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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その九十四 最強はいただくぜ

ガイスとの決戦最後の会議――――――――――――――――


「俺はこの戦いで死ぬつもりだ」


話し合っている最中にガルアはそんな事を呟いた。

俺はそれを聞いてあの時の戦いを思い出してしまう。


「それってコアとの戦いを今回も使うってことか」

「そう言う事だ」

「何だ何だ、一体何の話だよ」

「説明してくれるか、ガルア」


ブライドの言葉にガルアは頷いた。


「俺とかつはコアに勝利する為に一時的にかつを殺した。奴の魔法で死んだことに見せかけてな」

「それが思いのほかハマってな。時間が経てば経つほど、その効果は大きくなっていくはずだ」


俺も限界まで姿を隠し続けておかげでコアには完全に俺が死んだと思わせられた。

自分の力に絶対的な自信があるからこそ、殺したことを確信する。


「なるほど、戦術としてはありだな。ガルアが後ほど奇襲として王の領域を当てられれば、形勢は一気に逆転する」

「ちょっと待て、俺はあまりいいとは思えない。どれくらいの間姿を隠し続けるつもりだ。俺達がサポートをするにしたってガルアを戦力から一時的に外すのは自殺行為だ」

「別に俺は良いぜ。ガルアが居なくても戦えるからね」

「調子に乗るんじゃないわよ。あんたの魔法なんて、一切効かないんだから」

「俺のオリジナル魔法は最強だ!さっきだって俺の事を」

「二人とも落ち着いて、とにかくガルア様が一時的に前線を引くは僕はありだと思うな」


皆ガルアが前線を引くことに対して意見が分かれているな。

確かにガルアは貴重な戦力だ。

魔力レベルを下げると言う異質な力は何としても使って行きたい。

だけどそれを隠しておくことで、さらに効力を発揮する事も出来る。

実際コアとの戦いの時は俺のインパクトが最大限の形で放つことが出来た。


「お前ら一旦落ち着け。とにかく話を纏めよう、ガルアが一時的に前線を引くことに対して意見が割れている所だが、正直な所かつが現れない以上優先的に警戒されるのはガルアだ。その警戒心を完全に解かせる事が出来るのは、かなりデカイ」

「という事はその作戦に賛成ってことね」

「ああ、だが現れるタイミングについては最低でも残り二十分になった時だ。それまでは何があっても入れ替わるな。残り二十分になったら適切なタイミングで、最初の時と同様に入れ替わりで現れろ」

「何があってもか?」

「ああ、たとえ誰が死のうともな」


————————————————————

「ガルア様!」

「ガル――――――」

「王の領域!」


俺は間髪入れずにオリジナル魔法を展開させる。

そしてそれと同時に周囲に岩の壁を展開させた。

ブライド、あの時お前は自身を入れ替わりの候補として立候補した。

この展開を予想していたのだとしたら、お前は最初から死に場所を求めていたのか。

それら俺は王として、その命を無駄にはしない!


「ぐふっ!?」

「うおおおおおお!」


俺は目の前に居るガイスを全力で殴り飛ばす。

魔法を使うわけにはいかない。

島のマナはほとんどない状態、自然回復はもうない。

魔力が尽きればその時点でもう二度と魔法は使えないだろう。

だからこそむやみやたらに使うわけにはいかない。


「全く、自分に対して怒りを覚えるよ!仲間が死んでいるのに、ただ指を加えて見ている事しか出来ない何てな」

「このっ!」

「させねえよ!これ以上、テメエに仲間を殺させない!王として、テメエをここで殺す!」


相手に手を出させない様に絶え間なく攻撃をし続ける。

怪我をしている部分を的確に攻撃し、動きを鈍らせる。


「ここからテメエのターンはねえぞ。ずっと俺達のターンだ!」

「があっ!」

『こいつ、的確に傷口を狙ってきやがる。そもそもこの程度の殴打、普段の俺なら簡単に対処できたはずだ。だが奴に受けた弾丸による傷が俺の体を鈍らせる。しかも周りに岩壁があるせいで魔法陣から逃げることが敵わない。いや、これも普段の俺なら素手で破壊出来た。怪我さえしてなければ』

「調子に、乗るな!」


ガイスは反撃して来ようと、拳を繰り出そうとするが俺は咄嗟に身をかがめて低い姿勢になる。

そして上空に向かって魔法を放つ。


「炎撃」

「――――――っ!」

『これは、まずい。魔力レベルの低下による強力な魔法の一撃。意識が、飛ぶ!』


「もう一撃!」


こいつはもう満身創痍!

ここまであいつらが繋いでくれた、この島の人々が安心して暮らして行けるように。

争いのない、自由で平和な島を取り戻す為にも。

願いは一つだ、たった一つの事に命を捧げてきた。

こいつに勝つ、その為にここまでやってきた。

その全てを俺が無駄にはさせない。


「この裏切り者がああああ!」

「っ!?」


一瞬、目を疑った。

満身創痍の体で、目で追えない程の速度で俺の体がいつの間にか岩ごと吹き飛ばされていた。


「がああっ!」


体は空中を飛び、そのまま地面に落ちる。

油断した、あの体でまだそこまで動けるなんて。

意識を失うな、王の領域を解除させるな。

まだ終わっていない。


「はあ、はあ‥‥‥」

『領域が解除されない。まだ意識を失っていないのか。なぜ、ここまで追い詰められている。あいつら一人一人、俺ほどの力はないはずだ。それなのにいつの間にかこれほど、追い詰められている。そもそもあの男が最大の源魔弾をその身で引き受けたのがよくなかった。それが無ければ、ここまで長引く必要も無かったのだ』

「とにかく、ここを離れなければ」

『先程開いた穴から抜け出せば、もう奴は王の領域を展開できないはずだ。そうすれば源魔弾ですべてを終わらせる』


ガイスは俺が吹き飛ばされた穴に向かって駆け出そうとする。


「この時を待ってたぜ!最強!俺の一撃を喰らいやがれ」

「っ!」


この中で最も高火力の魔法を持つ奴。

それはお前だ、ガイ。

今まで雷の魔法を使い、そしてそれを溜めて来た。

全てをぶつけろ。


「エネルギー充填、二百パーセント!さすがに俺も意識が飛びそうだ!」

「ちっ!」


ガイスはいち早く王の領域から出ようとする。

まずい、発射までまだ時間がある。

何とか止めねえと。


「っがぁ!?」


その時、何処からか破裂音が響き渡ると何かがガイスの足を貫いた。

これは、スナイパーライフルの音。

まさか、ナズミが。


「まだ生きていたのか、あの女アアア!!」

「ガイさん、今です!」

「分かってる!最強の称号は貰うぞ!」

「ぶちかましなさい!」

「決めろ、ガイ!」

「頑張って‥‥‥」

「喰らえや!電磁波砲!」


強力な雷を纏った極太のレーザー砲がガイスに向かって放たれる。

だがガイスは咄嗟に地面を蹴って、空中でその一撃を避けた。


「なっ!?」

「大人しく喰らうと思ったか!」


まだ動ける片足を使ったのか。


「ふっ逃げられると思ったのか」


その時、通りすぎたレールガンが大きく反ってガイスの元へと戻って行く。


「百発百中だ」

「この死にぞこないが!!」


そしてガイスの体に最強の一撃が直撃した。



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