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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その十三 実行班の計画

「さてと、それじゃあ早速始めましょ。私達の可憐で優雅な作戦を」


そう言うとクリシナは何故か眼鏡をかけて進んで進行を始める。

その様子を見ていた三人は不満そうな目でクリシナを見つめる。


「あらっそんなにじっと見ないでよ。可憐な乙女に見惚れるのは良いけど、見つめすぎるのは駄目よ」

「なわけないだろバカが。どうしてお前が仕切ってるんだよ。と言う過疎のメガネは何処から持って来た、そしてそんな作戦をするつもりはねえ」

「骨董品よ。可憐な美少女は何を付けても似合うからね。それに作戦もただ暴力で解決するだけじゃ、美しくないでしょ?」

「確かにそう言った観点は必要なのかもしれない」

「デュラ、お前のその全肯定な姿勢は良い事ではあるが時には間違ってるぞ」


ブライドは頭を抱える。

中々の色物集団、ここにメメが居ない事が唯一の救いだった。

ブライドが心の中でかつだけでも参加させればよかったと後悔を残す。


「とにかくだ、先ずは俺達のタスクを再確認するぞ。さっき言ってたメメの件も含めてだ」

「そうね、まず最初に源魔石を取りに来たガイスの足止め」

「それも源魔石のチャージが終わるまで」

「次に源魔石のチャージが完了したら、事前にかつが居る島にガイスを送る」

「上手く誘導してテレポート装置の上に乗るようにしないとね」

「そしてガイスを島へと飛ばした後、源魔石もかつの元に届ける。異常が現時点で俺達がやるべきことだ」


話をまとめたことで実行班がやるべきことも明確になって来る。

そしてそこに出てくる問題も浮き彫りになる。


「さてと、流れを確認したところで問題の解決と行こうか。まず最初に源魔石のチャージ問題だ。ガイスが来てる時点でまだ源魔石はチャージが終わってねえ。そこを感づかれたら何しでかすか分からねえな」

「うーん、私はそこに関しては特に問題視してないわ。どうせ敵対する事になるんだし、正面から堂々と行きましょう」

「それは駄目だ」


ここで今まで全肯定していたデュラがクリシナの言葉を否定する。

ブライドはそれに驚きつつもその言葉の続きに期待を寄せる。


「ガイスは半獣の中でも魔力レベルが異次元に到達しようとしている。それは未来研究所が目指した最強の人類に最も近いだろう。正面から迎え撃つ、それじゃあすぐに殺される」

「デュラの言う通りだな。頭を使って行こう。今のあいつに正面から勝てる奴はこの世界の生物ではないない」

「確かにそうね。それならどうするの?ちなみに私は一つの案を持っているのだけど、聞きたい?」


先程の彼女の発言とは打って変わって案の提案をしてくる。

ブライドは少し疑いつつもその発言を許可するように手を添える。

その意をくんでクリシナは早速自身の考えた案を言う。


「正面から行っても不意打ちをしましょ。現時点でガイスに有効打を与えることが出来るのはガルア、そしてデュラも上手くやれば行けるわね。あとツキノも」

「ガルアは現時点で眠ったままだ。ツキノも同様に、デュラのオリジナル魔法は限定的な条件がある。ちなみに可能か?」

「無理だな、本人が居ない事には」

「うーん、もし行けるのなら面白い作戦を思いついたのに」


クリシナは残念そうに唇を尖らせる。

ブライドは少し考えるとクリシナの真意を察する。


「まさか、ミレイを使う気か?」

「あら、ブライドも気付いたの?」

「たしかミレイのオリジナル魔法は印を付けた物を入れ替わらせる。源魔石の偽物を囮に入れ替わりを使えば不意打ちが使える」

「そう、良いと思わない?」

「誰を使うかはともかくとしてそれはかなりの有効打になるな。よし、ミレイを実行犯に加えよう。それ以外にもミレイのオリジナル魔法は使えそうだ。デュラ、ミレイのオリジナル魔法を拡張させる事は可能か」

