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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その六十七 作戦完了

「デビ!!」


城に戻り怪我人の手当てや街の復興に協力していると、ボロボロの姿のデビがマイト共に戻って来た。

俺はすぐにデビの元に駆け寄るとそれに気づいたデビが無理矢理笑みを見せる。


「ああ、かつ無事だったの。妾はお前なら勝てると信じてたのじゃ」

「お前、そんな子よりまずは自分の体の心配しろよ。全身ボロボロじゃねえか」


まさかデビがここまで傷つけられるとは思わなかった。

いや、ここまでしなければガイスを足止めできなかったってことだよな。


「これくらい大したことないのじゃ。妾にとってはかすり傷みたいなものじゃ」


そう言うとデビは肩を借りていたマイトから離れると軽快に動いて見せる。

だがすぐにがたが来てその場で膝を付いてしまう。


「あたっ!」

「ばかっ!無理するな!」


俺はすぐに倒れたデビを支える。

デビは照れ笑いを浮かべながら、俺の方に体重を任せる。


「あははっやはりお主の前ではかっこつかんのう」

「かっこつける必要ねえだろ。仲間の前位甘えろよ」

「そうじゃのう、ここはお言葉に甘えて休むとするかのう‥‥‥すや」


デビはいよいよ限界を迎えたのか俺に体を預けた状態で眠りに落ちてしまった。


「デビもだいぶ頑張ったからね。すぐに博士の所で回復させてあげよう」

「そうだな、それを言うならマイトもだろ。皆の事を助けてくれて、マイトが居なけりゃ勝てたとしても死んでたぜ」

「それが俺の仕事だからさ。やるべきことをやったまでだ、さてとこれでようやくすべての計画が終了したね。ブライドさんが待ってるよ、城の広間に集まって欲しいらしい」


いつの間にそんなことを言われていたのか。

だったら早く行った方がいいかもしれないな。


「デビの事任せてもいいか?」

「もちろん、デビを博士の元に届けた後に俺も合流するつもりだよ。それじゃあまた後で会おう」


マイトはそう言うとデビを運んで行ってしまった。

さてと、今のところまだ誰とも合流出来てないんだよな。

みんな忙しそうだし、それにまだ目覚めてない人もいるからな。

これで現状動ける人物が分かるってことか。

俺はすぐに指示された場所へと向かった。

城の広間へと向かうとそこには数人の人影が見えた。

その内の一人が俺を見つけるや否やこちらに向かって来た。


「かつっちやっほー!!」

「メイ!?おわっ!!」


突然勢いよく抱きつかれた為一瞬体が持ってかれそうになるが、何とか受け止めることが出来た。


「かつっちかつっちかつっち!!」

「何だよ何だよ何だよ!」

「へへっようやくかつっちと会えてうれしくって」

「いや、そりゃあ俺も嬉しいけどさ。何でここに居るんだよ。ていうかいい加減話してくれないか」

「やだ」


そう言うとメイはいたずらっぽく舌を出す。

いや、やだって言われてもこれじゃあ話しづらいんだけど。


「ちょっとメイ、かつさんが困ってるよ。話してあげな」

「ぶーせっかくかつに会えたのに。まあ、ぺプッちが言うなら仕方ないか」


そう言うとメイは渋々抱きつくのをやめた。

あー苦しかった。


「ていうか、あんた」

「お久しぶりです、結婚式依頼ですね」

「あーあの時の重力の人か。本当に助かったよ、まさかメイの仲間だったなんてな」

「それだけじゃないよ、こちらカビッちでーす!!」


大体的に名前を呼ばれたカビッちという人は少し恥ずかしそうにこちらに頭を下げて来た。


「ど、どうも」

「え?あれ、俺達どっかで会いましたっけ?」


何となくだが見たことあるような気がする。

するとカビッちは目線を泳がせるとそのままメイの後ろに隠れる。


「かつっち忘れちゃったの?ほら、ガルッちが激やばモンスター倒した時に一緒に居たでしょ」

「あー確かに居たような気がするな。確か名前は」

「えっと、カビットです、はい」

「ああ、カビットかよろしく」


だがカビットはメイの後ろに隠れたまま頭を下げるだけだった。

もしかして人見知りなのか。

あの時はもうちょっとはきはき喋ってたような気もするが。


「どうしたのカビッち?いつもみたいに俺みたいな奴に挨拶するなんて陽キャ過ぎるだろとか言わないの?」

「いや、すいません」

「カビットは完全に燃え尽きちゃってるわね。人見知りモード発動中ってところ」

「何かよく分からんがいいチームだな」

