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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その六十四 魔法殺し

それは城程の大きさの巨体で、複数の機体を合わせた様なそんな歪な姿をしていた。


「これは一体‥‥‥」

『いやあ~無事に間に合って~よかったよ~』

『うえー気持ち悪い‥‥‥すごい揺れたんだけど』

「その声はリツさんとマキノさん!?お二人も乗ってるんですか」

「な、何だあれは‥‥‥」


その時、倒れていたガイさんがゆっくりと立ち上がる。


「ガイさん!動かないでください。ガイスの魔法を直撃したんですから」

「何てことねえよ。それよりもあいつは俺達の仲間なのか」

「はい、あの中にはメメさんとリツさんとマキノさんが居ます。おそらくあの三人があの機体を作ったんでしょう」

「あの中にあいつらが居るのね」


すると今度はピンカさんが起き上がる。

そして続々と皆さんが立ち上がって行く。


「こりゃまた珍妙なもんがきたね」

「すごいすごーい!あれって鉄人かな?」

「元気一杯ねあんた」


よかった、皆さん致命傷には至っていなかったようですね。

その時、吹き飛ばされたガイスが魔法陣を展開してこちらに放って来る。


『あぶない!魔法遮断シールド展開!』


巨大な嵐がこちらに直撃して来そうになった時、目の前に巨大な鉄人が現れると手にした盾でその魔法を受ける。


「す、すごいです。ガイスの魔法を受け止める何て」

「ただのガラクタが、調子に乗るな!!」


するとガイスは瞬時に三つの魔法陣を展開する。

そのどれもが災害級の魔法陣だった。


「メイさん!!」

『大丈夫なのだよ!このロボットはただのロボットじゃないのだよ!決戦直前に柱を護衛していたロボット達、その破壊された残骸をかき集めて一から再設計して作りあげた試行の作品!このロボットは対魔法対してのあらゆる対抗策が施されてる、その名もマジックキラーマークⅢ!』



そう機械的な音声が聞こえてくると、背中から何かが勢い良く出現する。

巨大な大筒が二つほど現れたと思ったら、そこから何かが勢いよく飛んで行く。

それが魔法に直撃した瞬間、一瞬空間がねじれるような現象が起きたと同時に魔法が消滅した。


「何だあれ、一体どうなってるんだ」

「魔法が来たと思ったら消えちゃった‥‥‥何だかクリシナさんのオリジナル魔法と似てるかも」

「でもクリシナさんとは違って」

「あれ?あれれれれ?」


その時、その光景を見ていたメイが不思議そうに首をかしげる。


「どうしたんですか、メイさん。何か気になる事があるんですか」

「あれって私が戦ったメカメカ君と同じだなーって思って」

「メイが戦ったって、柱を守っていた機械の事か?」

「そうだよ、カビッち。私が戦ったメカメカ君もあんな感じで魔法をなかったことにしちゃうの。でもすぐに消えたりはしなかったんだけど」

「その時はどうやって勝ったの?」

「えっとね、それよりも強いむぐ——————っ!」


その時、ぺプロさんはすぐにメイさんの口を塞いだ。


「そこまで、これ以上は相手に情報を与えるだけだから」

「むぐむごむぐ」

「抑えながら喋らないで」

「ただのガラクタだと思ったが、なるほどな。奴らの技術が搭載された兵器か。どうりで魔法の通りが悪いと思った」


そう言うとガイスは目の前のロボットと対峙する。


「それにしても作戦会議の時はそのロボットは破壊されて、利用するのは不可能だと言ってませんでしたか」

『そのまま利用するのは不可能だと言う事なのだよ。その前に様々な研究所で集めた材料で使わない物で、利用出来るものを厳選して戦場に残ったロボットの残骸を集めて作ったのだよ』

「そう言う事だったんですね」

『徹夜して作った上に、操縦までさせられるなんてスパルタすぎるんだけど』

『泣き言~言ってる~暇ないよ~』

『とにかくここは博士たちに任せるのだよ。君達は前線を離れるのだよ!』

「ですがそれをすればガイスの魔法が解除されてしまいます」


今の状態のガイスを解放するのはかなり危険です。

やはり僕だけでもここに残るべきでしょう。


『リドルもここを離れるのだよ。魔力もほとんど残ってないはず、それにこのロボットキラーマークⅢなら時間稼ぎなら容易いのだよ。むしろ倒してしまう可能性もあるのだよ』


確かに先程の動きを見るにガイスに対して前線をしていた。

僕達よりも勝算はあるのかもしれません。


「ですがせっかくオリジナル魔法を成功させたのに離れるなんて」


この状況はデュラさんが作ってくれたものだ、それをみすみす手放すのは正直言って賛成は出来ない。


『リドルの言いたい事は分かっているのだよ、でもここは任せてほしいのだよ。それに仲間の敵討ち位、この手でさせてほしい』

「メメさん‥‥‥」

「ここは‥‥‥任せよう‥‥‥」

「俺達には魔力がねえ。確かにここに居ても邪魔かもしれねえな」

「足手まといはごめんだね」

『ここから離れた場所に簡易的な回復のポーションと魔力が回復できる場所があるのだよ。そこで体を休めて』


離れた場所、なるほど戦いに巻き込まれずに体力を回復させる算段だったんですね。

最初から僕達が離れることを想定して。


「大人しく俺が逃がすと思ったか?」

『残念だけど、博士たちが相手の時点でそれは叶うのだよ!』


すると左手の手のひらから何かが出て来る。


『追尾弾!』


そして複数の弾が放出されるとそれがすべてガイスに向かってくる。


「ぬるいな」


するとガイスはその球を燃やし尽くそうと炎の魔法を放出する。

その直前に弾が放出されると、いくつものロープが出現するとそれが炎に触れた瞬間ガイスの体に巻き付く。


「何ッ!?」

『早く行って!』

「あとは頼みます!」


僕達はすぐに前線を後にしてその場から離れて行った。


———————————————————

仲間達が一斉に戦場から離れると拘束されたガイスは、氷の魔法でそのロープを破壊する。


「やってくれたな。だがお前の判断は悪手だな。これで思う存分戦えるぞ」

『分かっていないのだよ、君は。魔法を越えた科学の力を思う存分味わってみるのだよ!』

『味わって~』

『もうー!覚悟決めるしかないんですね!』

「その鉄くずと共にお前らも片付けてやる」



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