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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その六十八 天才×天才

臨時休憩所


先に飛び出して行ったナズミさんの後に続いて、マイトさんがメメさんを回収して戻って来た。

そして血だらけになっているメメさんを見てクリシナさんとブライドさんが急いで駆け寄る。


「メメ!!」

「よかった、無事みたいね」

「何処をどう見たらこれで無事に見えるのだよ」

「そう言う事が言えちゃう所よ。こっちに来て、私の魔法で治療するわ」

「ストックはあるのか?」

「二つ空きは出来たわ。私も休憩して魔力も回復したから平気よ。ほら、こっちに来て」

「変な所触るななのだよ」

「でも抵抗できないでしょー」


クリシナさんは不満そうなメメさんを抱きかかえる。


「メメさん、ナズミさんはどうでした。例の物は渡したんですか?」

「もちろんなのだよ。今、ナズミは博士の渡した武器でガイスと戦っているのだよ」

「実際の所、その武器って本当につええのか?何か、銃って言ってたけど」

「もちろん強いのだよ。デュラと博士で共同で作った最高傑作なのだよ。だけど、飛び道具だからね、流れ弾の危険性もあるから一人の状況っての得策なのだよ」

「でも本当にそうなのか。銃って遠距離からの攻撃に特化してるんだろ?詰められたらまずいんじゃないのか」

「私も銃撃てるよ、パンパン!」


そう言ってメイさんは輪ゴムを指で飛ばしてハイトさんの顔に当てる。


「メイ、やめなさい」

「あれ?ハイっちおこなの」

「誰かこいつをつまみ出せ」

「はいはい、こっちに行ってようね」


そう言われてぺプロさんはメイさんを連れて行った。


「たしかにただの銃なら近接にはあまり向かないのだよ。でも、あれはただの銃じゃないのだよ。様々な状況に対して変化できる、魔銃なのだよ」

「そろそろいいわよね」


クリシナさんはメメさんを連れて奥へと言った。

そして残された僕達はミレイさんの話を聞く。


「先にナズミに行かせたのはそう言う訳だ。今のナズミならガイスに一泡吹かせることが出来るだろう」

「でも、倒されるまでには至らないと言う事ですね」

「ああ、それがメメ博士の選択のようだ。だから先にナズミを行かせて、弱った所を残りの者達で叩く。分かっているだろう、源魔石の完全なチャージまでもう間もなくだ。すでに一時間を切った。この段階に入れば島全体を覆うマナの数は減少しだす。魔力の回復も落ちていくだろう」

「という事は魔法の使い方もより限られてくると言う事ですね」

「切り札は本当の時に残しておくと言い。私も最後の時まで魔力を温存していく」

「分かりました。それじゃあ、ナズミさんの攻撃が終わったら次は僕達の番です」


——————————————————————


「魔銃か‥‥‥未来の技術と最先端の魔法による最新鋭の武器か」


ガイスは私の銃を凝視する。

天才的な頭脳を持つメメ博士と凄腕の魔法技術を持っているデュラさんが作ったこの武器なら、ガイスに一泡吹かせられる。

先ずは使い方を思い出さないと。

私はレプリカを渡された時の事を思い出す。


———————————————————————

「レプリカが出来た?」


私はメメ博士に呼ばれたことで部屋に訪れる。

すると疲れた顔で待っていたメメ博士と目が合う。


「やあ、よく来てくれたのだよ」

「メメ博士大丈夫ですか?すごい顔が疲れてますけど」

「大丈夫なのだよ。ここ最近色々な物の製作をしてたからね、ちょっと眠気が来ているだけだよ」

「いつ頃寝たんですか」

「そういうのはもう考えない様にしているのだよ」


そう言ってメメ博士は移動すると一つの巨大な筒を手にしていた。


「さっそく使って見るのだよ」

「完成したんですか?」

「いや、これは試作品なのだよ。まずはそれを使って見て、その結果を参考に最終的に完成させるのだよ」

「え?そんなギリギリで大丈夫なんですか?これからは決戦が始まりますよね。作っている余裕はないんじゃないんですか?」

「大丈夫なのだよ。もうほぼ完成していると言ってもいいのだよ、これは最終調整なのだよ。その為の射撃練習なのだよ」

「分かりました」


私はその大筒を受け取ると、それをまじまじと見る。

形は本当に真っ白なただの筒、銃を作ると言ってたけどこれでは大砲なのでは?


