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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その二十三 ガイの研究所探索その3

「さてと、残りの残党を追うか。こういうのは本当に面倒だね~研究所はもう滅茶苦茶だ。後でカローチェちゃんと一緒に怒られますか」

「エイムサンダー」

「っ!? ぐっ!」


油断していたのか俺の魔法が奴に直撃する。


「へへっどうだ見たか」

「こりゃ驚いた。まさか生きてるとは。俺の毒はそこら辺の魔法使いとは比べ物にならない強さのはずなんだけど」

「強い?こちとら常日頃から毒を受けまくってんだよ。師匠の毒に比べたらお前のは大したことないな!」

「どうやら毒使いの師匠が居るみたいだな。だけどそこに転がっている空の瓶は何かな?」


そう言ってフーリャは床に転がっている空瓶を指差す。


「あれは飲み物だ」

「ははっ飲み物か。そう言う事にしておこう」


本当は解毒のポーションだけどな。

師匠との修行でいつでも襲ってきていいと言われてから毒を受けてもすぐに治せるようにポーション持っていたのが役に立った。

でも、もう在庫はない。

荷物増やすのはあれだったしな。


「確かガイ君だったっけ。君の得意魔法はどうやら雷のようだ。その証拠にさっきからそれしか使っていないし」

「ハンデだよ。お前にはこれくらいで十分だ」

「若者の怖いもの知らずには本当に驚かされるね。死の縁に立ってまでそこを曲げないとは、時と場合を考えた方が良いよ。これ、おじさんからのアドバイスね」

「アドバイスなんて必要ねえよ。ていうかこっからが本番だぞ」


まだ足りない。

やっぱりあれだけじゃ流石にたまらねえか。

本当はこの時点で使えるようになってたら完璧だったんだけど、やっぱ初めてはなれないな。


「やる気満々って感じか。仕方ない、付き合ってあげるよ。ただし、俺ももう時間がないから少し早めに終わらせるけど大丈夫だよね」

「そりゃあ自分の事言ってんのかおじさん」


明らかに雰囲気が変わった。

でも相手が毒の使い手ならその経験が俺にはある。

師匠との修行で俺は昔よりも強くなってる。

勝てるはずだ、どんな強い野郎でも勝ってやるんだ。


「さてと、久しぶりに使うかこれ」


フーリャはそういうと地面に手を置く。

そしてそこから魔法陣が展開されていく。

あれは見た事のない魔法陣、オリジナル魔法か。


「ぼーっと見てていいのか?オリジナル魔法を展開しようとしているのはさすがに気づいてるだろ?」

「ああ構わねえ。どんな魔法が来ようと、返り討ちにするだけだからな」

「それはすごい、なら破って見せな、若者よ。侵食する疫病」


すると魔法陣の中からどろりとした何かが現れる。

何だあれは、生き物なのか?

魔法で作り出した物だろうけど、触れたらやばそうだな。

するとその謎の物体は魔法陣から次々と現れて行く。


「さっ撃ってごらん」


てことは魔法を放つとやばいってことなのか。


「分かったよ。その誘い乗ってやるよ!ライジングサンダー!」


その謎の物体に向かって俺は魔法を放つ。

すると沢山出てきたうちの物体の一つがその魔法に飛びついてきた。

その瞬間、魔法が徐々に色あせて行く。

そのままフーリャに届く前に朽ちていった。


「何だありゃ」


魔法がやられたのか。

どちらにしろ、あの数を何とかすればあいつに届くだろう。


「ボルテクスサンダー!ハイボルテージサンダー!」


二つの魔法陣を同時にフーリャに向かって放つ。

だが出てきた物体が一斉に魔法に辺りに行き、その魔法が先程と同じように朽ちて消えて行った。


「厄介だな。どんだけ出て来るんだよ。だけど魔法の威力を無くさせるだけでそれ以外は何もないなのかよ」

「注意力不足だよ。自分の状態をよーく見ると言い」

「は?何言ってるんだ?」


体を見ても何もなってないぞ。

何か変化が起きてるのか。

それとも俺が目に見えてないだけなのか。

いや、どうせハッタリだ。

そうやって俺の動揺を誘ってんだろ。


「まだ気づけないか?」

「っ馬鹿にしてんのか」

「若者に気付きを与えるのも大人の役目だからね。自身の状態を理解出来ない魔法使いは一流とは言えないよ」


違和感、そう言えばさっき魔法の威力を削がれたけどそれ以外に何かが起きてるのか。


「まさか!ライジングサンダー!」


俺は謎の物体に触れられた魔法の魔法陣を出現させる。

すると魔法陣の一部分がくすんでいた。


「な、何だこりゃ!」

「そっそれが俺の魔法陣の本質。簡単に言うと状態異常みたいなものだ。俺が生み出したこいつに魔法が触れるとその一部が触れた魔法の魔法陣に刻まれる。そして段々とそれは広がって行き最終的にその魔法が使えなくなる」

