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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その五十八 自然回復

「ガイス‥‥‥!」


視線が重なり合い凶悪な笑みが目に入る。

今の一瞬、何が起きた?

状況の整理が付かないままガイスの拳が眼前へと迫って来る。


「ギガバウンドサンダー!」


その時遮るように跳ねる雷が向かって来る。

ガイスは拳を引っ込めるとすぐに地面を蹴ってその場を回避する。

だが雷は空中で方向を変えると、そのままガイスに直撃した。


「ぐっ!」

「ジェットブロウ!」


続けてブライドさんは風の魔法を放つとガイスを吹き飛ばす。

だが距離が効果範囲内にはとどめてある。

いや、それよりも今はマイトさんの容体が‥‥‥。


「クリシナ!!」

「分かったわ!」


ブライドさんの指示でクリシナさんはマイトさんの方向へと走って行く。

マイトさん、一瞬でしたけどかなり吹き飛んで行ってしまいました。

まさか切り替えで魔法を当てたのか。

それなら。


「安心しろ。マイトは無事だ、恐らく拳で殴られただけだろう。魔法ならオリジナル魔法が発動しているはずだ」

「そう、ですよね‥‥‥」

「集中しろ、リドル。すぐにツキノが複製を用意する。それまでは俺がサポートする」

「分かってます。今は目の前の事に集中します」


ガイスはゆっくりと立ち上がると体をほぐす。

今の魔法、瞬間的な移動を行う魔法。

何度も見たことがある、その厄介さもよく理解している。


「ワープ使えたんですね」

「最初に親切に説明してやったはずだぞ。基礎魔法は俺がオリジナル魔法として生み出したと、そしてそれを俺は全て扱う事が出来る」

「そうですか、確かにそう言ってましたね」


そうだとしても納得がいかない部分がある。

ワープが有るのならどうしてすぐに逃げなかったんだろう。

かつさんのように連続して使えば範囲は狭いけどそれをカバーできるはず。

なのにここまで渋って出したと思ったら、マイトさんを倒しただけ。

その後も連続して使う様子を見せない、一体どういうことなのだろう。


「リドル、後ろだ!」


ブライドさんに言われて咄嗟に背後を見ると巨大な魔法陣が展開されていた。

まずい、考え事をしてたらいつの間に。


「エイムサンダー!」


その時追尾の雷がその魔法陣を破壊した。

今のはガイさんの魔法だ。


「おいガイス!簡単にやれると思うなよ!」

「マイトさんを殴り飛ばすなんて、許せません」

「ごめん‥‥‥待たせた‥‥‥」


すると複製として作られたマイトさんが僕の元に訪れる。

これなら一時的なしのぎにはなるでしょう。

その時、マイトさんの方へと向かっていたクリシナさんが戻って来る。


「マイトの方は大丈夫、だけどお腹に重い一撃を入れられてしばらく動けそうになかったから不滅の緑宝で回復させてるわ。おそらく四、五分で戦線に復帰できると思う」

「大丈夫なのか」

「大丈夫よ、同時に二つまで展開できるから安心して」

「ピンカさんの姿が見えないのですが」

「ピンカはマイトの側にいるわ。何か合った時も守ってくれるでしょうね」

「そうですか」


ピンカさんはマイトさんを特別視している様ですし、心配なのでしょう。

とにかくマイトさんが無事でよかった。


「先ずは一人目、次は誰をやろうか」


そう言うとガイスは選別するように周りを見渡し始める。

またワープで移動をするつもりか。

でも範囲はそこまで広くはないはず、一回のワープで効果範囲外に出るのはほぼ不可能だろう。


「決めた」


その瞬間、巨大な魔法陣が展開される。

出現場所は——————


「ガイさん!」


その時ガイさんの場所にガイスが現れる。


「俺を選ぶか!後悔するぜ!」

「させてみろ」


するとガイスはガイに向かって拳を振るう。

それを咄嗟に防ごうとするが、ガイさんの体が数メートル浮く。


「うぐっ!?」


予想以上の威力だったのかガイさんは面を喰らっている。

そしてバランスを崩したガイさんに向かって巨大な魔法陣が展開される。


「ファイヤーバーニング」

「させません!」


ナズミさんは炎の渦を水の剣で一刀両断する。

その時再び巨大な魔法陣がナズミさんの背後に出現する。


「ウォーターコンプレッションガン」

「うえ!?」


高圧力の水の弾丸がナズミさんの元へと一直線に飛んで行く。

その速さはナズミさんが剣を振るうよりもなお早かった。

間に合わないと思った時、ブライドが切り替えを用いて間に入り込む。


「アブソリュートゼロ!」


氷の魔法はその水を全て凍らせるそれにより何とか一撃を防ぐことが出来た。


「ガイス‥‥‥いない‥‥‥!」

「しまった!」


その瞬間、目の前に巨大な魔法陣が展開される。

やはりこっちに来た。


「違う!それはフェイクだ!」

「え?」


ブライドが言った瞬間、雷の魔法が出現した。

幸いマイトのコピーが居たのでその場を回避する事が出来た。

だけどこのままじゃ終わってしまう!

ガイスは何処に逃げた!

このままじゃ、僕の効果範囲から逃げられてしまう。


「くそ、逃がすわけねえだろうが!エイムサンダー!」


ガイさんは起き上がるとすぐに雷の魔法を発動させる。

するとその魔法はある場所へとまっすぐ飛んで行った。

直撃した場所はまだここからそこまで遠くはない。

効果範囲内のはずだ、すぐにその場所に向かおうとした瞬間巨大な魔法陣が展開させる。

これは罠か!


「ウォーターガッチメント」


水の檻に閉じ込められそうな瞬間、マイトさんがすかさず魔法で回避する。

それで避けれたが、別の魔法陣が二つ展開された。


「一つ忘れていることがあるようだが、俺の魔力は何もオリジナル魔法だよりではないぞ。自然の回復、そこにもオリジナルが存在する」


これは、この魔力は!!


「くっ!!」


その瞬間、ブライドが僕の前に立ちふさがる。

僕を庇おうとしたのだろう、だが僕の目の前の魔法よりもその先に展開された魔法陣が輝く。


「源魔弾」


全魔力を使った一撃!

ここでもしかして決めるつもりなのか!?

自然に回復した分も入れた一撃、触れれば体が吹き飛ぶ!


「俺の全ての魔力を込めた一撃、だが所詮は残り物。これではお前を殺すにはまだ足りない。だから、重ねがけだ」


その時、源魔弾が僕の目の前に展開された魔法陣に衝突する。

この魔法陣、見たことがある。

これはまさか。


「俺が狙うのはお前ではない、なあゼットの弟子」

「っクリシナ!逃げろーーーー!」

「カウンター」

「え——————」


さらに強力となった一撃はクリシナさんの方へと向かって行った。



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