「うん、私の大切な仲間だよ!かつっちに紹介出来てよかったよ」


どうやらその通りのようだ。

この三人の間には確かな絆が結ばれている。

メイも変わったんだな。


「絶対さん、無事だったんですね」


すると奥からナズミとイナミがやって来る。


「ナズミ、イナミ!お前らも無事でよかったよ。源魔石、無事に取り戻せたんだろ」

「はい、お姉さまのおかげです」

「そうか、最後まで戦い抜いたんだな」

「お姉さまは私の誇りです。この魔剣もお姉さまから譲り受けたんです。いつかこの魔剣を持つにふさわしい人になります」


そう言うと懐から出した魔剣を大事そうに握りしめた。


「ナズミなら絶対になれるよ。そう言えばイナミはミズトがかなり重症だって聞いたけど大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。ピンカはそう簡単にやられるような人じゃないから」

「何か変わったな」

「え?そ、そうかな?確かにこの戦いを得て色々なことを知れたかもしれない。だから変わったのかも」


前は何かに悩んでいた様子だったけど今はその悩みも晴れてスッキリした印象だ。

表情も明るくなってる。


「それでメンバーはこれだけなのか?」

「おいおい、主役を忘れてないか!」


その声は扉の所から聞こえて来た。

扉に寄りかかって不敵な笑みを浮かべているのは、あの怪盗2人組だった。


「何だ、ハイ&ローか」

「おおい!大仕事を終えた俺達に対してそれかよ!」

「そうっしょ、そうっしょ!死ぬかと思ったっしょ!」

「冗談だよ、お疲れ様。よく源魔石を回収して帰って来れたな」


俺がそう言うとハイ&ローはまんざらでもない笑みを浮かべる。


「まあ、頼まれたからには成功させるのが俺達だからな」

「その通りっしょ。この怪盗の名において不可能はない!」

「誰が不可能がないって」


すると二人の背後にサラともう一人、ミレイの姿が見えた。


「サラ、それにミレイ!!」

「どうやらあんたの所も無事に終わったみたいだね。王様の姿が見えないけど、あっちはかなりの重傷かな」

「久しぶりだな、絶対かつ。まさかお前とこうして再び会うとは思わなかったが」

「相変わらず冷たい態度だな。もうちょっと喜びとかないのかよ」

「貴様に対してはこれで十分だ。それに」


すると何故かミレイが眉間にしわを寄せるとこちらに詰め寄って来る。


「ガルア様が傷ついているのに何で貴様がそんなに元気なんだ。まさかまともに戦っていないんじゃないだろうな」

「いや、作戦上俺があんまり戦えなかっただけでちゃんと俺も活躍したぞ。だからそんな目で詰め寄って来るな」

「ふん、どうだか。とにかく今後は私がガルア様を守る。自分が右腕などと勘違いするなよ」

「そんなこと思ったことねえよ」

「あははっさっきまで静かだったのにかつが来たとたん元気になったね。知り合いが来て嬉しいのかい」

「な、何を言っているのですか!」


おっ何だ意外とかわいい所があるじゃないか。

ツンツンばかりだけじゃなくちゃんとデレの要素もあるんだな。


「貴様、何だその目はぶっ殺されたいのか」

「やめて、怖いから」

「そんな事より呼び出されたメンバーはこれで全員なのか?」


ハイの一言で俺達は周りを見渡す。

確かにこれ以上誰かが来る様子はなさそうだ。

作戦組で現在動ける者はこれで全員なんだろうな。


「あっそう言えばマイトが後で来るって言ってたぞ」

「じゃあそれで全員ってこと。でも肝心のブライドの姿が見えないよ」

「そうですね、まだ来ないんでしょうか」

「もしかして外で何か起きてるのかもしれません」


ぺプロがそう呟いた時、それが現実に起きた。

突如慌ただしく扉が開かれたことで俺達の視線をそこに注がれる。

そこにはクリシナの姿があった。


「皆大変よ!すぐに外に来て!」


嫌な予感がする、そんな予感が頭に過ぎった時城が突如轟音とともに揺れ始めた。


「うわわわ!何々、お腹減ったのかな!」

「やばいって!絶対やばいのが来てるよ!」

「二人とも落ち着いて、かつさん外に行きましょう」

「ああ、そうだな」


クリシナに何が起きたのか聞いている暇はない。

俺達はすぐに外を出ると、そこにはブライドの姿ともう一人。

この街に居るべきではない人物がいた。

その二人の間の地面には何かが衝突した様な跡が残されていた。


「ガイス‥‥‥!」

「さてと、お前らここで死ぬか」



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