その六十五 未来の技術
『戦闘モード起動!全出力制限解除!』
『了解!』
メメの命令によってリツとマキノは目の前にあるボタンを弄り始める。
そしてモニターに表示されたる了承を認証すると、次々と数字とガイスの詳細なデータが表示される。
「さてと鉄くず、せっかく俺が相手をしてやるんだ。少しは楽しませてくれよ。なんせお前らを破壊した後、あの逃げた奴らの掃除も残ってるんだからな」
『残念だけど、それは無理なのだよ。このマジックキラーマークⅢが!』
「一つ忠告しておく。その名称はダサいからやめた方がいいぞ」
『なっ!?博士が付けた名前をダサいと言うのか。失礼なのだよ』
『そうだよ~失礼だよ~』
『正直私は同意ですけど』
『なっそう思ってのか?』
「ふざけている場合か。来ないならこっちから行くぞ」
その瞬間、ガイスが五つの魔法陣を展開される。
そのどれもが災害級の強力な魔法だった。
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『魔法遮断シールド展開!』
『りょうか~い』
リツが操作をすると右腕からシールドが出現し、迫りくる魔法に対して身構える。
メメは機体の頭部に搭乗し、リツとマキノはそれぞれ右腕と左腕に搭乗しそれぞれの役割ごとに操作をする。
メメは状況に応じて指令、及び操縦の役目でリツは防御担当、マキノは攻撃担当となっている。
『来るぞ、構えるのだよ!』
魔法が衝突する瞬間、ロボットに衝撃が走る。
シールドが魔法に衝突する度に光が強くなっていく。
『シールド限界値~到達~これ以上は~持たないよ~』
『五秒後に後方に大きく引くのだよ!その時に追尾弾を発射して!』
『了解』
魔法が絶え間なく襲い掛かってくる中、きっかり五秒後に後方に飛ぶ。
その時にシールドを解除するとバックパックから砲台が出現して、そこから三発の追尾弾が発射される。
そしてそれが魔法にぶつかると激しい閃光と共に魔法自体が消滅した。
「またそれか、俺の魔法を吸収する弾。やはりあいつらはそこまでの研究をしていたのか」
『追尾弾、残り残弾数六発。あまり多くは使えませんよ』
『分かってるのだよ。砲台を収納してエネルギーソードを使って』
『了解!』
左腕に高出力のエネルギービームソードを握りしめる。
その時にリツはある違和感に気付いた。
『ガイスの居場所は!?』
『索敵レーダーから消失しました!』
『魔法を放った時に上手く隠れたのだよ。周囲をもう一度スキャンして』
『りょうか~い』
リツは周囲をもう一度スキャンを始めるとその位置が特定された。
『位置は‥‥‥上空!』
すぐに上空を見た瞬間、巨大な隕石が真上に落ちて来る。
『マキノ!』
『分かってる!』
それがぶつかる直前そのビームソードを振り下ろす。
すると岩が真っ二つに裂けた。
『飛ぶよ!みんなしっかり掴まってるのだよ!』
メメはすぐさまバックパックから噴射口が出現するとそこから大きな光と共に体が宙に浮く。
そして一気に飛び立つとガイスの元へと向かう。
「ははっ!空も飛ぶか!だがそれ程のエネルギーを長時間維持は出来ないだろう。後どれだけ戦えるんだ!」
それを聞いてメメはちらりと横のモニターを確認する。
稼働時間残り三分五十四秒
『あまり長くは持たないのだよ。皆、短期決戦で行くから!』
『分かってますよ!おらあああ!』
真っ直ぐ突っ込んでいくとそのビームソードを振り下ろす。
「ディザスタ―スキャッタリングサンダー!」
四方八方に散らばった雷が襲い掛かって来る。
だがその全てをビームソードで切り裂いて行く。
雷は消滅し、ロボットはガイスの元へと瞬時に向かってくる。
「俺の魔法を‥‥‥ちっ」
そしてすぐさま五つの魔法陣を展開させるが、その全てをビームソードで切り裂いて行く。
