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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第四章 地獄の一週間
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その十六 コウバの性質

「ここが例のコウバ乗り場か……」


そこには荷台と繋がっているコウバらしき生物が沢山いた。


「なあミノル、あいつらがコウバなのか?」

「そうよ。それじゃあ私受付して来るからどれがいいか選んでおいてね」


そう言ってミノルは足早に受付に向かって行った。


「う〜んこれがコウバなのか……」


見た目は完全に馬だな。

他のモンスターみたいに日本には居ないやつが来るのかと思ったけど案外馬は居るのか。


「どうしたんですか、かつさん。かつさんもデビさんと同じくコウバが苦手ですか?」


そう言ったリドルの視線の先にはうずくまって震えているデビの姿があった。


「どうしたんだお前?昨日もそうだが顔色悪いぞ」

「お主……あれを見ても何とも思わないのか」


そう言ってデビはコウバの方を指差す。

そういえば昨日もコウバの事をやけに嫌がってたな。


「もしかしてお前乗り物酔いしやすいのか?だったら窓際に座らせてやるよ」

「そういう問題ではない!うう……なぜお主らはそう平然としていられるのじゃ」


泣きそうになりながら愚痴をこぼすデビ、それを見ながらリドルは何故か嬉しそうな顔をする。

う〜ん、よく分からんがなんだか嫌な予感がするな。


「えーっと、リドル。なんか嬉しそうなところ申し訳ないけど、とりあえずコウバ選ばないか」

「え、あ、そうですね。すみません僕としたことが。それでどれを選びます」

「う〜んそうだな……」


見た目は別に何も変わらないし馬の良い悪いとかよく分からないな。


「すまないがリドルが選んでくれないか。俺こういうのよく分かんなくて」


こういうのは現地の人に任せよう。


「いいですよ。それじゃあ僕の判断で決めさせて頂きますね」


何だかリドル嬉しそうだな。

まあコウバはリドルに任せるとしてとりあえずこの不安を取り払う為にデビにコウバについて教えてもらうか。


「おい、デビ。うずくまってるとこ悪いがお前が怖がっている理由を教えてくれないか」


こいつが怖がっている理由は何故か聞かなければいけない気がする。


「何を言っておる。妾が怖がっている理由は分かるじゃろ」


涙でクシャクシャになった顔で言われてもな。


「俺コウバのこと知らないんだ。だから教えてくれ」

「知らない?まさかそんな幸せ者がいるとわな。聞かない方がいいぞ」


何か悟りを開いたような顔で俺に不安な言葉を投げかけた。

そう言われるとますます気になるな。


「大丈夫だ!大抵のことは耐えられる。だから教えてくれないか?」

「いや、妾にそんな非道な事はできぬ」


何なんだいったい!?

コウバって何者なんだ。

俺がデビを説得しているとミノルが受付から帰ってきた。


「何やってるの2人共?もう行くわよ」

「え?もう受け付け終わったのか」


結局コウバが何なのか分からなかったな。

デビを説得しても無理そうだしミノルに聞くしかないか。


「なあミノル、コウバって何なんだ?」

「あ、かつはコウバ知らないんだったわね。えーっとあんまり言いにくいんだけど……ひとことで言うと変態……かな?」

「へん……たい……?」


ますます分からなくなった。

でも嫌な予感は案外当たってるかもしれない。

するとリドルが嬉しそうな顔で戻って来た。


「あれ?ミノルさん、もう戻って来たんですか。ちょうど良かったです。いいコウバ見つけてきましたよ」

「それなら良かったわ。じゃあもう行くわよ。ほらデビも観念しなさい。私だって嫌なんだから」

「ははは……抗えない運命というのは残酷なものだな」


死んだ目をしながらデビはミノルに連れてかれた。


「デビさんかなりまいってますね。そういえばかつさんは嫌じゃないんですか?」

「俺はコウバが何なのかよくわからないからな」

「それは勿体無い!こんな楽しい乗り物他に無いですよ!」

「そ、そうか……」


リドルはやけにコウバを気に入ってる様子だな。

デビはあんなに嫌がっているのに、リドルは嬉しそうってことは男女で違いが出るのか?

