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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その三十一 コードネーム

柱、それはこの島を守るように取り囲んでいる物。

それがある事でこの島は外から視認されることも無く、そして俺達も島から出すこともない。

完全に外界から隔離された島、それが柱の役割だ。

そんな柱の内の一つの前に俺は立っていた。


「こちら絶対かつ、例の柱の前に到着した」


事前に渡された通信機器に向かって現在の状況を伝える。

すると通信機から不満そうな声が聞こえて来る。


『ちょっとちょっと!駄目だよ、ちゃんと事前に決めたコードネームを使わないと。雰囲気が台無しになっちゃうでしょ』


そんなバカなこと言っているのはメイだ。

これも作戦を決めた時にメイが提案した事でもある。

言った通り雰囲気づくりの一環のようだ。

俺は諦めたようにため息をついてから事前に付けられたコードネームを使う。


「コードネーム、ウィン。到着した」

『そうそう、私が付けたコードネームなんだからちゃんと使ってね。そして私、コードネームポップコーン!目的の場所に付いたよ!』


メイは満足したように自身のコードネームと報告する。

ちなみに俺がなぜウィンと付けたからというと俺の名前がかつだからだ。

安直である、ちなみにメイがポップコーンになったのは皆がメイに対する印象だ。

すると別の声が通信機から聞こえて来る。


『コードネーム、真乙女、こっちも付いたわー』


クリシナの声が聞こえて来る。

何故乙女かというとメイ曰く、女の子であることを誇りに思っているからだそうだ。

だとしてもかなりおかしなコードネームだと言うことに変わりはないな。


『コードネーム、やさしさの塊。柱の前に付いた』


これはデュラのコードネームだ。

まんまと言えばまんまである。

これ以上何も言う事はないな。


『こっちも付いた。えーっとコードネームだったか。コードネーム、ブラコンキング』


これはガルアのコードネームだ。

ガルア相手にこのコードネームを言えるのはあいつだからこそ言えることだ。

あいつは本当に恐れ知らずだな。


『俺も付いたぜ!コードネーム、ビリビリ!意味は分からねえが今はこれを名乗ればいいんだろ』


これはガイのコードネームだ。

ガイの雷の魔法とかけたコードネームだろうな。

これも比較的そのままのコードネームだ。


『え、えっと私も付きました。あれ言わなきゃいけないんですよね』

『そうだよ!ちゃんとコードネームを言ってよ!』

『ううっ分かりました。コードネーム、ソードガール‥‥‥うう恥ずかしい』

『ええ、何で恥ずかしがるの?すっごくかわいいと私は思うけどなあ』


ナズミが恥ずかしがるのも無理はない。

自らこの名前を名乗るのは恥ずかしさがあるからだろう。

というか魔剣を扱うと言うことを知った瞬間のこのコードネームだ。

メイのセンスを疑ってしまう。


『どうやら全員集まったようだな。じゃあ最後は俺だな。コードネーム、リーダー気取りただいま到着した』


最後にブライドの声が聞こえて来る。

リーダー、ブライドと言えば確かにそのイメージはある。

皆のまとめ役、自然とそうなっていた。

と普通ならそう思うが、メイはブライドの立場をよく理解してないのでこんなあだ名になってしまった。

ブライドもその事に関しては特に気にしていない様子なので良いのだが。


「それでこれからどうすればいいんだ」

『事前に説明した通り、一旦はそこで待機だ。そして準備が整えば、一斉に突入する。各々柱を停止する為の装置はきちんと持っておけよ。壊したりすれば今回の計画は全て水の泡だ』


俺は横に跳んでいる柱を止める装置を見る。

ドローンのような物でその装置は運ばれている。

これもメメ博士が作った物だ、便利なうえ機動性もある。

これのおかげで両手が開けているのはかなりデカイ。


『おい、俺はいつでも行けるぞ。何で待つ必要があるんだよ』

『ちゃんと博士の言う事を聞いてた?』


ガイの通信に割り込むようにして聞こえて来たのはメメの声だった。


『作戦はきちんと説明したはずなのだよ。それとも寝ていたのかな』

『ちゃ、ちゃんと聞いてたって。あれだろ柱にこの鉄の塊をぶつければいいんだろ』

「いや、ガイ。そんなことしたら装置が壊れるだろうが」

『仕方ない、改めて今後の動きを再確認するのだよ』


そう言うとメメはあの時に集まって立てた計画のおさらいを始めた。


『今から君達には柱を無力化させてもらう。だがその前にやらなければいけない事があるのだよ』

『それが俺達が集められた理由でもあるわけだ』

『そうなのだよ。これからやってもらうのは柱を警護しているロボットの撃退。未来研究所が持てる技術を全て注ぎ込んだ最高傑作の八体、それを壊せる実力を持った現状の最高戦力を呼んだのだよ』

