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スキル*




 ここで私が急いでするべきなのは、踊り子スキルの確認だろう。

 よく考えてみれば……というかよく考えなくても、私はこれまでスキルを使っていない。それどころか、どういうスキルがあるのかも知らない。あっれぇ? これってそういうゲームだっけ?

 そんなふうに思ったけど、今さら知らないとか本当のことは言えない。真相は隠すことに意味があるのだ!

 お姉さんことエリスさんと一緒に、どこぞへと向かいながら、慌ててステータスウインドウを確認するカロンくんの中の人。

 あ、移動中なんだけど、さすがにカロンくんを良く思っていないっぽいエリスさんの前ではアヒル船長を封印してますです。

 余計なトラブル回避はしておいて損はないからね。


 カロン 踊り子レベル1

 体力24 魔力12

 物理防御5(+8) 魔法防御5(+17)

 物理攻撃1(+1) 魔法攻撃1

 活力3 生命7

 器用2 俊敏2

 知力2(+5) 信仰4

 幸運12(+20)


 スキル

 情熱ダンス 消費体力10% 効果時間60秒 再詠唱時間120秒

 効果 パーティ全体に物理攻撃+5% 魔法攻撃+5%

 思い出ダンス 消費魔力10% 効果時間60秒 再詠唱時間120秒

 効果 パーティ全体の獲得経験値がランダム1~30%上昇


 ……え?

 これだけ?

 ちょいとお待ちよ、ゲームの開発さんや?

 踊り子はまともに武器も持てないってのに、攻撃はどうしたら良いんですかねえ。しかも攻撃力+5%って……カロンくんの攻撃力1に+5%はどう見ても意味がないっていうか……そりゃ、踊ってたら自分には効果かからないだろうけどさあ。

 これ、攻撃力が30くらいあってもやっぱり意味がないよね? 100あってやっと+5なんだぜ……。

 驚愕の事実におののいているうちに、お姉さんのギルメンとやらと合流。ギルド名は「白百合しらゆり」だって。カロンくん以外は全員お揃いで、小さな疎外感を覚える。

 パーティ申請が飛んで来たから、もちろん同意する。

 さってと、パーティメンバーはというと……?


 エリス 治療術士レベル22

 すき焼き 魔道書術士レベル30

 ちょび 盾騎士レベル29

 カロン 踊り子レベル1


 おうふっ。

 これ、私は完全に場違いですね。

 ゲームのサービスが開始されてから半年も過ぎてるんだし、わかってるつもりだったけど、さすがにこれは……予想外。

 私は普通に遊べるようになれるのかなあ。ちょっと不安。

 六人パーティ制なのにカロンくんを含めても四人しかいないのは、もしかしてカロンくんがネックになっているとか、そういう……ええい、気にしたら負けだ! 強気でいこうそうしよう。

「こばはー! よろしくお願いします!」

 右手挙げからの、あざといポーズ!

 よし、決まった。

「おー、マジでノームか。しかも、踊り子。久々に見たわ」

 と、ヒューマンの盾騎士さん。

「だから私は本当だって言ったでしょう。嘘つき呼ばわりするんだから、もう」

 エルフで美人なエリスさんが答えて。

「よろしくなー、ちび!」

 最後に魔道書術士さんだった。

「すき焼きさんも、ノームだ!」

 そう、魔道書術士さんはカロンくんと同じノームだった。自分以外で初めて見たよ。

 しかも、ツインテールの女の子だった。

「おー、目線が合うじゃん」

「こばはー!」

 カロンくん、右手挙げあさといポーズ!

 すると、すき焼きさんも魔道書を持ち上げて、ポーズ!

 あ、すき焼きさんのポーズもかわいいな。目の保養だわ。

「狩り場は、イチカドの手前でいいよな?」

「そうですね。実質三人だしあそこしかないでしょう」

「おれも、さんせーい」

 ちょびさんの確認にエリスさんが頷いて、最後にすき焼きさんが同意する。

「………………」

 初心者だから。狩場に行くのが初めてだから。

 もっともらしい理由を考えるのなら、いくらでもあるのだろう。でもだからといって、一人だけ確認すらされなかった事実を私はどう理解するべきなのか。

 カロンくんは、完全に蚊帳の外でしたよ?

 うーん。これで良いのかなあ。




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