「使えなくなるだって。ライジングサンダー!」


俺は再びフーリャに向かって魔法を放つ。

すると謎の物体が二体張り付き、そのまま魔法と共に消えて行く。

するとその魔法の魔法陣のくすみがより一層広がった。


「まじかよ。どうやったら治せんだよ」

「駄目だよ~何でもかんでも人に聞いちゃ。若者はまず答えにたどり着こうとするのがいけないな。思考を閉ざすことは自ら死の道を進んでいると言う事だ」

「ちっ分かってるよ」


恐らくあいつを倒さない限り消えないんだろうな。

だとしたら先ずは必要のない魔法から使っていく。


「ストライクサンダー!サンダークラウィング!」


先程よりも威力を強めた魔法はさらに多くの謎の物質がそこに自らぶつかる事で消えて行く。

数が明らかに多くなった。

てことは魔法が強ければそれなりの数を必要とするんだ。

だとしたら強すぎる魔法はもしかして消すことが出来ないんじゃないか。

触れられるだけで終わりならそんな数必要ないだろうしな。

そうなれば隙を突いていける。

やられた奴はもう捨てる。


「ストライクサンダー!」


さっきよりも魔力を強めた魔法を放つ。

すると先程よりも多くの謎の物体が張り付いて行く。

そして残りの数が五体となった時、遅れて魔法をもう一度放つ。


「サンダークラウィング、ライジングサンダー!」


さらに残りの謎の物体が二つの魔法を消そうと飛び掛かった瞬間、決める為の魔法を放つ。


「レベル魔法!ギガボルテクスサンダー!」


威力はそれなりにある。

魔法陣から出てくる謎の物体も出てくるまで時間はかかる。

予想通り後から出て来た謎の物体は自らぶつかるがそのまま消滅し、魔法の威力は落ちない。


「レベル魔法ポイズンスワロウ」


巨大な毒の塊が俺の魔法を飲み込む。


「へっ!どうだ!お前の所まで届いたぞ!」

「喜ぶのは自身の状態を確認してからの方が良いと思うけど」

「何だって‥‥‥っ!?」


おかしい、あれは威力が落ちなかったはずなのに。

どうしてレベル魔法の魔法陣の一部がくすんでるんだ。


「ポイズンアロー!」

「おわっ!何すんだよ」

「考える時間を簡単に上げるわけがないだろう?おじさんはこれでも待った方なんだよ。ここからは俺も攻撃していくから、よろしく」


くそ、考えるのをやめるな俺。

とにかく迎撃しつつあいつのオリジナル魔法の特性を考えないと。


「グランドファイヤー!ロックスタンプ!」

「ストライクサンダー!ライジングサンダー!」


だが相手の魔法を完全に壊せることが出来ずそのままこちらに向かってくる。

俺は何とか右に移動してその魔法を避ける。

やばいな、くすんでるせいか威力が落ちてる。


「ほらほら、俺のオリジナル魔法を理解しないといつまで経っても勝てないぞ!」

「くそ!ならもう一度だ!サンダーボルテージ!からのレベル魔法ボルテクスサンダー!」


先に打った魔法で謎の物体の注意をそちらに向けてから、レベル魔法を放つ。


「キルトルネード!」


謎の物体に触れられることなく、フーリャの魔法によって相殺される。

触れられてはいない、だけど‥‥‥


「何で!?」


くすみが先程よりも広がっている。

ていうか最初に撃った魔法のくすみの範囲が最初から大きい。

どうしてだ、何で初めて受けた奴が広くて当たっていない奴がさらに浸食されてるんだ。

考えろ、何かあるはずだ。


「ロックスタンプ!」

「くっストライクサンダーっ!?」


出ない!

もう使えなくなったのか!


「どうやらもう使えなくなったようだな。さてとすべて消えるまであとどれくらいだろうね!」

「くそ!」


俺は別の魔法を放ちそれを防ぐ。

魔法、そう言えばレベル魔法を撃つ時はいつも別の魔法と一緒に使ってた。

そしてその魔法はいつも片方がくすんでいる状態だった。


「まさか、ライジングサンダー、ファイヤーバインツ!」


俺は明後日の方角に魔法を放つ。

すると当たっていないはずの炎の魔法陣がくすみ始める。


「そうか、くすんだ魔法陣と一緒に使うと近くの物も影響されるのか」

「正解、同時使用する場合触れてなくても移る。そうする事でどんどん魔法が使えなくなっていく。さて、改めて聞こうか。後どれくらいで魔法が使えなくなるかな」

「お前を倒せば全部消えるんだろ!」


俺は雷の魔法を次々と繰り出す。

どうせ消えるなら攻めていくしかねえ。

威力が奪い取られることは一番避けたい。


「中々積極だね。おじさんは若くないから、あんまりぐいぐい来られると困るんだけどな!」


謎の物体で威力を落とされつつ自らの魔法で俺の魔法を次々と防いでいく。

何だか当たる瞬間はあるけど、決定打にはならない。

くすみのせいで威力が落ちているからだ。


「ハイソウルサンダーボール、ボルトリレース!はあ、はあ、はあ‥‥‥」

「系七十二発、雷の魔法だけで撃ち続けたにしては頑張った方なんじゃない。だがもう玉切れだろう。他の魔法を使うつもりはないのか?」

「雷で勝つ」

「強情だね。それで自身の首を絞めているのが分かっているのかいないのか」


雷の魔法はほとんど撃った。

もう決定打を与えられる魔法はない。


「確かに全部なくなったけど、俺にはまだとっておきが」

「足元不注意」

「え‥‥‥っ!?」


その時足元に謎の物体がおり、足に張り付いてきた。

いつのまに!


「この離せ!」

「そう言えば、まだ気づけてないことがあるよ。おじさんは未来ある若者の未来を奪いたくないんだけど、君があまりにもしつこいからさ」


何だこれ、全然取れねえ。

するとどんどんこちらに集まって体に入るついて来る。


「魔法に触れればその魔法陣を使えなくさせるけど、人に触れたらどうなるか」

「か、体が重く‥‥‥」

「魔力自体を使えなくさせる。残念だけど、本当にここまでだ」


視界が謎の物体に埋め尽くされていく。

ああ、後もう少しだったのに。

魔力が無くなれば撃てない。


「わりぃみんなしくじった」



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