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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その四十四 輝く石ころ

「まず最初にガルアが奇襲を仕掛けたのちにミレイがガイスに触れ、俺達が先陣としてガイスと対峙する」


作戦会議の第一声でブライドはこう説明した。

その内容に皆は特に意見する事はなかった。

ガイスが万全の状態で向かってくるのならブライド達、そしてガルア以外では対処が難しい可能性もある。

足手まといにならない事を考慮した作戦だ。

それを理解した上でガイが声を上げる。


「それは良いけどよ。ちゃんと俺達の出番はあるんだろうな。見守るだけじゃ俺は満足できねえぞ」

「大丈夫、安心して。皆にはきちんとした役割を与える。それに最も貢献してほしいのはリドルだ」


そう言うとデュラはリドルの方を見る。

リドルは注目されたことで緊張した面持ちで頷く。


「確かにリドルには頑張ってもらわないとな。だがその前に俺達とガルア以外に参戦して欲しい奴がいる」


ブライドはそう言いながら視線をツキノに移す。

ツキノは自分の番だと分かると力強く頷いた。


「分かってる‥‥‥私の‥‥‥オリジナル魔法‥‥‥使うんでしょ‥‥‥」

「まさかあやつの魔力を使うのか」

「ああ、そのまさかだ。ガイスには悟られてはいけない、俺達がどうやってあいつを殺そうとしているのかを。それがバレた瞬間、おそらく奴は島を直ぐに出て行くだろう」

「それをやられたら私は打つ手が無くなってしまうな。島外は私の範囲外だ」

「そうね、ガイスは間違いなく源魔石を欲している。だけど私達を直ぐに殺そうとはしないはずよ。源魔石があると言う事が分かれば、急ぐ必要もないしね。私達の事なんてそこら辺の石ころだと思ってるでしょうし」

「だが石ころだと侮っていれば、躓くこともある。俺達はそうやってあいつの足元をすくって行けばいい」


ガルアの言葉で皆が闘志を燃やす。

これからの戦いを想像しながら作戦は次の段階へと進む。


――――――――――――――――――――――――


「絶対かつ、最弱の魔法使い。そして最強の遺伝子を受け継いだ者、中々に面白い体を持っているようだ」

「俺はお前を許さねえ。散々仲間たちを傷つけてそれでもまだ仲間を傷つけようとする。お前が居るだけで守りの奴らが皆悲惨な目に合う」

「俺としてはお前らがそう言う節に持って行ってるような気もするが、まあいい」


ガイスはゆっくりと周りを見渡す。

そしてそこに見える人達を一人ひとり確認する。


「ゼットの意思を継いだ者とゼットの血を継ぐ者、そして俺の血を継いだ者か。何かと縁がある奴が多いな。全員相当俺を憎んでいるみたいだな」

「そりゃあもうずいぶんと溜まってるよ。お前のそのクソみたいな顔面をどう地面にこすりつけてやろうか何度考えた事か」

「相変わらず憎たらしい顔だな。残念だが地面にこすりつけるのは俺ではないぞ。お前には首をそのまま地面にこすりつけてやろうか」


その時魔法陣が突如出現する。

それに対してクリシナとブライドがすぐさま反応する。


「ディザスタートルネード」

「ロックストロングソード!!」

「カットップサンダー!」


岩が作られた巨大な岩の剣が雷を纏って、全てを吹き飛ばす竜巻を一刀両断した。

その一撃は大きな雷鳴が響き渡り、地面に焦げた跡を残した。

続けてガイスは三つの魔法陣を展開させる。

そのどれもが災害級の魔法で炎、氷、雷がブライドたちに降り注ぐ。


「クリシナ!デュラ!」

「任せて!」

「分かった」


クリシナとデュラは同じ魔法陣を展開させる。


「永久の白宝!」

「模範的な魔法!」


三つの魔法が迫りくる中デュラが一つ、クリシナが二つのオリジナル魔法を展開させる。

そしてその魔法陣に触れた魔法は一瞬にして白銀に輝く宝石へと変貌した。


「っ!俺の魔法が変化した‥‥‥なるほど、そう言う事か」

「王の領域!」


そちらに注意が向いている隙を狙ってガルアが仕掛ける。

範囲内に入っているガイスは瞬時にその場を離れるがその目の前に魔法陣が展開される。


「インパクト」


衝撃波がガイスの身に衝突したことにより体が吹き飛ばされるが、後方に風の魔法を展開させる事ですぐに体勢を立て直す。


「インパクト、ゼットのオリジナル魔法にしては弱すぎるな。それでコアを殺したとは考えにくい、それが本気じゃないだろ」

「だったら何だよ!お前を吹き飛ばせればそれで十分だ!」


そう言ってかつはもう一度魔法陣を展開させるが、その前にガイスが魔法陣を展開させてその魔法を消し去った。

そしてその勢いのままかつの方へと魔法が向かって行く。


「っワープ!」


かつはワープでその場を回避すると魔法が通った地面がえぐれていく。


「そう言えばそんな魔法も持っていたな。だがやはり敵じゃないな。となる問題は‥‥‥うん?」


その時、地面に二つの宝石が転がっていた。


「解放」


その声と共にクリシナが指を弾くとその瞬間、宝石は弾け飛んで二つの災害級の魔法が出現した。


「っ!!?」


炎と雷が組み合わさる事で超爆発が起きる。

ガイスは状況が理解できずにそのまま直撃して、体が吹き飛ばされる。

そのまま宙を浮かぶガイスは体にダメージを負っていた。


「自分の魔法は流石に堪えるな。だがなるほど、どうやら先程の宝石魔法はどうやら魔法を防ぐと言うよりも格納の効果があるのか。ん?」


その真横に再び白銀の宝石が輝きを放っていた。


「解放」


その言葉を言ったのはデュラだった。

模範的な魔法、それは他人のオリジナル魔法の原型を自らも扱う事が出来る。

生真面目かつ膨大な魔法知識を持ったデュラのみに与えられた、オリジナル魔法だ。



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