「大砲なんじゃないかと思っているのだろ」

「え?まあそうですね。見た目はただの大筒ですから」

「それを君が持っているその魔剣に接続して見るのだよ」

「魔剣ですか」


私はその懐に入れていた魔剣を手に取る。

よく見て見れば筒の下に接続部分がある。

ここに入れればいいのかな。

私はそこの部分に魔剣を突き刺した。

その瞬間、起動音のような物が聞こえたと同時に紫色に発光した。


「これは‥‥‥」

「それは今魔砲モードなのだよ」

「魔法ですか?」

「ああ、マジックじゃなくてマジックキャノンという意味なのだよ」

「なるほど、そう言う意味ですか」

「横にある縁を触ってみるのだよ」


私は言われた通り横の縁に触る。

すると何かダイヤルのような物が映った。


「これで何か出来るんですか」

「モードを変えられるのだよ」


—————————————————

モードチェンジ、縁に触れればそれを行う事が出来る。


『いつの間にかあの女の姿が見えなくなったな。回収されたか、まああの致命傷だ。助かりはしないだろう』

「他の仲間は来ないのか。お前が回復していると言う事は他の奴らもそうなんだろ?なぜ一人で来た」

「メメ博士に随分と痛めつけられたようですね。虚勢を張っていても分かりますよ。重心が安定していません。傷つけられた体はすぐには回復しませんから」

「‥‥‥」


ガイスは黙ったまま何も言わない。

やっぱり図星なんでしょうね。

ここで何とか食い止めないと、メメ博士が繋いでくれたバトンを私が受け取る番だから。


「行きます」


セットした魔剣に力を込める。

エネルギーは私の魔力、魔剣と使い方はほとんど変わらない。

だけど違うのは出現する物が違う。


「魔砲発射!!」

「っ!」


ガイスに狙いを定めて魔砲発射した。

魔力で構成されたその弾はガイスへとまっすぐ向かう。

ガイスはその弾をしっかりと見ると体を横に曲げて、その弾を回避しようとする。


「っ!?」


だがその弾はガイスの横を通り過ぎたと瞬間、急カーブした。

そしてガイスに着弾した。


「ぐっ!」


巨大な爆発と共に雷が四方の飛び散る。

そしてガイスの体が傾いた。


「油断しましたね。私の弾は魔力で構成されています。残念ですけど、弾は自在に動かせますよ」


それでもかなり集中力は要りますけどね。

魔剣と要領は一緒なのでいきなりでも何とか上手くは出来ました。


「不可思議だな」

『これが奴の魔力で構成されているのなら、ただ弾が当たっただけではそれ程のダメージにはならないはずだ。もしくはあの魔砲に別の効果があるのか』


「ぼーっとしていてどうしたんですか。もしくはさっきの一撃でもう参っちゃいましたか」

「なんてことはない。火力も俺が予想していた物よりも弱いからな」

「そうですか、なら次はどうですかね」


魔力を込める、さっきよりもより多く。

設定は炎の一点集中、爆発はさっきよりも多くそして火力も高い。


「行きます、魔砲発射!!」


再びガイスに狙いを定めて砲撃を発射した。

ガイスは今度は魔法陣を展開させて応戦する。


「いくら弾の威力が高くても当たらなければ意味ないだろう」


弾を破壊させようと巨大な炎の塊が近づいて来るが、弾はその魔法をギリギリで回避した。


「まっそうなるかならこれならどうだ」


すると今度は風と雷と岩がその弾を破壊しようと襲い掛かって来る。

だが弾はさらにスピードを速めて突っ込んでくると、次々と魔法を回避していく。


「何だと!?」

『すべて交わされた。あれほどの大規模の魔法をすべて手動で避けることが可能なのか。この動きはまるで』


すると全ての魔法を交わしてきた弾がガイスの元へと迫って来る。


「ちっ」


ガイスは咄嗟に切り替えでその弾を破壊しようとしたが、その背後にある存在に気付いた。

その後ろにはさらに二つの弾がガイスの背後に飛んできていた。

それに気づくのが遅れたガイスが直撃を受けて巨大な爆発が起こった。

よかった、前方に注意を向けさせて背後の弾の注意を背けることに成功した。


「まさか嘘をついたのか」


ガイスは煙の中から飛び出すと私を睨みつける。


「嘘はついていませんよ。動かせるのは本当ですし、実際あの時弾を動かしてぶつけましたから。ただ弾は自動的に魔法を回避するだけです」


マイトさんのオリジナル魔法を応用して作りましたからね。

それにしても思ったよりもガイスの傷が浅いです。

でも右手の傷が酷いですね。

もしかして切り替えで直撃を避けたんでしょうか。


「そう言う事か。魔法を込めた弾、着弾した時の副次効果も俺の動きを止めるには十分」

「それと弾切れも無いですよ」

「だが魔力切れはあるだろう。それとその武器を破壊すればお前はもう対抗手段はない」

「残念ですけど、まだまだこの魔銃の真髄は見せてはいないですよ」


そう言って私は魔銃の縁に手を添えた。



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