その五 報告
「ミノル〜〜〜」
俺はミノルを見つけるとすぐに声をかけた。
ミノルは外で、壁に寄り掛かって待っていた。
「あら、結構時間かかったのね。それで、どうだったの」
そう言うとミノルは早く見せろと言わんばかりに足を揺らしていた。
「驚くなよミノル、なんと俺の魔力レベルは…………1だ!」
「えっ1?それって――――」
俺はミノルが言いきる前に手を突きだし、言葉を止めさせる。
「ちょっとまてミノル。お前の言いたいことはわかる。レベル1は、最弱って言いたいんだろ。だけどなミノル、魔力レベルはそれ以下の魔法を覚えられ無い。つまり―――――」
「この島で唯一すべての魔法を覚えられるってことでしょ。知ってるわよそんな事」
そう言って呆れた顔をしていた。
「何だお前知ってたのかよ。だったらこのレベル1の凄さ、わかるよな」
「かつね………受付の人に上手く言いくるめられたわね」
どういうことだ?
何かよく分からないが嫌な予感がする。
俺の本能が聞いてはいけないと言っているが、好奇心がそれよりも勝ってしまい俺はミノルに聞いてみた。
「それってどういうことだ」
「いーい魔力レベルっていうのは、その人の魔力を表す数字なの、そしてその魔力は自分の魔法の力ってこと。つまり………」
「つまり……」
「かつは一番魔法の力が弱いってこと………って何耳塞いで聞かないようにしてんのよ!ちゃんと聞きなさいよ」
ミノルは俺に無理やり聞かせようと塞いだ耳を引き剥がそうとした。
「やだやだそんなの認めねえ!俺がこの島で一番弱い何て絶対認めねえ!」
「しょうがないでしょう。ていうか結局聞いてるし……第一魔法が使えるってことが私は驚きよ」
「なんだよそれ、俺には魔力が無いって思ってたのかよ」
「そうよ」
ミノルは躊躇なくスパッと言い放った。
「えっマジで言ってんの。それはちょっと酷くないか」
「別に酷くないわよ。だって魔法を使えるのは、半獣だけ。しかもただの半獣じゃなくてこの島で生まれた半獣しか使えないの。なのにかつは別の場所に生まれて来て突然この島に来たのに、魔力がある。だから驚いてるのよ」
そう言ってミノルは俺に疑問を投げかけて来た。
「確かにそうだな。俺がこの島に来たのも女の人に連れてかれてだし」
そう、まだ確証はないが多分女の人が連れてきたで間違いないと思う。
それ以外考えられないし。
「ていうかその女の人って誰なのよ」
「知らねえよ。ここに来た時にはもういないし……俺とは別の場所に飛ばされたのかもな」
あるいは別の異世界か……
「まあいいわ。かつのことを無理矢理調べようとは思わないし。それより魔法覚えたいんでしょ。着いてきなさい」
「分かった」
俺を連れてきた女の人、今は何処に居るか分かんないけど、もし何処かで出会った時はなんで俺をこの世界に連れてきたか聞いてみるか。
でも会ってもし俺を連れてきたのがあの女の人じゃないって分かったら俺はどうするのだろう。