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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その五 お返し

メメと共に最初に話し合いをした場所に戻ると先程よりも人数が増えていた。


「リドル!!」

「かつさん!」


すぐにリドルの元に行くと、リドルもこちらへと軽快な足取りで駆け寄って来る。

そして俺達はその勢いのまま再会を喜びように抱きしめあった。


「よかった、無事だったんだな。メメからすぐに治るとは聞いてたけどやっぱり心配でさ」

「すみません、大した怪我ではなかったんですが一応治療をした方が良いと言われまして。そのおかげで今は完治しましたよ」


そう言うとリドルは自身の手足を動かして治ったアピールをする。

確かに傷跡もなく完全に治ってるみたいだ。


「それなら本当によかった」

「はい‥‥‥ミノルさん、まだ起きていないんですか?」


その問いに俺はゆっくりと頷いた。

するとリドルが申し訳なさそうに呟く。


「僕のせいですね。必ず連れて帰ると約束したのに結果的にミノルさんに助けてもらう形になってしまいました。ミノルさんに無理をさせてしまった自分が情けないです」

「何言ってんだ。研究所に行ったメンバーは誰も死ななかったんだろ。なら万々歳じゃねえか。ミノルはすぐに目が覚める、むしろお前が居てくれたよかったよ。ありがとなリドル」

「かつさん‥‥‥あなたという人は本当に。改めてパーティーのリーダーはお返ししますね」

「おう!」


リドルは手を差し出し、その手を俺は力強く握りしめた。


「そう言えば、アイラは今どこに居るんだ?一緒に帰って来たんだろ」

「アイラは、現在ミノルさんの所に居ます。どうやら責任を感じている様で、ミノルさんが目覚めるまで側に寄り添いたいようです」

「そうか、なら好きにさせてあげよう」

「リドル~!!」


その時大声を上げながら誰かがこちらに一直線に向かってくる。


「あっメイさ――――――」

「ラリアット!!」


その時、リドルがさっと体を横にずらした。


「え!?ぐふっ!」


それにより俺の首に勢いよくメイの腕が直撃する。

思わぬ一撃に俺はそのまま床を転がる。


「リドッちさすがだね、避けられちゃったか」

「相変わらず自由奔放ですね、メイさん。元気そうでよかったです」

「うん、元気いっぱいだよ。かつっちは元気?」

「おまえ、よくそれが言えるな」


俺は首元を抑えながらゆっくりと立ち上がる。


「メイ、テンション上がりすぎ。迷惑かけちゃ駄目でしょ」

「えへへ、ごめんね」

「ていうか、いつ始まるんだよ。ずいぶん待たされてるぞ」

「かつさん達の方で何か合ったんですよね。仲間が生死の境を彷徨ったとか」

「ああ、でも何とか一命をとりとめたから大丈夫だ。お前らはずっとここで待ってたのか?」

「そうだよ!ここで待機するようにって言われてたの。暇だったからラリアットの練習してたんだ」


そう言ってメイは元気よく腕を振り回す。

何故暇つぶしにラリアットを選んだのかはこの際追求しないでおこう。


「かつ、どうやらお前らの方も大丈夫だったみたいだな」

「よおかつ!お前はやる男だって知ってたぜ!だが俺も強くなったんだ、また最強の座をかけて勝負しようぜ!」


そう言いながらこちらにやって来たのはリドルと共に研究所に向かっていた、ハイトとガイがだった。


「よかった、二人とも無事みたいで」

「当たり前だろ。俺は最強になる日まで負けるわけにはいかねえんだよ。ていうか、お前との勝負だってまだ決着ついてないんだからな」

「ガイ、そこら辺にしておけ。かつ、大丈夫だったか?ブライドからかなりの死闘だったと聞いてるぞ。ガルアは今は治療中なのか?」

「ああ、限界を超える程の力を使ったからな。しばらくは寝たきりだろ。それで二人もここでずっと待ってるのか?」

「まあな、サザミがやばかったって話は聞いてるぜ。まっあいつの事だから大丈夫だと思ってたけどな」


どうやら途中で目が覚めた人達にはブライドがすでに説明を済ませてるみたいだな。


「ならブライドは何処に居るんだ?」


クリシナも居ないし、そう言えばいつの間にかメメの姿もない。

何か準備をしてるのだろうか。

その時、勢いよく扉が開いた。


「ブライド!」

「誰がブライドよ!どう見ても違うでしょ」


するとそこに立っていたのはブライドではなく、ピンカだった。


「「ピンカ!!」」


その時勢いよく飛び出した二人がピンカの元へと一直線に向かう。

そしてその勢いのままピンカに抱きつく。

その二人はイナミと、もう一人マイトだった。


「ちょっとあんたらくっ付くんじゃないわよ!ていうか、マイトは特に!」

「いいじゃないか、ピンカ。俺だってピンカを心の底から心配してたんだからさ」

「はっどの口が言ってんのよ」

「本当だよ、ピンカ。無事でよかった、足っ元に戻ったみたいだね」

「っ別にどうってことないわよ、このくらい‥‥‥私の事知ってんだったらこれくらいどうってことないの気付きなさいよ」

「そうだね、ピンカなら大丈夫だと思ってたよ。でもやっぱり直接こうして会わないと気が気じゃなくってさ」


そう言ってマイトは優しく微笑む。

ピンカは顔を逸らして口元を尖らせていた。

どうやら視線を合わせるのが恥ずかしいようだ。

イナミはその空気を察してか一歩下がって二人の様子を見守る。

そんなイナミの元に俺は向かった。


「イナミ」

「あっかつさん」

「よかったな、ピンカ元気になって戻って来て」

「はい、本当に良かったです。まあピンカならすぐに戻って来ると信じてましたけど。でも本当に良かったです」


イナミは目元を拭うとほっとした様な笑みを浮かべる。

イナミも心の底ではずっと不安だったんだな。


「ピンカ!イナミの方も構ってやれよ!寂しくて泣いてるぞ!」

「なっ!ちょっとかつさん!あの二人の邪魔しちゃ」

「弟なんだろ。こういう時位甘えろよ」

「っありがとうございます」


そう言うとイナミはピンカの元へと走って行く。

そしてイナミが必死に何かを言っているのに対して珍しくピンカが戸惑っていた。

姉弟か、真逆だけどなんだか思い出してしまう。

あいつ、元気にしてるかな。

過去の出来事に想いふけっていると再び扉が開かれた。

そして今度こそブライドが中に入って来て、さらにはクリシナ、先程居なくなっていたメメが大きな機械をロボットに運ばせてきていた。


「動ける奴らは全員集まってるか!」

「随分と待たされたっしょ!」

「そうだそうだ、わざわざ引き止めやがって今度は何をさせるつもりだ」

「今後の事について話し合うのよ。でもまずはブライドから皆に伝えなきゃいけない事があるの、そうよね」


クリシナはブライドの方に話しを振るとブライドは一歩前に出て咳払いをする。


「ガイスを殺す方法を発表する」


その言葉に皆の緊張がより高まる。

そしてブライドは躊躇うことなく言葉を放つ。


「以前も言っていたが、源魔石を使った島中のマナを取り込みそれを丸ごとぶつける方法に決定した。そしてそれを実行する者を今から言う」


皆のざわめきが収まらない中ブライドは視線を動かすと口を開いた。


「絶対かつ、お前だ」

「っ!?」


俺が今回の作戦の実行犯?

だけどこの作戦ってつまり。


「絶対かつ、島の平和を守る為に命を捧げてくれねえか」



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