プロローグ 帰還
「おかしい、絶対おかしい!なんであいつがこの街の王をやってんだよ!」
俺達はカルシナシティの魔法協会によってキングフロッグの討伐金とドリー盗賊団の賞金を頂いてシアラルスにテレポートで帰るところだ。
「やっぱり成功してる人は違うわねー!初めて会った時も何か大人の余裕ってのがあったしね」
「あいつは俺と同じ年齢だぞ」
「なら尚更ね」
「な!?俺があいつより子供だっていうのか!?」
「そんな事言ってないわよ。でもそうねえ……」
するとミノルが俺をじっと見つめる。
「何だよ?」
「…………ふっ!」
「おい今鼻で笑ったろ!歯あ食いしばれ!目に冷気かけてやる!」
「やってみなさいよ!だったら私はかつの顔ごと凍らせてやるわ!」
俺がミノルと取っ組み合いをしているとデビが急に突っかかってきた。
「何じゃ何じゃ?面白そうなことしておるのう。妾も混ぜろ!」
そう言ってデビが俺達の間に飛び込んで来た。
「わ、馬鹿お前!遊んでるんじゃ無いんだぞ!」
「ちょ、かつ!変なところ触らないでよ!」
「俺じゃない!デビだろ!おいこら!暴れるな!」
「皆さん、遊んでないでシアラルスまでテレポートしますよ」
するとリドルが早速テレポートの準備をする。
「ちょっと待てリドル!まだ体制が――――」
「テレポート!!」
またたく間に光に包み込まれる。
「まぶしっ!」
その光はすぐに消え気づけば人に囲まれながら道の真ん中に取っ組み合った形でついてしまった。
「え、えっと………」
「朝から元気ねあなた達」
そんな最悪の形で俺達はシアラルスに帰ってきた。




