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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第五章 金と欲望の街カルシナシティ
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その九 日本と似たご飯

「かつーー!!朝だぞー!!」


足音を立てながら近づいてくる音で俺は目を覚ました。


「ん?………朝っぱらから騒々しいな………」


すると俺が起き上がると同時にドアが開き何かが飛び込んできた。


「ぐぅわ―――!!な、何だ!?」

「かつ!朝だぞ!はよう起きろ!」


それは満面の笑みで朝の出迎えをして来たデビだった。


「お前急に飛び込んでくんなよ。岩が飛んできたと思ったぞ」

「まぁ、良いではないか」

「ちょっとデビちゃん!かつまだ寝てるんだから静かに――――ってもう起きてたか」


ミノルはデビを追いかけていたのか少し額に汗が見える。


「おかげさまでな。おはようミノル」

「おはようかつ。リドルが下で待ってるわ。朝食食べに行きましょう」


時計を見てみるとすでに時刻は1時を過ぎていた。


「ま、もう朝食かどうかわ微妙だけどね」

「こんな時間まで寝てたのか」


すると俺の膝の上に未だ乗ってるデビが顔をこちらに向けてきた。


「かつは体ボロボロだったしのう。ま、妾たちをまたせた分食べ物で返してもらうぞ」

「えー!俺そんな金持ってないぞ」

「じゃあ借金じゃな」

「おい、それはまじでやめてくれ」


するとミノルが不思議そうにこちらを見つめる。


「2人共、そんなに仲良かったっけ?」


俺達はお互いを見つめ合い、同時に


「「別に!」」


そう言い放った。


「そ、そう……それじゃあ行きましょうか」


俺はすぐにデビを降ろしベットから降りてすぐに階段を降りていった。

下に降りてみるとリドルがいると言っていたが姿が見えない。


「なあ、ミノル。下にリドルが居るんじゃなかったのか」

「そのつもりだったんだけど………あ!あそこにいたわ!」


するとリドルがここの受付の人らしき人と話していた。


「おーい!リドル!もう行くぞ!」

「――――っ!分かりました!すみません、それでは」


話していた人に軽く頭を下げ、こっちに向かって来た。


「かつさん、おはようございます。疲れはとれましたか?」

「おはよう。かなり寝たおかげでだいぶとれたよ」


まあ、実は少し腹が痛むけど内緒にしとこう。


「それは良かったです。これからご飯を食べに行こうと思うんですがどこか行きたいところはありますか?」

「妾は美味しければどこでも良いぞ」

「私はここあまり詳しく知らないから任せるわ」


当然のようにみんなおまかせ状態になってしまった。

まあ、俺も店知らないから任せるしかないんだけど。


「そうだと思って先程受付の人に聞いてきましたよ。ここから5分の所に美味しいご飯屋さんがあるので行ってみましょう」


さっき話してたのはそういう事だったのか。


「リドル、お前って優秀だな」

「?ありがとうございます……」


俺は改めてリドルを褒めてその場所に向かった。


―――――――――――――

「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ!」


店に入った瞬間自由席と言われた俺達は出口から近い場所を選んだ。


「さあ〜て、どれにしようかなぁー」


俺は紙に書かれたメニュー表に気になるものがあった。


「なあミノル。このカメライスってもしかしてご飯か?」

「ええそうよ」


マジか!

白飯は無かったからここにはないのかと思ってたけどちゃんとここでも食えるのか。


「じゃあ俺はこのカメライスとキャラガの唐揚げ定食で!」

「私はマルマルのスパゲッティーで!」

「僕はネッキマグマのカレーライスで」

「妾はこっからここまで全部くれい!」


1人やばいやつがいたが、みんなの頼んだものすべて俺が日本で聞いたことがあるワードばかりだ。

もしかしたらこの店も風間がなにかしたのか。

駄目だな、この件が終わったらもうこの街から出よう。


「お待たせしました!カメライスとギャラガの唐揚げ定食とマルマルのスパゲッティとネッキマグマのカレーライスです!」


曲芸並みに上手く腕や手を使いながら料理を運んできた。


「あ、ありがとうございます」

「それじゃあ後ほどまた料理を持ってきますね」


そういえばデビが金持ちがやる頼み方してたな。

こいつのせいで今厨房は忙しい事になってそうだな。


「にしてもこれが異世界のご飯か……」


見た目は真っ白く小さな粒で日本と遜色ないように見える。


「さてさて味はどうかなと」


俺は箸でご飯を取りそれを口の中に運んだ。


「うん!うまい!」


つぶつぶとしか食感ともちっとした柔らかさがあってうまい!

日本のご飯の食感とは違うがこれはこれでうまいな!


「いや〜、異世界様々だな」


俺は唐揚げとご飯を一緒に入れる。

やっぱり美味いな!


「お待たせしましたー!」


先程よりも圧倒的に多い量を体に乗せてきた。


「え、ええ!だ、大丈夫ですか!?」

「はい、大丈夫なんですが、ちょっと料理置いてもらってもいいですか?」


それって大丈夫じゃないんじゃ……

そう思いながらも俺達は料理を机に置いた。


「すみません。お手を煩わせてしまって。それではこちらがレシートになります」


それは異世界語で書かれた日本でも馴染みのレシートだった。

やっぱり風間が関係してるな。


「やってきたようじゃな。それじゃあ頂くとしようか!」


そう言うとデビは目にも止まらぬ速さでご飯を食べ勧めていく。

どうやって食ってんだ。


「そういえばこれからどうするか決まってるのか」


ミノルは、一旦口にふくんだ食べ物を飲み込んでから話した。


「ん……ごくん。えっとね、これからまず魔道具店をはしごするわよ」

「魔道具店を?」


するとリドルが何か知ってるようで、話に入って来た。


「実はかつさんが居ない時に決めてたんですけど、ある魔道具が必要みたいで」

「ある魔道具?それってなんだよ」

「それは見てからのお楽しみ。それじゃあそろそろ行きましょうか」


そう言って食べ終わった皿をきれいに重ねる。


「ちょっと待てまだデビが――――」

「よし!それじゃあ行くとしようか」


するとデビの皿にはもうすでに料理はなくきれいに完食状態だった。


「ええええ!?はや!どんだけ早いんだよ!」

「別にいいじゃろ。妾は食べるのが早いのじゃ」


早いってレベルじゃない気がするけど。


「まあ、デビちゃんがそれで満足ならいいんじゃないの」

「そう言うもんなのかな」


俺達が話をしている間にリドルが居なくなってるのに気付いた。


「あれ?リドルが居ないな」


そんな話をしているとちょうどリドルが帰ってきた。


「リドルどこ行ってたんだよ」

「会計を済ませてきました。もう出れますよ」

「え?もう済ませたのか」

「はい」

「ごめんリドル、ひとりで払わせちゃって」

「大丈夫ですよ。それに今お2人ともあまり金銭面では裕福じゃないでしょうし」


何かものすごくできる男に見えてきた。


「それじゃあ早速行くとしようか!」


リドルの大人の対応に少し情けなさを感じながら俺は店を後にした。



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