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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十四章 半分獣と呼ばれた者達
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その二 素直になれない子

「五日、それまでにガイスを殺す計画何て立てれるのか?」


ガイスが去った後、源魔石の譲渡の日数として五日間の猶予が与えられた。

だけどそれは正直あまりにも短い。

怪我人が多い状況で誰が戦えるのかもまだはっきりとしていない中、五日間ていう短い期間の中であいつを殺せる方法なんて思いつくのか。


「おいおい、ちょっと待てよ。本気でやるのか!?あの化け物と!無理無理絶対無理だ!ああ言ってるんだし大人しく渡そうぜ」

「何言ってるんだい。ここまでやって来たのにあっさりと渡すのかい。ならあたいなら渡しやすく一つにまとめて渡すために必死来いたっていうのかい」

「お姉さまの事もあります。私はただで渡す何てこと絶対に嫌です」

「ハイ、言い巻かされてダサいっしょ」

「ぐっうるせえ。俺は源魔石の回収を頼まれただけで、あいつとの戦いを了承した覚えはねえ!」


そう言うとハイは悔し紛れに地団太を踏む。


「でもでも、あの人超恐ろっちだったよ。夢に出てきそうだよ」

「今の状況で勝てる見込みがあるかと言われても微妙な所でしょうね」

「ていうか本当に約束なんて守るのか。あんな奴が」


確かにメイたちの言う通りだ。

素直に約束を守るとは限らない。

五日って言ってももしかしたらもっと早く来るかもしれない。


「いや、期日は守るだろう。俺達はいわば人実を握っているのと同じだ。それにまだ完全に戻っていない時に奪いに来てそれで欠片が破壊されれば、それは少しマナが多く含まれている石になるからな」

「下手なことをして失敗したくないって事ですか?」

「そう言う事だ。だからこそあいつは大人しく待つだろうな。五日間だったら焦る必要もないだろうし」

「だけど、ブライド本当にやれるのか?源魔石を手に入れて状況は変わるんだよな」

「ああ、これを手に入れれば俺達が勝つ確率は五十パーセントって所かな」

「半分って全然だめじゃん!」

「そうかい?むしろあたいはあいつに勝つ確率が半分行ってるだけでも十分だと思うけどね。まっそれがどういった内容なのかによるけどね」


サラの一言でブライドに視線が集まる。

作戦はブライドが任せろと言っていた、いくつか考えがあるようだけどもう纏まったのだろうか。


「作戦はもう考えてある」


その言葉に皆が喜びの声を上げる。

だがそれを言った本人であるブライドは何処か物憂げな表情をしていた。


「とにかく今は時間が一分一秒でも欲しい状況だ。先ずは街の人達を落ち着かせよう。ガイスが来て混乱してる。サポートメンバーの人達と協力して街の人々に安全だって事を伝えるんだ。とにかく今は安心してもらうのが一番だ」

「分かった」


それから俺達は街中を駆け回り状況の説明と安心して良いと言う事を伝えた。

やはりガイスが来たことで街の人々は怯えて不安そうにしていた。

俺はリツやマキノと一緒に新しく来た元奴隷の人達の状態を確認していた。

見せの建物などを一時的な治療室にしてそこに布団を敷いて寝かせていた。

薬の後遺症か苦しそうにして居る人と安心して寝息を立てて居る人が居た。


「ぜっちゃーん、そっちはどお~?」


医療道具を手にしていたリツがこちらに駆け寄って来る。


「やっぱりそれぞれで状態が違うみたいだ。奴隷の印は剥がれてるけどそれでも目覚めない人や苦しんでる人が居る」

「そうだね~メメ博士が~奴隷化の期間で~差が出る見たいって~言ってたよ~」

「そうなのか、じゃあしばらくは様子を見るしかないってわけか。でも命に別状はないんだろ」

「はい、その通りです!」


すると向こうの方に居る人を看病していたマキノが戻って来る。


「お疲れ、そっちも大丈夫だったか」

「はい、私が作ったポーションが役に立っているみたいなので良かったですよ。まあそれで大分疲れは溜まりましたけど。でも睡眠は十分に取ったのでまだまだいけますけど」

「お前らもお前らでかなりの戦いを強いられてたみたいだな」

「それでミッちゃんはどうなったの?それに他の皆も」


リツは心配そうに仲間たちの容態を聞く。


「メメの所で治療を受けているみたいだけど、詳しい事はまだ分からない。デビもガイスから受けた傷が深いみたいだ。でも流石は地獄の王だな、順調に回復して言ってるみたいだ。リドルも足をやられたみたいだけど、命には別条はない。すぐにでも元気な姿が見られると思うぞ」

「そっか~無事ならよかったよ~」

「ですね、一日中ぜっちゃんぜっちゃんて言ってうるさかったんですから」

「え~でもマッちゃんも~絶対さんなら大丈夫ですよ。あの人はいざという時は頼りになる人ですからって~すごい褒めてたよね~」

「はあああああああ!?な、何を言ってるんですか!虚偽ですよ虚偽で!そんなしょうもない嘘つかないでください!」


明らかに慌てた様子でマキノがリツの体をポカポカ叩いている。


「まあ、何だ。マキノがそういう風に思ってくれたのは素直にうれ――――――うご!?」

「黙れ変態!これっぽっちも心配してないですよ!」

「股間蹴りやがったな!やって良い事と悪い事があるだろうが!」

「調子に乗らないでください!私はただ絶対さんが勝つのは当たり前だって言ってるんです。じゃなきゃ私達まで迷惑が掛かるんですから」

「素直に喜べないのかお前は!」

「別に嬉しくないわけじゃないですよ、ただ、その‥‥‥絶対さんは調子に乗りやすいのでこれくらいがちょうどいいんです。甘やかすのは駄目なんですよ」

「なんだそりゃ、まあありがとうとはいっておくよ」

「何ですかその上から目線、ムカつきますね」

「やっぱり今の言葉は取り消しだ」

「おい、かつ!」


その時ブライドがこちらにやって来る。

明らかに慌てた様子だった。


「あっブライド、どうしたんだ」

「大変なことになった。お前も来い」

「え?何がだよ」

「サザミの心臓が止まった」



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