するとミノルが2匹並んでいるコウバのとこで止まった。


「ここが私達が乗るコウバね」 


茶色い毛並みで体も固くすごい筋肉質だ。

ホントに馬だな。

乗り心地も良さそうだ。

まあ、コウバの方じゃなくて荷台に乗るんだけどな。


「お前らが今日乗る客か?」


手綱を持って白いヒゲをはやした騎手らしき人が話しかけて来た。


「は、はいそうです」


いきなり話しかけられてビックリしたのかミノルの声が裏返っている。


「すまないがコ車が狭くて2人乗りしか出来ん。こっちで乗る奴ら以外はあっちのコ車に乗ってもらうぞ」


そう言っておじさんは隣に止まっているコ車という乗り物を指差した。


「う〜ん、どうする?じゃんけんで決める?」

「妾、かつと一緒に乗る」

「じゃあ、僕はミノルさんと一緒でいいですか?」

「どうするかつ?この組み合わせでいい?」


普通だったらここでいいよと言うが、今回は少し話したい人がいる。


「ごめん。今回はミノルと一緒に乗らせてくれないか」

「な!?」


なぜデビが1番驚く。


「わ、私?別にいいけど……ふたりはどうなの?」

「かつさんがそう言うなら僕は構いませんよ」

「うう……かつは妾じゃ不満なのか?」

「別にそんなんじゃない。ただ少し話したい事があるんだ」


そう、今聞いておかないと後々聞けなくなるかもしれないし、聞ける時に聞いときたい。


「それじゃあ決まりね。皆!長旅になるから適度に睡眠を取るように!分かった?」

「分かりました」

「そんなこと分かっておるわ」

「了解。それじゃあな!」


俺達は2人1組で別々の場所に向かった。


「カルシナシティまでよろしくお願いします」

「よ……よろしく」

「そんな露骨に嫌な顔されると流石に凹みますよ」


何か申し訳ないな。

デビがせっかく俺を指名してくれたのに断ってしまった。

あいつには現地に着いたら何か好きなものでも買ってやるか。

あ、金ないんだった。


「何ぼーっとしてるの?もう行くわよ」

「あ、そうだな」


まああいつのお詫びは後で考えるか。

するとミノルは荷台に乗らず馬の前に向かって行った。


「どこに行くんだよ。乗らないのか?」

「かつは先に乗ってて」


どうしたんだ?顔が少し赤いような。


「姉ちゃん無理しなくてもいいんだぞ」

「大丈夫です。これからの出来事に比べたらこんなのへでもないですから」


何だ?あのおじさんと何を話してるんだ。


「覚悟は出来てるようだな。まあここに来た時点で既に覚悟などとうに出来てるか」


するとおじさんがコウバに顔を近付けた。

傍から見るとコウバの言葉を聞いてるようなポーズをしている。

何かを理解したのか、おじさんは1回頷き顔を上げた。


「それじゃあ伝えるぞ。コウバの要求は―――――」


ミノルに何かを伝えると先程よりも顔を赤く染める。

なんて言ったんだ?

その時ミノルが驚きの行動をする。


「な!?」


ミノルが自分からスカートを上げたのだ!

顔が燃えてしまうんじゃないかと思うほど赤く、そして恥ずかしそうに俯くミノルの下には純白の下着がさらにミノルを扇情的な顔にさせる。

一体何をやってるんだ!?


「こ、これで良い?」


その言葉はコウバに向かって言ったかのように、コウバが鳴いて答える。


「ヒッヒヒーン!」


コウバが泣き終わるとおじさんがミノルに命令をする。


「もう少し上に上げろ」

「こ、こう?」


するとミノルは先程よりも上にスカートをめくった。

そのおかげで下着が完璧に丸見えだ。

するとミノルは顔を見られるのが恥ずかしいのか首を後ろに向けようと右下を向いている。

いや、もっと隠す所があるだろ!

ていうか何で言いなりなんだよ!

でも何かありがとう!


「も、もういいでしょ?」

「ヒヒーン!」

「上も見せろ」

「は!?な、何それ!?」


さすがのミノルもこの言動に怒ったのか講義をする。

ていうかもっと前に怒ることあるだろ。


「ヒッヒーン!」

「見せなきゃ走らん」

「く!わ、分かったわよ」


怒るに怒れないのか歯を食いしばりながら何とか我慢している。

ミノル……大変だな、他人事だけど。


「あ、あんまり見ないでね」


そう言ってミノルはゆっくりと恥ずかしそうに服をめくって見せた。


「こ、これでいいの」


上と同じように純白のブラがミノルの顔の火照りをより赤くさせる。

上も下もめくってしまっているのでほぼ裸だ。


「ヒッヒヒーン!」

「ひゃ!あ、あんまり鼻息……ん!くすぐったいから……あ!」


あれ?ここはいかがわしいお店だっけ?


「ヒヒーン!」

「もう満足だそうだ。お疲れ様」

「はぁ……はぁ……終わった」


それはどちらの意味なのだろうか。

でもそのおかげかコウバは元気そうだ。

その時ミノルが謎のプレイから帰ってきた。


「あの……なんて言っていいか分からんが……よかったよ」

「なっ――――!み、見るにゃー!」

「ぐぼへ――――!」


それは鮮やかなほどキレイなビンタだった。



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