エピローグ 村の尋ね人
「ここが例の村か……」
ここコロット村にはあの凶暴なドラゴンが生息していると言われている。
だがそのドラゴンが謎のモンスターに襲われているらしい。
「あのドラゴンが食われているってことは相当強いモンスターに決まってるよな」
俺は久しぶりの強敵に期待を膨らませて村に向かった。
だが
「何なんだこれは……平和だ」
この村にとってドラゴンは大切な資源みたいなものだ。
それが取れなくなったって言うのに何でこんなに落ち着いてるんだ。
「ちょっとすんません。例のモンスターが出たって聞いたんだけど」
「ああ、あんたあのモンスターを倒しに来たの?一足遅かったね。そのモンスターは昨日倒されたよ」
「え?倒されたのか!?」
ついこの前まで居たはずのモンスターが昨日で倒されたのか!?
「倒したやつわかるか!」
「落ち着いて、ちゃんと教えてあげるから。確か名前はミノルとデビとリドルとか言ったかな」
どれも知らない名前だな。
でもドラゴンを襲うモンスターを倒した奴らだ、相当強い奴らに違いない。
それになぜだか聞いたことがある名前もいる。
「デビ……聞いたことがあるような気がする」
「それにあと絶対かつだ」
すると後ろからいきなりおっちゃんが話しかけてきた。
だがそれよりも気になる事がある。
「おっちゃんもしかして絶対かつを知ってるのか!」
「ということはお前も知っているということだな。私はここの村長をしている。その人達を知りたいのならばこっちに来なさい」
そう言って村長は俺を家まで誘導した。
俺は家についてすぐ再び先程と同じ質問をした。
「それでさっきも言ったけどあんたは絶対かつのこと知ってんのか?」
「さっきも言った通りあのモンスターは倒されました。それはあの絶対かつさん達の手によって」
やっぱりあいつ、強かったのか。
あの時クラガが消しに来た奴ってのは絶対かつ。
そしてかつはあいつと互角に戦いクラガは諦めて帰っていったってことだ。
「ようやく謎が解けた。すまない村長、俺の例のモンスターの所に連れて行ってくれないか」
「構いませんよ。だけどこれを被ってもらいますけどね」
そう言って顔をすっぽり隠すほどの被り物を渡してきた。
「こりゃ何だ?」
「これはガスマスクというものです。あのモンスターが居る所には毒が充満しているのでこの毒を防ぐことができるガスマスクを付けてください」
「へぇーそんな便利なもんがあるのか」
正直毒くらい風の魔法で全部吹っ飛ばせるが、こんな物を使う機会ないし使ってみるか。
「それじゃあ着いてきてください」
そう言って俺をあのモンスターが居るところまで案内してくれた。
「ここです」
そこは目にもはっきり分かるほど淀んだ空気が流れている場所だった。
「これは予想以上に危険な場所だな」
俺はすぐにガスマスクを付け霧の中に入っていった。
「くそ、気持ち悪い場所だな」
こんな所は早く出るに限るな。
俺は肌に寒気を感じながらモンスターを探した。
その時目の前に大きな壁が現れた。
だがそれが壁では無いとすぐに理解した。
「なるほどそりゃドラゴンも食えるわ」
キングフロッグ、ドラゴンの天敵とまで言われてるやつだ。
だがこいつはここには居ないはずだが。
「ドラゴンの匂いに引き寄せられたか?いや、でもこいつが生息している場所は海辺だったはずだが」
すると肌に伝わる寒さがどんどん強くなって来た。
「そろそろ戻るか。これ以上ここにいても仕方ないしな」
ここにキングフロッグがいるという事は毒で倒したってことか。
「中々やるじゃねえか。戦うのが楽しみだ」
俺は霧を抜け村長のところに戻ってきた。
村長は少し心配そうな顔をしていた。
「どうした?何かあったのか」
「いや、かなり長いこと霧の中にいたので体は大丈夫かなと思いまして」
霧を出たというのに寒気が治らない。
「もしかしたら肌に少し感染したかもしれないな。ちょっと休ませてくれないか」
「別に構いませんよ。それよりも今すぐ治療しましょう」
慌てた様子で帰り道をゆく村長。
「そんな簡単に死なねぇよ」
とりあえずあいつがここに来たことは分かった。
これであいつと戦える。
「なあ村長、かつが向かった場所って何処だ?」
「確かカルシナシティと言ってましたよ」
「そうか……」
これで次の目的地が決まったな。
俺は緩む口元を引き締めながら村に戻っていった。




