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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その十七 連鎖反応

キンメキラタウン 中央広場


「インパクト!!」

「ぐぎゃ!?」


何とか迫りくるモンスターを退けているが、数が多すぎてさばききれない。

これ以上は街の人達の安全を保障できない。


「何かがおかしい、いくら黒いモンスターを作ったってこんなに絶え間なく来れるもんなのか」


モンスターの種類もバラバラ、至る所から来てるとしても最初から近くに配置してなければこんなすぐには駆けつけることは出来ない。

もしかしてモンスターを送り付けてる奴、もしくは何かがあるのか。


「くそ、一度ブライドと話し合い所だがそうなるとここを守る奴が居なくなっちまう」


今現状動けてる者達は確認できるだけでもブライド、クリシナ、リドル、ガイ、サラがモンスターを食い止めている。

その他の動ける者達は市民の安全を確保や誘導に向かっている。

これだけの人数が居てもモンスターに攻められ続けるのは倒す量よりも来る量の方が多いからだ。

そして街中と言う事もあり、あまり派手な魔法を使えば町を破壊しかねない。

大規模な魔法と言うよりも単体を攻撃する魔法を使わざる負えない。

もちろん街に行かない様に空中で放ったり森の方へと吹きとばしてから処理するってのもあるが、そんな丁寧なやり方はこの状況では対処が遅れる。


「おらおら、こんな街すべて破壊してやるぜ!」

「誰もかれもくし刺しだ!」

「やめろ、街の奴らには手を出すな!!」


駄目だ、こいつらの目的は街の破壊と住民の皆殺し。

俺達を狙っていない以上、こちらが後手に回るしかねえ。


「ワープ!」

「あ——————」

「ブレイクインパクト!!」


モンスターの体が連鎖的にはじけ飛ぶ。


「があっ!」


まずい、体が。

これ以上のブレイクインパクトを使えば動けなくなる。

ここで俺が動けなくなったら一気に街中に入られる。

これ以上の侵入は駄目だ。

この街をまだ失うわけにはいかない。


「くそ、どうすれば」

「苦戦してる見てえだな」

「え?」


背後から声をかけられ思わず後ろを振り向く。

だがその瞬間を狙ったモンスターが俺の横を通り過ぎていく。


「しまっ」

「ぎゃはは、皆殺しパーティーだ‥‥‥あれ?」


その瞬間、横を通り過ぎたモンスターの胴体が泣き別れとなり、その勢いのまま地面を滑る。


「手伝うぜ、かつ」

「ガルア!?お前、いつ目覚めたんだよ!」

「ついさっきだ。状況はお前の仲間のアイラから聞いた」

「アイラ?だけどアイラはミノルの側にいるからこの状況は知らないはずだけど」

「そこにモンスターが居たんだよ。どうやら設置しておいた簡易的なテレポートから入ってきちまった見てえだな」

「モンスターの侵入!?いつの間に」


いや、この襲撃自体街の破壊以外の目的が合ったとしたら源魔石しかないよな。

これがモンスターの暴走だとは考えずらいし、誰かが裏で糸を引いてるとしたら考え付く中でガイスしかいない。

この大袈裟な襲撃は源魔石の破壊という目的をカモフラージュする為、街の破壊や市民の襲撃と誤認させるためだ。

やられた、モンスターの襲撃と言う突発的な問題が起きたせいで研究所だからという理由で護衛を残すと言う考えが頭から抜けていた。


「お前らのせいじゃねえよ。どうせこれもあいつの仕業だろ。そして街を守る為に最大限の人員を投入させた。この状況ならそうするのが自然だ」

「ガルア、恐らくモンスターは」

「見りゃわかる。この量は近辺のモンスターをかき集めた程度じゃ済まねえ。島中のモンスターをここに呼び込んでる。恐らく転移魔法陣が近くに展開されてるな。お前はそれを破壊しに行け」

