「俺達に何の用事だ!」


 解り切った事ではあるが、一応聞いてやるのが形式美という奴だ。

 

「金目の物と、その旨そうな肉、そして、女をここに置いていきなぁ。俺達がたっぷりと味わってやるよ。へっへっへっ」


 リーダの視線は俺の後ろに立つアルヴィの上から下まで食い入るように視線を舐めかけさせる。

 彼女の価値を見定めているようだが、低俗の欲望に染まる視線はこの男が碌でもない事を想像しているのは容易に想像できる。

 勿論、俺としては拒否だが、そんな行動しようと思った矢先、アルヴィが先に動いた。

 

「深緑の戒めよ! この不届きな者達に偉大さを教えてあげなさい。拘束ーっ!」


 アルヴィが魔法の呪文のようなものを唱えると、周囲の雑草が騒めき、蔓が一気に伸びた。

 

「ワワッ! 何だっ!?」


 悪党達は驚いたようだが、できた抵抗などそれぐらい。

 あっという間に伸びてきた蔓で身体が雁字搦めになった。

 

「精霊魔法かッ!?」


 俺はアルヴィの施術した魔法の系統を看破できたが、それでも解るのはそれぐらい。

 精霊魔法とは自然を利用した魔法であり、人間の使う魔法とは系統が異なる。

 しかし、その鮮やかな手腕は彼女が一流の魔術師であることを理解できた。

 そして、ここでアルヴィが披露したのは精霊魔法の腕だけではない。

 

「えいやぁっ!」


ヒュンッ!


 甲高い発奮を放つと共に、いつの間にかアルヴィの右手には銀色の細剣が握られていた。

 それを高速で振り回し、徒党を切り刻んで行く。

 俺が慌てなかったのは、彼女の剣が薄皮一枚で徒党達の着ていた衣服だけを狙っていたからだ。

 

ヒュン、ヒュン、ヒュン!


 素早くアルヴィが剣を振るうと・・・その一瞬後、徒党の着ていた衣服は完全にバラバラとなって崩れ落ちる。

 

「うわっ!? ぎゃっ!」


 衣服があっという間に解体されて、半裸の男性の集団ができあがる。

 

「ひい~っ! お助けーっ!」


 格の違いを見せつけられた悪党達は逃走を選ぼうとするが、それでも蔓が絡まり行動の自由が利かない。

 あっという間に転んでしまう。

 そんな醜態を冷徹な目で見据えたアルヴィは強者の佇まいで悪党にこう述べた。

 

「悪党成敗ね。エルフを只の可愛い生物だと思って、舐めて貰っちゃダメよ。私達は魔物の住む森で生きているの。人間よりも強くて当たり前。強くて美しい生物なのよ!」

「ひぃぃ~っ!」


 逞しくそう述べるアルヴィの姿は冒険者の価値観である『力は正義』と似たものがあり、そして、彼女の根底にあるのはこの力・・・この力があるから、余裕で自分の魅力を見せているのだろうと悟る俺であったし、美女エルフがこの街にやってきて想定される騒動――不穏な男共からチョッカイを受ける事――をアルヴィは自らの実力を示すことで早々に回避したようである。

 つまり、彼女は自分の身は自分で守れることを証明したのだ。

 


アルヴィってどこから剣を出した? その秘密は来週明らかに!


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