「現状の限界を知ったうえでなら可能だ」


その返事を聞けてブライドは満足げに頷く。


「それじゃあまず最初の問題、源魔石のチャージの問題だが偽物の源魔石を用意し、そこと入れ替わりを行ない不意を突く。そうすればこちらが有利に事を始められる。メンバーはまだ決まってないが本命はガルア、次点でツキノ、そのまま目覚めなければ俺が行こう。牽制にはなるだろうさ」

「それで良いと思う」

「それじゃあ次の問題ね。そもそも時間稼ぎが出来るかどうかよね」


その問いにブライドとデュラは難しい顔をする。

最初の牽制が上手く行ったとしてもまだ時間稼ぎをしなければいけない。

それが最も不可能に近い問題ではある。


「正面からの戦闘はほぼ不可能。だが攻める姿勢を忘れちゃ駄目だ。こちらが時間稼ぎをしていると言う意図を悟られないようにな。あくまで源魔石を死守する為の戦いだと思わせる」

「かつが居ない事もバレちゃ駄目よね。あの子の存在に気付かれちゃったら感づかれちゃうだろうし」

「ああ、ただでさえ重要な戦力が寝込んでるんだ。戦いは厳しい物になるだろうな。とにかく少しでもこちらが優位になるようにしたい」

「それならもう一人こちらに紹介したい人が居る」


そう言いながらデュラは手を上げた。

ここに居るほぼすべてのオリジナル魔法を熟知しているデュラからの使命は信頼に足る物だった。


「リドルと言う男を紹介したい。かつの仲間だ、あいつのオリジナル魔法は魔法を無効化させる効果がある。俺が強化した魔法だ、ガイスにも有効だろう」

「ああ、あいつか。だが負担がデカくないか?魔法で無効化したとしてもその魔力消費はデカすぎるだろ。一発で終わるんじゃないか?」

「ああ、だから無効化させるオリジナル魔法を限定化させる。もっとも危険な魔法を無効化してもらう」

「へえ、それってもしかして例のあれかしら」


クリシナは何かを確信したのか口元を緩ませる。

そしてその答えをブライドが口にした。


「奴のオリジナル魔法の一つ、永久魔力機関を停止させるだろ」

「ああ、それだけでもかなりのアドバンテージになるだろう」

「でもそもそも魔力量は桁外れなのよね。意味あるのかしら」

「少なくとも戦闘中の魔力レベルの上昇は防げる。それに過度な魔力消費にも気を付けなきゃいけなくなるからさ。あいつの魔力量はかなりやばいがあいつの魔法もかなりの燃費の悪さだ」

「それじゃあ、次に取る行動はオリジナル魔法の無効かね。良いわね、段々とやるべきことが分かって来たわ」

「少しずつだがな。これで不意打ちと魔法の無効化を行う事は決まったな」


ここまでの話し合いでガイス攻略の糸口は少しずつ進んでいる。

だが依然としてレベルの差が埋まる事はない。

その事実を理解しているからこそ皆の表情が晴れることはない。


「戦闘は俺達で何とか繋げるとして、もしそこまで行けたとしたら問題はガイスの誘導だ。正直言ってそこまで誘い込めるかどうか。印とか決めとかなきゃ俺達も場所が分からなくなる」

「うーん、確かにそうね。あまりにもバレバレすぎるとガイスにも気付かれちゃうし、かといって目立たなさすぎると私達が見失っちゃう可能性はあるわね」

「そこは、メメを信じよう」

「まっそこら辺の仕様は任せるか。とにかく今考えられる現状の最善策がこれか。先ずは必要なメンバーに声をかけてから考えよう。脳みそは多い方が話も広がりやすいだろうしな」

「その例えはあんまりよくないわね。それなら素敵なお茶会のメンバーを増やすのは良い事だって事にしましょう」

「なるほど、お茶会か。悪くない」

「いや、悪いだろ」


こうして最初の話し合いはメンバーの補給で終わった。



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