「は、はい」


いつの間にか次の行動を指示されていた。

状況の理解力が早すぎるだろ、本当に寝起きか。


「ここは俺が引き受ける。早く止めに行け!」

「分かった、頼んだガルア!!」


俺はすぐにワープを使ってその場から離れる。


「あ?おい、何処に行くつもりだ!魔法使いは誰も出さねえよ!」

「ブラストバーニング」

「うぎゃああああ!」

「行かせねえよ。さあ、死にてえ奴からかかってこいよ」


—————————————————


「何とか戦線から離脱できたけど、肝心なモンスターが沸いている場所は何処だ」


街の外からわらわらと来てる。

その行列はかなり先まで続いている。

まだあんなに居るのかよ、ガルアの言う通り島中のモンスターが来てるのか。

とにかくこの行列の最後尾まで行くしかねえな。


「かつーーーーーー!」


下から俺を呼ぶ声が聞こえて来て咄嗟にそちらの方を向くと、建物の屋根にマイトの姿があった。

俺はすぐにマイトの元に行き、その屋根に降りる。


「マイト居たのか!」

「材料集めから一旦戻って来たんだ。まさかこんな事になってるなんて」

「よかった、戻って来てくれて。実はこのモンスターが発生してる場所を突き止めたいんだ」

「てことはこれはガイスの仕業って考えで良いのかな」

「現状はそれで間違ってねえ」

「分かった。僕はこっちの方を確認してくるよ。かつは反対の方を任せてもいいかな」

「もちろんだ。それじゃあ、何か合ったらそうだな」


するとマイトはポケットから小さなイヤホンを取り出す。


「簡易的な通信機器だよ。この機器同士でしか通信できないけど、無いよりはましだよね」

「ああ、ありがとう。それじゃあ行こう」


俺は耳に居や本をはめ込むと早速反対側の街の外に向かった。

どうやら森の先まで行列は続いている。

少し近付いてみるか。

俺はワープでさらに奥へと進む。

そしてようやく街から約五十キロ離れた所からモンスターが沸き出ている場所を発見した。


「これは‥‥‥やっぱり転移魔法陣。てことはあいつの仕業か」


しかも一つだけじゃない。

この街を取り囲むようにして展開されている。

あそこからわらわらとモンスターが沸き出ている。

その全てが黒いモンスターだ。

黒の魔法使いはこれを使うのに魔力が足りなくて、仕方なく地獄の者と契約をしていたけどそれを単独で行える何て、やっぱり化け物だな。


「とにかく破壊するのが一番だよな。だけど一度モンスターを払いのけないと、このままじゃ邪魔される」


インパクトで一度吹き飛ばすか、でもバレた場合かなり厄介なことになるよな。

この数相手に流石に一人は無理だ、破壊だけを目的として終わったらすぐに帰ろう。

先ずは背後に周って一気に吹き飛ばす。


「インパクト!!」


その瞬間、出て来ていたモンスターが一斉に吹き飛ばされる。

それにより周りのモンスターが一時的に居なくなった。

この隙なら破壊できる。

モンスターが戻ってくるまですぐに破壊しよう。


「インパクト!」


魔法陣に向かってインパクトをぶつける。

それにより魔法陣が破壊されて、跡形もなく消え去った。


「よし、これでもうモンスターは出てこないはずだ」


その時、通信機から声が聞こえて来る。


『かつ、聞こえる!?』

「マイト、ああ聞こえるぞ。一つ目の魔法陣は破壊出来た。すぐに近くの魔法陣も」

『すぐにそこから離れるんだ!』

「は?」


その時、近場で魔力を感じ取った。

誰かが魔法を放った!?

いや、違うこれはさっき破壊した魔法陣から。


「魔法陣が修復されて行ってる!?」


破壊した魔法陣が段々と元の形を取り戻していき、最後には完全に元に戻った。

そして再び魔法陣からモンスターが沸き出て来る。

さらに先程吹き飛ばされたモンスターも一斉に戻って来る。

まずい、すぐにここから離れないと!


「ワープ!」


すぐにその場を離れて何とか身を隠す。


「はあ、危なかった」

『どうやら逃げられたようだね。そっちも僕と同じ状況になったのか』

「その口ぶりからしてそっちも魔法陣が元に戻ったのか?」

『うん、破壊は出来たんだけどすぐに元に戻っちゃってね。いやあ、参ったよ。どうやらこれはそう言う魔法陣みたいだ』

「そう言う魔法陣?」


俺は続けてハイトの言葉に耳を傾ける。


『これはオリジナル魔法だ。しかもこの魔法は今展開されている魔法陣で一つみたいだね』

「どういう意味だ?」

『つまりこの魔法を解除したければ、展開されている魔法陣をすべて破壊しなければいけない。しかも再び魔法陣が展開される約二秒間の間に』

「ちょっと待ってくれ。魔法陣て見た限りだと街の周りを取り囲むようにして六個くらい展開されてたよな。しかも五キロ間隔で展開されていた。二人だけじゃそれは無理だろ」

『そうだね、複数の魔法陣の展開でも距離が離れすぎてて当てられないし、そもそもモンスターを払いのけないと魔法陣まで届かない。後もう二人いれば話は別なんだけど』


俺も移動しながらすべての魔法陣を破壊するのにはこの距離だと、脚力やワープを駆使しても三十秒はかかる。

しかも一度モンスターを払いのけて魔法陣を露出させないと破壊まで出来ない。

何か、何か方法は。


「‥‥‥あっ。マイト!この魔法陣は六つで一つって言ったよな。てことはすべての魔法陣は繋がっているのか!」

『うん、そういう事になるね』

「分かった、それじゃあこれは俺に任せてくれ。考えがあるんだ」

『え?それは構わないけど、これをどうにか出来るの?いや、わざわざ聞く事じゃなかったね。かつなら出来ると信じてるよ』

「ありがとう、あと魔法陣が破壊されたら助けに来てくれねえか。多分身動き取れなくなるから」

『もちろん。かつの身の安全は僕が保証するよ』

「ありがとう、それじゃあ頼んだぜ」


通信を切り、俺は再びモンスターが沸き出てくる魔法陣に向かう。

あの魔法は全て繋がっている。

なら俺のブレイクインパクトで連鎖的に魔法陣を破壊する。

魔力が繋がっているのなら俺の魔力をそこに流して、一斉に魔法陣を破壊する。

かなりの魔力を消耗するがやるしかねえ。


「もう一度、モンスターを吹き飛ばす」

「クソがまた来やがったな!今度こそ殺してやるぜ!」


そう言うと一斉に黒いモンスターがこちらに攻撃を仕掛けて来る。


「カウンタ―!」


その全ての攻撃を受け止めて、そのまま倍にして弾き飛ばした。

それによりもう一度モンスターが全員吹き飛ばされる。

そして誰も居なくなったのを見計らって、俺は魔法陣に手を付いた。


「今度こそ終わらせる!」


魔力の流れを感じ取れ、この魔法陣がすべてつながる様にそしてそこに俺の魔力を流し込む!


「ブレイクインパクト!」


魔法を放った瞬間、その魔法陣は破壊されて粉々に砕け散った。

そして二秒が経過してもその魔法陣は復活することなくそのもも消えて行った。


「ははっ何とか、上手く言ったかな‥‥‥」


一気に疲労と魔力不足により俺は意識を失った。



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