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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その五十九 道筋

「クリシナさん!」


カウンターによりさらに倍近く強くなった源魔弾がクリシナさんの元へと向かって行く。

あのままじゃ直撃してしまう。

でも今の僕には何も出来ない。

ブライドさんはすぐさま魔法陣を展開させようとするが、その前に源魔弾が直撃してしまう。

終わる、また一人仲間が奪われる。

そんなの絶対に嫌です、あんな思いはもう二度としたくない!

源魔弾を何とか僕のオリジナル魔法で無効化させる。

それしかない!

そう思い、魔法を放とうとしようとした時クリシナさんの目の前に小石が投げられる。


「っ!」

「チェンジ」


その瞬間、源魔弾とクリシナの間に突如ハイトが現れる。


「ハイト!?」

「誰だお前は」

「うおおおおお!」


突拍子もない出現に皆が呆気に取られていると、ハイトさんは源魔弾を全てその身に受ける。

源魔弾が直撃し、辺りに衝撃と風が吹き抜ける。

ハイトさん、あの一撃を生身で受ける何て。

おそらくあの小石と入れ替わってハイトさんは現れた。

ミレイさんのオリジナル魔法だろう、ミレイさんはこっちの状況を確認しながら身を隠している。

クリシナさんを助ける為にハイトさんにオリジナル魔法を施したんだ。

だけど生身で受けるのは流石に危険なのでは。

直撃したハイトさんの様子を固唾を飲んで見守ると、煙が晴れた先にハイトさんの姿があった。

頭から血を流し、よろめいては居たがしっかりと両足で立っていた。


「ハイトさん!よかった大丈夫だったんですね」

「当たり前だ。あれくらいじゃやられねえよ。だがさすがの威力だ、俺のオリジナル魔法でも多少のダメージは喰らっちまったか」


そう言うハイトさんの足元には魔法陣が展開されていた。

そう言えばハイトさんのオリジナル魔法はダメージの蓄積による貯め攻撃でした。


「助かったわ、ありがとうねハイト」

「邪魔が入ったか。あと少しで奴を殺せたんだがな」

「やられたらやり返すぜ。お前の殺意をそのままそっくりとな」

「何だと?」


その瞬間、ハイトさんの魔法陣が光り輝いた。


「全力倍返し!」


今まで蓄積された魔力がその時一気に解放される。


「なるほどダメージによる蓄積の解放か。だがどれだけ威力の高い魔法だろうが、意味がないと言う事を教えてやろう」


ハイトさんが魔法を放とうとする直前ガイスは巨大な魔法陣を展開させる。

あの魔法陣はカウンター、まさかハイトさんのオリジナル魔法を弾き飛ばすつもりか。


「ちっ厄介だなそれは」

「ハイト!そのまま放て」

「っ!分かった、任せたぞ!喰らえ、全力倍返し!」


ハイトさんはブライドさんを信じて、そのまま魔法を放った。

ガイスは気にすることなく巨大な魔法陣を展開させる。

あのままではカウンターが発動してしまいます、一体ブライドさんは何をしようとしているんでしょう。

そしてカウンターが発動する瞬間、その上から別の魔法陣が重なる。


「百発百中!」


ブライドさんはカウンターに必中効果を付与させる。

その瞬間、その魔法は急カーブしてガイスの元に向かって来る。


「そう来るか」


そう言うとガイスは向かってくる魔法に対して別の巨大な魔法陣を五つ展開させる。

そしてそれを一斉に放つがそれらすべてがハイトさんのオリジナル魔法に弾かれる。

あの程度じゃカウンターで倍になったハイトさんのオリジナル魔法には敵わない事は分かっているはず。

何か、別の狙いが。


「うぐっ!?」


その時近くから誰かのうめき声が聞こえて来る。

それと同時に先程の魔法が急に動きを変えた。

その方向に向くとサラさんがガイスによって捕まってしまっていた。


「サラさん!!」

「余計な真似をするなよ。ブライド、すぐに魔法を解除しろ。そしてリドルお前もだ、でなければこの女の首がへし折れるぞ」

「がっあああ!」


ガイスはサラさんの首を絞めて、僕達を脅してくる。


「まさかそんな卑怯な手を使う何て思いませんでしたよ。自ら力では敵わないと言ってるような物ですよ」

「これ以上時間をかけるのは無駄だと言う事だ。早くしろ、こいつもろとも魔法を喰らってもいいんだぞ」


ハイトさんのオリジナル魔法はガイスの元へと近付いている。

ぶつかるのも時間の問題ですね。

このままではサラさんまで巻き添えを喰らう事になります。

でも、魔法を解除すれば一瞬にして僕らはやられる。


「リドル」

「ブライドさん、僕はどうすれば」

「無視しろ」

「え?」


そう言いながらブライドさんはニヤリと笑みを浮かべる。

無視をしろって、でもこのままではサラさんが喰らってしまう。


「あんた、何か思い違いをしてるね」

「喋るな、早めに死にたいのか?」

「殺すなら、殺しな。でもね、忠告はしとくよ。あんた今赤っ恥をかいてるってことに気付いた方がいいよ」

「何だとっ!?」


その時サラさんはガイスに抱きついた。

