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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その四十七 リドルとの出会い

ヤナモは私を守って死んでしまった。

私はあの時、ヤナモを疑ってしまった。

あの機械を使って気絶させれてそのままあの男に差し出されると、そう思ってしまった。

私は自分が情けなかった、連れ攫われていく人を見て助けたいなんて言ってた癖にいざその場面に自分がなると親友すら疑ってしまった。

ヤナモは人は薄情だって言ってたけど、ヤナモは違う。

本当に薄情な人は私だ。

私は一人ぼっちで路地裏を歩く、どうしてこうなってしまったんだろう。

私は立ち向かおうとしなかったから行けないのだろうか、ヤナモに助けを求めてしまったから。

いや、そもそも私は本当にヤナモに助けを求めに行ったのだろうか、もしかして私は心の何処かで自分だけが捕まるのが嫌でヤナモの元へと向かったんじゃ――――――


「それは違う!それは違う‥‥‥よね?」


あの男の言葉に便乗した?

それとも自分の意思でヤナモの元に向かった?

分からない、自分が一体どういう想いでヤナモの元へ向かったのか。

私は自分の意思で何かを決めた事が合っただろうか。

私は手を握りしめる、もうヤナモの温もりは残ってないけどあの感触を思い出す。

その時、同時にヤナモとの思い出も蘇って来た。

その過程でヤナモが最後に私に向かって何かを言っていたのを思い出した。


「あの時ヤナモは私に言葉をかけてくれた‥‥‥」


気絶する直前だったから上手く思い出せない。

口の動きで私の名前とその後に何かを言っていた気がするけど。


「ああ、だめ分からない分からないよ‥‥‥」


私は頭を抱えてうずくまる。

どうすればいいのかが分からない、ヤナモの後をずっとついて行くだけだった。

だから一人で何をすべきなのか全然分からない。


「一人じゃ生きていけないよ‥‥‥ヤナモ助けて‥‥‥ううっ」


涙が零れ落ちる。

どうして私はこんなにも駄目なんだろう、こんなんじゃまたヤナモに叱られる。


「そうだ、こんなんじゃ駄目だ。こんなんじゃヤナモに怒られる」


涙を拭く、そして私は前を向く。

そうだ、ヤナモが私を生かせてくれたんだ。

だからこそ私は精一杯生きなきゃ駄目なんだ。

ヤナモが守ってくれたこの命を大切にするんだ。


「頑張るよ私、だから見守っててねヤナモ」


それから私は必死に生きて来た。

ただ生きていく事だけを考えた、どれだけ辛い事が合ったとしても泣かずに生きて来た。

本当に辛い時はヤナモと語った夢を思い出した。

その夢があったから私は前へ進むことが出来た。

そんなある日、私はある人物と出会う事にある。

それは私が半獣に追いかけられていた時だった。

前々から路地裏に人間を探しに来ている人が居ることは知っていたけど、ついに見つかってしまったのだ。


「はあ、はあ、はあ‥‥‥」


何やってるの私は、早く別の場所に移動すればよかったのに。

ここを離れるのが名残惜しいからってそんな決断も出来ない何て。

ここで捕まったら何のために生きて来たのか分からないじゃない、何のためにイナミが私を救ってくれたのか。


「待ておいガキ!逃げてんじゃねえぞ!」


もうすぐそこまで迫ってる。

路地裏の中は狭い道が多いからこのままだと追い込まれる。

このままいっそ町の中に出て人混みに紛れて逃げる。

でもそれだと人間だってバレたらどんな目に合うか。

やっぱりそんな危険な賭けは出るわけには、でもあいつはもうすぐそこまで迫ってるし。


「見つけたぞ!」

「っ!」


ここで捕まる位なら出て行くしかない!

私は路地裏を抜け出すために方向を変える。

その時、ちょうど路地裏の近くにある店で買い物をしている人物と目が合った。

っ!駄目だ、こんな所から出て行くところを見られたらすぐにバレる。

やっぱり路地裏から逃げるしか。


「メラ!!」

「へ?っ!?」


突如先程目があった男が私の元へと駆け出してきた。

それに驚いて私は思わず尻もちを付いてしまう。

そしていきなり私の肩を掴むと必死の形相でこちらに言葉を投げかけて来る。


「メラ、お前生きてたのか!心配してたんだぞ、こんな所に居たなんて。もう大丈夫だからな」

「え?え?」


何を言ってるんだこの人は、メラって誰の事?

私はメラじゃない、私はアイラのはず。

誰かと間違えている?


「あれ?耳が生えていない?」


しまった!

私は咄嗟に頭を隠す。

バレてしまった人間だと、殺される。

ごめん、ヤナモ私叶えられなかったよ。


「おい、何してんだお前?そいつは俺の獲物だぞ」

「あなたは誰ですか?」

「知らない方が良いぜ。平凡に生きたかったらな」

「その言葉だけで十分です」


そう言うとその男はゆっくりと立ち上がり、私の前に立つ。

私の事を殺すんじゃないの?


「おいどういうつもりだ?」

「僕も同じなんですよ。真っ当に生きてきたわけでは無いので」

「うぐっ!お前‥‥‥」

「この子の事をどうしても攫いたいと言うのなら、僕が相手になりますよ」

「な、何何なんだよお前!クソが!!」


先程まで私を追いかけてきた男はそう言うとそのまま走って逃げて行ってしまった。

すごい、あんな怖そうな男を言葉だけで追い返した。

するとその人は笑みを浮かべてこちらに振り返る。


「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」

「は、はい」


急に口調が丁寧になった。

さっきまですごく取り乱してたのに。


「すみませんでした、先程は変なことを口走ってしまい。僕はリドルです、君は?」

「あっえっと‥‥‥」


名前ぐらいは教えてもいいよね。


「私はアイラ‥‥‥です」


私は恐る恐る名前を口にする。


「アイラさんですか、素敵な名前ですね」

「ありがとう、ございます」


怖い人ではなさそう、でも私が人間だって知ったわけだしいいふうには思ってくれてないよね。


「随分とボロボロですね。擦り傷も所々ありますし、それに体もやせ細ってます」

「‥‥‥何ですかいきなり」

「ああ、すみません。女性の体をじろじろと見るのはいけませんね」


よく分からない、この人は私に敵意を向けていないの。

とにかく早くこの場から離れないと。


「それじゃあ私はここら辺で」

「ちょっと待ってください」


突如リドルさんが私の手を握って来た。

それにより私は思わず体を硬直させてしまう。

やられる。

そう思った時、リドルさんがこちらに優しい笑みを見せて来た。


「僕と一緒に暮らしませんか?」

「へ?」



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