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「あ、カロンさん?」




 翌日、すこーしだけパーティ戦の自信がついてログインすると、いきなりぴこーんとシステム音が鳴った。

 おお? なんぞなんぞ?

 首を傾げながらメールを確認すると、すき焼きさんからだった。


 すき焼き

 これからアトラ遺跡最終ボスの攻略に行くんだけど、扉前まで行けそうなら参加する気はあるか?

 エリスが人数合わせで誰かいないかって言ってるんだけど。

 嫌なら止めといた方が良いかも。


 アトラ遺跡……最終ってことは、昨日のあれか。

 てか、わりとベテランっぽい白百合ギルドでも未クリアだったのね。そっか、だから運営さんもレベル上限上げてきたのか。なるほどだなあ。

 とはいえ、このお誘いってどうなんだろう。カロンくんも一応レベルが上がったし、道化師の服を着込めばいけてなくもないと思うんだけど……でも止めた方が良いよね、たぶん。


 カロン

 扉前まで行けるけど、答はノーで。

 カロンくんだと力不足だと思うので、他の人を誘ってあげてください。

 お誘いありがとうでした。


 うっしゃ、これで返信だ。

 ていやっ!

 ――これで話は終わったと思って、メールウインドウを終了させてアヒル船長に乗り込んだ時だった。

 ぴこーんてシステム音がして、なんとボイスチャットの項目が点滅繰り返して光っているではありませんか。

 嫌だなあ、このタイミングだしなあ、としぶしぶボイスチャットをタップすると、『エリスからのボイスチャット申請を許可しますか?』だって。

 エリスっていうと白百合ギルドの治癒術士の彼女でしょ。

 うへえ。何かしらね、これ。

 嫌な予感しかしない。

「……あい?」

「あ、カロンさん?」

「そうですよー」

「今ちょっと時間良いですか?」

「まあ……」

「アトラ遺跡の最終までストーリーが進んでるって本当ですか?」

「たぶん……? あの、すごく大きな扉のとこですよね?」

「本当にあそこまで進んでいるんですか……」

 あー、あー、なんか変な反応をされているな。

 疑われているのか? ショック受けてるっぽい?

 何にしろ、良い感じはしない。

「今日は助っ人を頼んでアトラ最終に行く予定だったのに、参加者の一人がログインしてくれなくて困っています。一緒に行きませんか?」

「えっと。私じゃなくても、行きたい人はいっぱいいるんじゃないですかね」

「まだ一つ前の3ボスで詰まっている人が多いんですよ」

「そうなんですか……」

 てことは、やっぱ昨日一緒した五人がおかしいってこと!?

 だよねえ、あの人たち強すぎだよねえ。

 よくよく考えてみたら、高難易度エリアっぽいのにパーティに純粋な回復職がいないんだもん。しかも、カロンくんお荷物なのにがんがん狩りまくっててキラーなアリさんが木っ端微塵に粉砕されまくってたもん。頭おかし……いやいや、げふん。

「アトラ遺跡は、六人のフルパーティでしか入場できないので……できれば協力をお願いしたいんですけど無理でしようか?」

「あー……」

 そういや、ジョバンニさんがそんなこと言ってたわ。

 六人ねえ?

「たぶんその、踊り子だとお邪魔だと思うの、で、」

「いてくれるだけで良いですから!」

「ので、」

「お願いします!」

「……あい、参加します」

 気が付くと勢いに押されて承諾していたカロンくんの中の人。

 しつこくされるとそこまで言うのならって思ったりなんかして、ノーと断れなくなった日本人、それが私ですよ。

 参加することになっちゃったよ。

 さて、どうなることやら?




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