『もちろん!私達が集まれば百億力!誰が来ようとドカーンとやっちゃうよー!』


現状の最高戦力、メメが考える八人の戦力。

そこに俺が含まれてるのはありがたいけどまさかメイもそこに含まれてるとは思わなかった。

メイが戦ってる所をまだ実際に見たことがないからあれだけど、メメはメイの強さを理解してるってことだよな。


『そしてその警備ロボットが出て来る瞬間は、柱に近づくことで警告音が出て一分後に自動的に排出されるのだよ。そして各々ロボットを撃退してから同時に装置を柱にくっつける。同時だよ、同時でなければ意味がないのだよ。装置の停止信号を柱に送ってプログラムを完全に停止させるんだけど、他の柱がその以上に気付いた瞬間プログラムの修復を即座に行われるのだよ。その間、0.001秒』

『はあ!?そんなのどっちにしろ無理じゃないか』

『ガイさん、それ話し合いの時に同じ反応をしてたけど』

『あ?そうだったか』

『そこの誤差は装置が調節してくれるのだよ。だけど、装置との差も二秒以内でなければ意味ないのだよ。だから同時にやる必要があるのだよ』

『この説明は二回目だけどな』

『何だよブラコンキング、おさらいの為なんだから別にいいだろ』

『っあまりそのコードネームで呼ぶなよ』


やっぱりガルア気にしていたのか。


『とにかく俺達がやるべきこと邪魔して来るロボットの破壊だ』

『にしてもすごいわよね。こんなに年数が経っているのに、未だに動き続ける何て。これも柱と同じものなのかしら』

『特殊な保管庫に保管されているのだよ。だから壊れることもなく、メンテナンスも必要が要らないのだよ。だからこそ未来研究所はそのロボットだけに警備を任せているのだよ』

『これでやるべきことは分かったか。そろそろ気持ちの整理がついただろ、行くか』


ブライドの言葉をキッカケに俺達は柱へと近付く。

一定の距離まで近づいた時、柱から警報音が鳴り響いた。


『警告区域に侵入者を確認、許可証が認証されませんでした。これより一分間のカウントダウンを行ないます。その間に速やかにその場から離れてください。一定のカウントダウンの後に侵入者がその場に残っていた場合、排除します。六十、五十九』

「これがカウントダウン。このカウントが終わった後にロボットが出現するのか」

『お前ら、カウントダウンが聞こえているか』

『聞こえてる』

『こっちも順調にカウントを刻んでるわ。それにしても一分間の猶予を与えてくれるなんて未来研究所も優しいのね』

『誤作動が起きた場合の対処としてある程度の時間はあるのだよ』


カウントダウンは順調に時を刻んでいる。

そして一桁に入った瞬間、段々と緊張感が増していく。

ロボットとの対決、それはさすがの俺でもまだ経験したことがない事だった。

でも大丈夫だ、これくらい乗り越えなければこの後の作戦何て成功できるはずがない。

これはその為の作戦なんだから。


『五、四、三、二、一、ゼロ――――――排除します。デストロイロボット起動』


その瞬間、島中にアラーム音が響き渡る。

どうやら他の場所でもロボットが起動をし始めたようだ。

ついに戦いが始まるのか。

そして地面が避けるとそこからゆっくりとロボットが上がって行く。


「ま、まじかよ‥‥‥」


ロボット、頭の中ではある程度の想像は出来る。

人型の物もあれば、四足歩行の物や武装した者など多種多様だろう。

その中でもこいつは見た瞬間から分かる剛腕とその大きさ。

明らかなパワータイプ、その装甲は太陽に照らされ光り輝き見た目だけでもかなりの強度があるのが窺えた。

本物のロボット!


『さあ、お前ら勝ちに行くぞ。前哨戦と行こうか!』



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