「何!?」
『喰らいなさい!』
ガイスに向かってビームソードが振り下ろされる。
だがガイスはギリギリの所でそれを回避すると地面に落ちていく。
そしてそのままロボットも勢いよく落ちていくとガイスが落ちた場所に勢いよく着地する。
それにより地面に大きな風穴が開く。
『逃げられたのだよ』
「俺の魔法を切り裂くとは、なるほど少々厄介のようだな」
『少々どころじゃないのだよ!』
駆動時間残り二分三十秒
『みんな!時間はないのだよ、早急に対処する!』
『分かった~』
『了解です!』
「悪いがこれ以上は時間をかける必要はないな」
その時巨大な魔法陣が出現した。
『あれは源魔弾です!』
『超高魔力~あれは防げないね~』
『分かってるのだよ。エネルギー吸収装置の残量は!』
『残量は残り二十八パーセント!全部吸収するのは無理ですよ』
『装備変形!コードジャイアント!』
『分かりました!コードを認証!』
その瞬間、ロボットの体が大きく膨張する。
そしてビームソードを仕舞うと拳を強く握りしめた。
『エネルギー吸収個所を拳に集中させるのだよ!』
『わかった~エネルギー吸収機能を全装甲から右椀に変更~』
『了解!右椀の射出口解放!』
ロボットは握りしめた拳に閉じられている射出口を全部開く。
そこから高出力のエネルギーを込めた一撃が拳を振った瞬間に射出される。
「源魔弾!」
『ビッグブラスト!』
巨大な魔法が迫りくる中、その拳が衝突する事でギリギリの所で源魔弾が止まる。
「ほう、俺の一撃を受け止めるか。だがまだまだだぞ!」
その瞬間、さらに強い魔力がロボットに襲い掛かる。
それにより拳にひびが入る。
『エネルギー吸収率百パーセント、百十パーセント、百二十パーセント、上限突破これ以上は装置が持たないよ~』
『エネルギー放出と併用させるのだよ!』
『りょうか~い』
リツはすぐに操作をしてエネルギー放出を開始させる。
すると拳から放たれたエネルギー量がさらに増していき、源魔弾を徐々に押していく。
「たかが鉄くずかと思ったら中々やるじゃないか。だがこれで終わりだろう」
さらに魔力を込めると源魔弾の威力が跳ね上がる。
それを受けているロボットの機体が徐々に押され始める。
『エネルギー過多!これ以上は持たないよ!』
『エネルギー吸収が~放出を~上回ってるよ~』
『ていうか威力が高すぎて機体が後退し始めてます!このままじゃ吹っ飛びますよ!』
『バックパックを逆噴射させるのだよ!エネルギー吸収をそのまま続けて、重力波を展開させて!』
『りょうか~い、半径二キロメートルを重力波を放出~周囲の重力二ば~い』
リツはその機能を発動させた瞬間、周囲の物体が一気に地面に沈み込んでいく。
それはガイスも同様だった。
「うぐっ!?な、んだこれは」
ガイスが意識を逸らしたことで魔法の威力が少し落ちる。
その機械をメメは見逃しはしなかった。
『未だ!押し切るのだよ!』
『こんのおおおおおお!』
源魔弾を受け続けた拳を思いっきり振り下ろした瞬間、源魔弾がその場で消滅した。
それと同時に受けていた拳が熱暴走で煙を噴き上げていた。
『右拳大破、これ以上はもうまともに動かせないですね』
『エネルギー吸収装置も~エネルギー過多で~機能を停止~今後は~装甲の本来の機能を使うしかないね~』
『それでいいのだよ。まだ隠し玉はある。それよりも稼働時間は‥‥‥』
その時、ガイスが居た場所から大きな竜巻が発生する。
それによりガイスが重力波が届く場所まで飛んで行った。
「やってくれたな。まさか源魔弾を弾くとは、だがもう同じ手は出来ないみたいだな。俺の顔を地面に押し付けた報いを受けてもらうぞ」
稼働時間、残り一分
『さてと、そろそろ決めるのだよ』
 