自らガイスを逃がさんとするかのように。

その突然の行動にガイスは意表を突かれた時、そのオリジナル魔法は直撃した。

地面が揺れる程の衝撃が響く中、ガイスが居た場所にクレーターが出来ていた。


「がはっ!?」


流石のガイスもその一撃の直撃はダメージが合ったのか苦しそうな声を上げる。

そしてそこにはサラさんの姿が跡形もなく消えていた。


「自らを犠牲にした?いや、これは」

「そんな所で棒立ちでどうしたんだい?」


その時、後方からサラさんの声が聞こえて来た。


「サラさん!?さっきガイスに捕まっていたはずじゃ、いやもしかしてさっきのはコピー?」

「その通りさ。事前にコピーと入れ替わりをしててね。今現状、本物か偽物かここに居るメンバーがどれだか分らない状況だよ」


ツキノさんがコピーを複数作ったんだ。

なるほど、これなら周りを気にせずに済むし人質にされる心配もない。

ガイスはサラさんに対して鋭い視線を送ると口元を拭う。


「どうしたんだい、そんなに睨んで。自分の落ち度だろ、それとも騙されたことを認めたくない子供のような精神の持ち主なのかい。言っただろ、赤っ恥をかくことになるって」

「どいつもこいつも気に障る。やはり弱者は群れを成し、自分が強者だと思い込む。それが目障りで仕方がない。だからそうだな、先ずはその統率を崩すとするか」

「残念だけど、あんたのターンは一生来ないよ」


その時ガイスの周りに煙が立ち込める。

それは粘りっこく手で振り払おうとも掃えずに周りの景色をぼかし始める。


「夢幻の中の人形」

「っ景色が霞む‥‥‥なるほど視覚を奪い不意を付く作戦か。そちらも悟られることなく安全に攻撃が出来る。だがその強度はどれほどのもんか、試してみようか」


その瞬間、ガイスは巨大な魔法陣を展開させて風の魔法を発動させる。

だが煙はいくら吹き飛ばそうとその景色が変わる事はない。


「ここは現実と夢の狭間」

「何が起きているかどうか、分からないでしょう」

「身動きが出来ずにそのまま迷い続けて」

「複数の同一人物の声、そこから位置の特定は不可能か」

「どうだい、今の気分は?」


その時煙が揺れるとぼやけた姿のサラが現れる。

その瞬間、ガイスはそこに向かって思いっきり拳を振るう。


「無駄だよ。この世界で正確に物を当てる事なんてね」

「あたいを殺すことに相当根に持っているようだけど、それはお門違いって奴さ」

「あんたはそのまま何もない場所に魔法を放ち続ければいいさ」

「あたい達の魔法はそれ程効いてないんだろ、ならそのままサンドバッグにでもなっておくれよ」

「黙れ」


その瞬間、ガイスは巨大な魔法陣を発動させてサラさんを吹き飛ばす。

するとサラさんの体が揺れてそのまま消えていった。

そしてそれと同時に複数の魔法陣がガイスの元に襲い掛かる。

ガイスはそれを取捨選択して魔法を防いだり受けたりしている。

以前として余裕な態度は変わらない、基礎魔法はほぼすべて受けている。

基礎魔法に対するダメージは期待できそうにありません。

そしてたまに来るオリジナル魔法にはきちんと弾こうとしている。

ですが‥‥‥


「っ!?消えた‥‥‥夢幻か、本物と偽物とで視覚が共有されてるのか」


ガイスは冷静にオリジナル魔法を分析している。

ナズミさんのオリジナル魔法で全ての魔法が本物と偽物とで見分けがつかなくなっている。

これなら時間も稼いで、さらにはガイスの体力も削る事が出来る。


「気配から辿るのは無理か。複数の魔法が入り乱れている、特定の人物を狙おうとも、その姿がオリジナル魔法が見せる幻覚の確率が高いな。さらに複製により同一の魔法使いが存在すればさらに当たる確率は低くなる。なるほど、よく考えられている」

「私の霧の中からは逃げられませんよ」

「このままずっと閉じ込められて頂きます」

「あなたのターンは一生来ない」


複数の魔法がガイスに襲い掛かって来る。

この状況なら僕も狙われる心配はありません。

このまま時間いっぱいまで粘らせてもらいますよ。


「確かにこの状況は俺には不利のようだ。だが一つ勘違いをしているな。オリジナル魔法の一つである永久魔力機関を禁止されようが、俺の数あるオリジナル魔法の一つでしかない」

「何?」


嫌な予感がする。

とてつもなく嫌な予感が、ガイスは何かをしようとしている。

だけどこの霞の中で正確に魔法を当てる何て不可能だ。


魔力(マナ)解析(アナライズ)、完了」


その時、ガイスの目が光り輝いたような気がした。

魔力を感じる、あれもオリジナル魔法。

でも一体何のオリジナル魔法何だ。

するとその場に佇んでいたガイスが巨大な魔法陣を展開させる。

待てよ、やっぱりあの魔法陣違和感が——————


「スナイプエイムサンダー」

「っ!!?」


な、んだ‥‥‥

何が起きたのか分からずにそのまま棒立ちしていた。

そして先程までガイスの周りを纏っていた霞は晴れてそこには倒れている皆の姿が見えた。




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